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『エンダーリリーズ』のバイナリーヘイズ新作は、まさかの3Dステルスアクション(激ムズ)な『トーキョースクランブル』。地下に沈んだ東京から脱出を目指すはずが、気付けば「戦国」に降り立ち、ニンジャに襲われ、天誅を食らう……ナンデ!?

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謎の災害で都市部ごと地下に沈み、人間を喰らうバケモノも出始めた東京からの脱出を目指す。それが2DアクションRPG『エンダーリリーズ』などで知られるバイナリーヘイズの新作3Dステルスアクションゲーム『TOKYO SCRAMBLE(トーキョースクランブル)』である。

しかも、ただのステルスアクションゲームではない。痺れるほどの高難度、ドが付くほどの硬派な、“激ムズ”ステルスアクションである。

おそらく、『エンダーリリーズ』や続編『エンダーマグノリア』のプレイ経験がある人は困惑したかと思う。「3Dのステルスアクション!?」「東京!?」などなど。

筆者も本作の先行体験の話を伺った時は困惑した。(私的にドハマりした)『リデンプションリーパーズ』も含め、これまで作られてきたタイトルは「2D」の面白さをかなり追求したタイトルであったように思えるし、舞台もファンタジー世界だった。

まさかの大幅な路線変更。それもステルスアクションって……ナンデ?

そして、いざ遊んでみたら、これが絶望感を覚えるほど難しい。

『トーキョースクランブル』先行プレイ:『エンダーリリーズ』のバイナリーヘイズ新作は、まさかの3Dステルスアクション(激ムズ)_001

本作は災害に巻き込まれた大学生「アン」を操作し、地下に沈んだ東京からの脱出を目指す。だが、行き先では前述のバケモノを筆頭とする困難が立ちはだかる。アンにできることは「走る」「身を屈める」「隠れる」ぐらい。体力的にも弱く、もしもバケモノに襲われれば即刻お陀仏、ゲームオーバーだ。

開始間もない頃は、トライ&エラーの総数が2桁超えも当たり前。強引に突破する力押しもほとんど通用しないなど、ドが付くほど硬派を貫き通している。

だが、想定外が連続するストーリーに、あるタイミングを機に解禁されるバケモノへの個性的な対抗手段といった見所も多く、気付いた頃には先行体験なのに本編のエンディングまでやり通してしまったほど、謎めいて強烈な牽引力があった。

難度の高さゆえに人を選ぶゲームではあるが、そのハードな殻のなかにしっかりと魅力は詰まっている。本稿では、本作の難しさ、面白さ、そして「奇想天外さ」について、お伝えしていこう。

文/シェループ
編集/うきゅう

※この記事は『TOKYO SCRAMBLE』の魅力をもっと知ってもらいたいBinary Haze Interactiveさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


地下に沈んだ東京から脱出しろ! ルートは新宿→代々木→ジパング(?)→戦国(!!!?????)。 何言ってるかわからんだろうが、俺もわからん!

冒頭で筆者は「先行体験で本編のエンディングまでやり通した」と書いた。なんなら、記事執筆中も難易度「DESPAIR」で二週目をプレイ中である。文字通り、絶望を覚えるほど難しい。それほど高難度な本作を、なぜ心折れずにエンディングまでやれてしまったのか?

その答えは、とにかく先の読めない本作の「展開力」にある。実のところ本作、全編に渡って想定外で謎まみれの、いわば奇想天外な展開が連続する内容になっていて、それがプレイヤーの原動力になっているのだ。

特に際立ってその傾向が現れていたのがストーリーである。

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大筋としては、東京が地下に沈む災害に巻き込まれたアンが、地上の友人たちと兄の「レイ」の元へ帰るため、集合地点の渋谷を目指すというもの。

本編はステージクリア型の流れで進み、最初は災害に巻き込まれたアンが目覚めた新宿からスタート。そこからひとり、渋谷を目指していくことになる。順路としては山手線で言うところの「内回り」だ。

『トーキョースクランブル』先行プレイ:『エンダーリリーズ』のバイナリーヘイズ新作は、まさかの3Dステルスアクション(激ムズ)_003

しかし、これが異様の極みな展開を見せていく。多少のネタバレになることをご容赦願うが、始めこそ現実の山手線内回りに沿った流れで進む。

だが、ある時より巨大な骨が散らばる謎の区域……その名も「ジパング」に辿り着いてしまうのである。

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ジパングの一端。なんか骨、デカくね……?

『東方見聞録』とかそんな言葉が脳裏をよぎる衝撃の展開だが、話はこれで終わらない。ここを乗り越えると、大量の鳥居、石垣と天守を持つ荘厳な城がそびえ立つ「戦国」に到達。

冗談やネタではない。本当に「戦国」へと到達するのだ。

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そして、ここでアンは予想だにしない“天誅”に直面するのである。詳細は故あって伏せさせてもらいたい。ぜひとも、ゲームをプレイして体験し「これかぁ!」と衝撃を万全に味わってほしい。

ステルスゲームで天誅という言葉を出すと別の意味を持つところもあるが、本作に関しては文字通り「悪行を行った人間に対して罰を下される」の天誅である。つまりアンに“何か”が降り注いで罰せられるのだ。

その降り注ぐ何かは実際に見てのお楽しみとさせていただくが、否応なく「ナンデ!?」と困惑してしまうだろう。そして、どこから降ってくるのか分からない恐怖にも悩まされるはず……。

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天守に鎮座しているのは……天狗?

これらの展開に強烈に牽引される形で、筆者はエンディングまでやり通してしまった。特に中盤を越えてからは、本当に着地点不明の不安と期待が入り乱れる謎めいた展開を見せていく。同時に「渋谷に着けないんでは?」との疑念も深まる。

さすがに戦国から先に何が待っていたのかまではこの場では紹介しないが、ひとつだけ保証しよう。「あなたの想像もつかない展開になる」、以上。いちおう、リトライ総数が3桁に近づくほどの試練に見舞われたことと、思いもよらぬ声優さん(※本作は日本語と英語フルボイスに対応)の声を耳にしたとも記しておく。

迫りくる、異形の怪物。ダイナソー、カマキリ、ニンジャたちの包囲網を潜り抜け、出口を目指せ。硬派だが「ナンデ!?」な妨害手段も用意されたステルスパート

本作の驚きポイントは、ストーリーやステージ設定に留まらない。ゲーム本編も複数の意味で「ナンデ!?」が飛び交う、非常に濃密な作りとなっている。

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前述したように本編はステージ(エピソード)を順番に攻略していく形で進行する。各ステージのクリア条件は出口(ゴール)までたどり着くこと。もし、その途中でアンがバケモノに襲われて攻撃を受けたり、危険物に接触してしまうと問答無用でゲームオーバーだ。

なお、ダメージの概念がないため、どうあがいても力押しは無理。それはアンを地獄に追いやる行為も同然である。

一応、オートセーブ兼チェックポイントは適時設けられているため、スタートからゴールまで1発勝負ではない。本作の数少ない温情ポイントと言える。もし「ステージ一発クリア」が求められる仕組みだったら、筆者も多分心が折れてしまって、エンディングまで行けていないだろう。

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だが、ハードなゲームをお望みの皆さん、安心してほしい。1回でもバケモノに襲われたり、危険物に接触したりすれば即刻お陀仏の時点で、前述の配慮があろうともしっかりと高難度にしあがっている。

そんな本作の脅威の代表と言えるのが、バケモノだ。バケモノとは言うが、そもそも何者なのかを全く説明していなかった。改めてご紹介しよう。ズバリ恐竜、ダイナソーである。

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ダイナソー(トーキョーのすがた)

基本的にヤツらの動きと視界に意識を払いつつ、その隙間をくぐり抜けていくのが本作のゲームプレイとなる。もちろん、立ちはだかるのは恐竜だけにあらず。ある程度、本編が進むとカマキリ、ニンジャといった固有の索敵能力を持った(そして種族の法則性無関係の)バケモノも敵として出てくる。

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ニンジャがどんな姿をしているのかは実際にその目で確かめていただきたく……。

明らかにバケモノの言葉から程遠い存在が紛れ込んでいるが、気のせいではない。アンは途中で「SHINOBI EXECUTION」の脅威にもさらされるのだ。「あれ?天誅ってそっちの意味も……?」となったのかもしれないが、それは見てのお楽しみである。

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カマキリは視力に秀でている。目が爛々と光るうちは、物陰で息をひそめよう。

これ以外にもボスクラスのバケモノがごくわずかに存在。一部のステージではその執拗な追撃に立ち向かうことにもなる。なのにアンにできるアクションは基本的に走る、身を屈める、隠れる、以上。絶望の二文字が浮き上がるのも無理もない弱さ……だが、ちゃんと対抗手段はある。

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それがアンが腕に着けている改造型スマートウォッチ、その名も「ダイアナ」の遠隔操作による妨害。自販機やエスカレーターなどを起動させる、巨大ファンで強風を起こす、重機でぶん殴るといった妨害と攻撃が、あるタイミングを境に可能となるのだ。

やり方も動かせる対象(ギミック)に近づくと、どういう仕組みかデバイスにアプリが自動でダウンロード&インストールされるので、ワンボタンでポチっと起動するだけ。

ただ、操作可能な対象には必ず近寄る必要があり、種類もステージごとに固有。「重機でぶん殴りたい」といっても、肝心の重機がどこにもないと不可能だ。

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バッテリーはステージ内のどこかにある「チャージスポット」ごとに1回分を充電できる。

「これさえあれば東京の地下も安心!」とまではいかないダイアナだが、活用の仕方によってはピンチをチャンスに変える戦術として働いてくれる。また、ダイアナには強烈な光を放つ「フラッシュ」を始めとした内蔵のシステムアプリもあり、これもバケモノに追跡された時などに絶大な効果を発揮してくれる。

システムアプリはデバイスのバッテリーを消費する都合上、連続して使えず、そのバッテリーを回復する機会も限定されているため、迂闊な乱用はできない。だが、時と場合によっては強行突破の手助けをするなど、思わぬチャンスを作ってくれたりも。

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ショベルカーパンチ(激烈致命打)がダイナソーに命中!

これらの対抗手段の存在もあって、絶望的展開がエンドレスに続くワケではなく、むしろ進むたびに変化のある展開が繰り広げられていく構成になっている。

特にアプリによる妨害は多種多様。中盤以降には思わず「ナンデ!?」と口に出してしまう神話的妨害も可能になる。「神話……?」と思ったかもしれないが、実際に見たらそうとしか言い様がなくなるから大丈夫だ、問題もきっとない。

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エスカレーターを延々と走り続けるダイナソー。

またアプリによる妨害は、時と場合によってはシュールギャグな状況を作り出す一面を持っている。エスカレーターを高速稼働させ、誘い出したバケモノをそこに乗せてルームランナー状態にしたり、ロボットアームでUFOキャッチャー感覚で吊るし上げたり、バレーボールマシンでボールを連射してボコボコにしたり。

さっきまで命がけでこいつらから逃げていたのに、こういうシーンを見せられるとなぜか愛嬌を感じてしまう。

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自販機のコーヒーに群がるダイナソー。
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爆睡ダイナソー。

バケモノが可哀そうだったり、無邪気に思えたりする場面が用意されているのも、ある種「ナンデ!?」となる見所である。まあ、一番「ナンデ!?」となるのは、アンがこのような違法スレスレの激ヤバデバイスを着けている部分だが、そこについてはストーリー内で理由が明かされるので、楽しみにしておいてほしい。

とことんシビアな、「人を選ぶ」作品。試されるのは危機的状況に屈しない根気と勇気、そして心拍数管理?

色々特徴をピックアップしてきたが、冒頭でも言及したように本作は万人受けタイプの作品とはとても呼べない。人を選ぶタイプの作品だ。

主人公が攻撃手段を持たないのに加え、敵に襲われれば即ゲームオーバー。ゆえに基本の立ち回りはやり過ごしがメインと、ステルスゲームとしてもかなり硬派寄り。ダイアナの解禁以降も、必ずといっていいほど息が詰まるような場面と対峙することになる。

“ハードなゲーム”が好きな人にはたまらない作品だろう。そんな本作のハードさを更に盛り上げてくれるのが、「心拍数」の概念だ。

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右下の数値が心拍数。これが一定値を超えると疲れ切ってしまう。

画面右下に表示された数字がアンの現在の心拍数を示している。この数字は主に走っている時に上昇していき、一定値を超えるとアンが疲労し、走れなくなってしまう。

そのため、移動中はこの数値の揺れ動きにも気を配らなくてはならない。走らざるを得ない局面であっても、定期的に走るのをとめて上昇を抑えるなどの対応も必要である。

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一応、難易度選択機能は用意されているが、最も簡単な「HOPE」がノーマル相当の塩梅で、割と手ごわい。もうひとつの「DESPAIR」はさらに激烈で、心拍数の上昇速度アップ、敵の量増加などの変化もあって、本当に表記通りの絶望を見せられる。

筆者としては、本作の初回プレイでは「HOPE」を強く推奨する。「DESPAIR」はクリア後が望ましい。怖いモノ見たさな気持ちも湧くかもしれないが、悪いことは言わない。止めておけ。場合によっては詰む(※経験者は語る……)。

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元々、ステルスアクション自体が極度に好みの分かれるジャンルでもあるが、苦手な人が本作に手を出すのは、相当な覚悟を持っておいたほうがいいだろう。逆にステルス要素に抵抗がなく、先行き不透明なストーリーなどの特徴に惹かれた人は挑んでみる価値は大いにある。

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何度も繰り返すが、好みの分かれるゲームである。だが、相応に刺激の強い内容ゆえ、遊べば確実に何かが痛みと一緒に残る。忘れられない驚きを望むものよ。その覚悟があるなら、奇想天外なる東京の地下に降り立つがよい。

『トーキョースクランブル』はNintendo Switch 2にて、2月12日より発売中。

そして、時間的、地理的に余裕があるなら、本作のプレイ前に新宿から渋谷までを山手線内回りで巡ってくといいかもしれない。別に聖地巡礼要素があるワケではないのだが、周辺について知っておくと元ネタを楽しむ遊び方ができるだろう。そして、戦国で天誅されるのです……。

ライター
新旧構わず、色々ゲームに手を伸ばしては積み上げるひよっこライター。アクションゲーム(特に『メトロイド』、『ロックマン』)とストラテジーが大好物。
Twitter:@shelloop
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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