チャプター5までリリースされているのに、矛盾がない。「考察」が超捗る

ホラムビさんは、『ポピープレイタイム』の考察動画をたくさん公開されていますよね。プレイされたきっかけはなんだったのでしょうか。

じつは、『ポピープレイタイム』は視聴者の方からコメントをいただいて知ったんです。

そうだったんですね!

当時は『フォートナイト』でホラーマップを作っていたこともあり、ホラーゲームの恐怖演出について考えこんでいた時期でもあったんです。
プレイしてみて、「ハギーワギーが狭い通路で追ってくる恐怖」が衝撃でした。


なるほど。なにが刺さって、ここまで熱心に考察するに至ったのでしょうか?

『ポピープレイタイム』は、現状ストーリーの矛盾点がほとんどないんです!
チャプター5までリリースされているのに。たとえばチャプター2でわからなかったことが、その先のチャプターで判明する。つまり伏線回収が凄まじいんです。プレイするたびに毎回、新事実が出てくるんですよ。

なんというか……脳汁がものすごい出るんですよね。

の、脳汁ですか……?そんなに?

頭の中がワーッ!てなるような、気持ちいい伏線回収をさせてくれるんです。

まさにパズルがハマった時の気持ちよさというか。
まだ回収されてない伏線も考察して「おそらくこうだろう」という自分なりの答えに辿り着いたときも、すごく脳汁が出る……。


あれ、でも本作って本編自体はそこまで大ボリュームというわけでもないですよね?
外野から見てると、そんなに考察するとこいっぱいあるのか!?って思うのですが、どうなんでしょうか。

『ポピープレイタイム』は、主人公が謎の手紙を受け取って工場に赴くところから始まりますよね。
この本編は2005年の話なんですが……『ポピープレイタイム』世界の物語は1930年ぐらいから始まってるんです。
だから、「こうなるまで」のストーリーがすごく長いんです。

本編に辿り着くまでの経緯がそもそも長いんですね。

はい。ここに、考察の余地がめちゃくちゃあるんです。

なるほど、考察好き的にはすごく食いでがありますよね。

それから、『ポピープレイタイム』は本編以外にARGも展開しているんです。

えっ。ARGって、みんなで考察するアレですか?

そうです。みんなで考察するアレです。
直近、チャプター5配信前のARGは日本時間の深夜2時から始まったのですが、海外のユーザーでDiscordサーバーが大盛り上がりしていました。

それって、どうやって展開されるんでしょうか。

チャプター配信前にYouTubeの動画など、ヒントがアップされるんです。その中にモールス信号が仕込まれていたり、画面を明るくしないと見えないメッセージが記されていたり……。

最近いちばんヤバかったのは、「動画の中の1フレームにしかヒントが映ってない」ってやつでしたね。

む、難しすぎる!

運営が本気すぎて「見せる気ないんじゃないか」って思うくらい難易度が高いのですが、それも魅力です。それに、時間がかかりすぎると公式がヒント出してくれたりするんですよ。

すごい、ちゃんと誘導してくれるんですね!ホスピタリティにあふれていますね。

『ポピープレイタイム』の世界には、本編で描かれていない出来事がたくさんあります。
ARGはその年表の隙間を埋めるような感じで、展開されていくんです。そして明かされる答えが、それまでの物語とほんとうに矛盾してないんです。

「あの謎の人物が、じつはこの人だった!」みたいな感じで、パズルみたいにハマっていく……それがたまらないんです。


なるほど。考察好きにはたまらないコンテンツである理由がよくわかりました。そもそも広げている風呂敷自体が大きいし、定期的に供給がちゃんとあるんですね。

本編の考察をしていたら、次のチャプターのARGがやってくる。

風呂敷は畳まれるどころか広がっていて、「ずっと味がする」コンテンツなんです。チャプター5もあと1年は考察できるので、そうしているうちにチャプター6のARGが展開されて……。

いい意味で、急がしいコンテンツですね。

それに、「主人公が誰か」っていう謎の答えがまだ明かされていないんですよね。


それは……最大の謎ですね。

個人的には、『ポピープレイタイム』の楽しみ方として、本当に「考察」がおすすめです。脳汁出したいんだったら、ぜひ考察をしましょう。

あっ、Steam版の「チャプター1」は無料でプレイできます!しかも20分くらいでプレイが終わりますし、Nintendo Switchでも全チャプタープレイできますし……。

なるほど、めちゃくちゃ布教しやすい状況ですね。

ストーリーの区切り的には、1、2は日を置かずに続けて、3は単体で、4、5もできれば続けてプレイするのがすごくオススメです。

そういえば、ホラムビさんはなぜ数あるホラー作品のなかでも本作が深く刺さっているんですか?

それは……『ポピープレイタイム』を取り上げたことで自分のYouTubeが成功したので、個人的な思い入れがすごく強いんです。

なるほど。なにか思い出はあるんでしょうか。

本作に出会った当時は動画編集するための場所が家になくて、ウォークインクローゼットの中でプレイと編集をしていたんです。
家が狭くて、そこしかなかったんですよ(笑)。

ホラーゲームを、ウォークインクローゼットの中で……?想像しただけで、めちゃくちゃ怖いのですが……。

すごく怖かったですね。ハギーワギーも追いかけてくるし……。

やっぱ、そうですよね……。

だからこそ、スタート画面の音楽を聴くとクローゼットの中で編集していた寒い冬のことを思い出すんです。この曲も、どこかノスタルジックですごくいいんです。
僕にとっては、初心とか、原点に戻れる曲なんです。
今回の取材では3人にそれぞれ必ず、ハマったきっかけと、とくに好きなところを冒頭に聞いた。
しかし、冒頭でも述べたとおり、意外なほどにバラバラだ。
その答えはハギーワギーのおもちゃらしさ、おもちゃたちの格差社会、ネットでの活動と結びついた個人的な思い入れ──ごく個人的な“好み”へと話は転がっていった。
きっと『ポピープレイタイム』は、そういう作品なのだ。沼が深いゆえに、どこからでも入っていけるし、みな思い思い好きなところに行き着いて生息しているのだろう。かわいいおもちゃから入ってもいいし、怖さから入ってもいいし、謎解きから入ってもいい。
見るからに魅力的で深すぎる沼が、目の前にある。
楽しそうな沼なので、ちょっと覗いてみようと思ったところ……本作、Nintendo SwitchとPlayStation 5向けにチャプター1〜3をまとめて遊べる「トリプルパック」も出ているとのこと。
パッケージ版の特典として、描き下ろし絵柄の『プレイタイム社従業員IDカード』が付属する。

しかも、ジャケットデザインもリバーシブルとのこと。Nintendo Switch版はポップなドット絵、PlayStation 5版は躍動感ありすぎな恐ろしいハギーワギーとキャットナップがデザインされており、部屋に飾りたいイケてる仕上がりだ。
「あの青いモケモケの怖いやつ」で素通りするには、あまりにもったいない。気になった方は、この深くて楽しい沼へ、自分だけの沈み方で足を踏み入れてみてほしい。

