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『ポピープレイタイム』沼のファンに「ミリしら」状態で話を聞いてみたら、濃すぎた。誰もいないおもちゃ工場のリミナルスペースらしさ、生存競争と格差社会の中で生きるおもちゃたち、本編もARGも伏線だらけ──この沼、怖くて深い!

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『ポピープレイタイム』というゲームの名前は、なんとなく知っていた。青くて、歯がびっしり生えた、ハギーワギーというヤツがいるらしい。

この顔をショッピングモールの雑貨屋で、ガチャの景品で、あるいは子どもが持っているのを、どこかで見かけたことがある人は多いはずだ。

だが……そういえば肝心のゲームの内容を、ほとんど知らない

子どもに流行っているらしい、ホラーゲームらしい、なんか人気らしい──知識のほとんどが「〜らしい」で構成されていた。

しかし本作、最新章の話題は途切れず、グッズは品切れが続き、熱量の高いファンのコミュニティが日々考察を重ねているとのこと。検索してみたところ、ポップアップストアやコラボカフェといったイベントも継続的に実施されている。なんなら、アクスタもでている

えっ『ポピープレイタイム』、なんかメチャクチャ盛り上がってないか……?

な、なんだ?この盛り上がりは……。
そこで、この盛り上がりについて、いっそこの熱量の中心にいる人たちに直接聞いてしまおうと企てた。

未履修の編集部員である筆者が、ディープなファンの方々にゼロから教わる。巨人の肩に乗るつもり満々。予習なし、わかったふりもなし。「そもそもどういうゲームなんですか?」という初手の初手から、根掘り葉掘り聞いていくことにした。

取材の結果は……ものすごく意外な結果であった。

全員、プレイのきっかけや、本作の愛好している部分が見事にバラバラだったのだ。

ぬいぐるみに一目惚れしたり、スピンオフの対戦ゲームと世界観にとことん入れ込んだり、伏線を追って考察動画を作り続けたり──。同じ作品を「好きだ」と言っているのに、愛している場所がまるで違うのだ。

それぞれの話を聞くたびに、まったく異なる場所から『ポピープレイタイム』を照らすスポットライトが灯っていくように、極めて個人的かつユニークな視点のエピソードが、いくつも飛び出してきたのだ。

取材・文・編集/anymo

​​※本記事には、『ポピープレイタイム』のネタバレを一部含みます。

※この記事は『ポピープレイタイム』の魅力をもっと知ってもらいたいハピネットさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。

雑貨屋のぬいぐるみを見て、ハギーワギーにひとめぼれ。「おもちゃ」ならではの佇まいと切なさ、リミナルスペース的美学に惹かれる

どうして、『ポピープレイタイム』にドハマりしたんでしょうか?

不純な動機なのですが……ハギーワギーに、ひとめぼれしたんです。

!?

『ポピープレイタイム』沼にミリしらで話を聞いてみたら濃すぎた。ぬいに一目惚れ、スピンオフ950時間↑プレイ、考察にどハマり_001
(画像はSteam『ポピープレイタイム』チャプター1より)

雑貨屋さんでぬいぐるみを見て、それで……。プレイ中は、ハギーワギーのことばかり考えています

そ、そうなんですか?強火【※】だ……。

※強火…
オタクとして熱量が高いこと。

 

最初はiPadのアプリでプレイしていましたが、この作品のためにPCを買いました

 

PCまで!?

 

ハギーワギーの、なにがそんなにさもさんに刺さったんでしょうか。

ハギーワギーを好きになってから気づいたんですが、歯がたくさんあるキャラってかわいいんです。

歯があるっていうことは、咀嚼するってことじゃないですか

こんな恐ろしい顔をしているけれど、彼らもモグモグするんだっていうかわいらしさがあって……。

なるほど……。そう説明していただくと、なんだかわかるような気がします。

それから、チャプター1でのハギーワギーの佇まいにもノックアウトされたんです。

それは、追いかけ回してくるあの恐ろしさにでしょうか?

いえ、そうではないんです。

えっ。

手紙を受け取って工場にいくと、彼の巨大なオブジェがお出迎えしてくれるんです

 

私は、そこでもう、心をやられてしまって……。

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(画像はSteam『ポピープレイタイム』チャプター1より)

というと、恐ろしい捕食者としてというよりは、「おもちゃ」としての姿に惹かれたということでしょうか……?

そうなんです。工場の入り口にこんなに大きく展示されていて、「うちの会社でいちばん売れたおもちゃです!」って、わざわざ説明文まで添えられていて、その横には押すと楽しげなCMソングが流れるボタンもあって……。

 

工場見学にきた子ども向けに「ウェルカム」とまで書いてあるんです。

こんなに愛されているおもちゃがいるなんて!

でも、CMソングが流れると、経年劣化のせいで雑音が入ってしまうんです。

愛されるおもちゃであったハギーワギーはすでに過去のもので、時間が流れてしまっている。切なさみたいな感情が、一気にブワーって襲いかかってくるような感じでした。

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(画像はSteam『ポピープレイタイム』チャプター1より)

なるほど……。かつて人気であったおもちゃの切なさや侘しさのある佇まいに、ノックアウトされたんですね。

受付のすぐ脇にお土産屋さんがあったり、おもちゃを作るための機械にも目玉がついていたり。

会社として力を入れて、おもちゃたちに愛を込めてたんだなっていう内装なのに、もうボロボロになってるっていうのがグッと来るんです。こんなに楽しげなのに、もう誰もいない。

それから、本作のボスはみんなおもちゃなので、販促PVのような映像が存在しているんです。

それは、おもちゃモチーフのホラーゲームとして、すごくクールな演出ですね……!粋です。

「ああ、こんな素敵なおもちゃが子供たちに向けて販売されていたんだ」って想像させてくれるんです。

 

ここのおもちゃたちが、たとえ世界中のみんなじゃなくても、絶対誰かひとりの子どもには愛されていたおもちゃなんだっていうのを感じられて、すごく大好きな演出なんです。

いま、さもさんが話してくださってた「かつてはいたのに、もういない」のような侘しさもそうですが、本作はすごく「リミナルスペース」的な美学も感じられますよね。さもさんはいちばん好きなステージなどはありますか?

チャプター3に出てくる「プレイケア」が大好きなんです。

 

プレイしていて初めてここを訪れたときに口にした言葉を覚えていて……「ここで死んでもいいかも」って言ったんです。

「プレイケア」は、工場の地下にある孤児院ですよね。どうしてそう思われたのですか?

初めて来る場所なのに、懐かしさを覚えてしまうというか……。謎の安心感を感じるんです

私たち大人にとって、子どもの心に戻って安心できる場所って、たぶんないですよね。あくまで私の感覚に限るのですが、幼少期のように安心したいという願望が、ゲームの中であれば、叶うのかもしれないと感じたんです。

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(画像は「Poppy Playtime: Chapter 3 – Official Game Trailer #2」より)

孤児という背景を持つ子どものために作られた施設だからこその、設計のやさしさのような部分が安心感に繋がっているんでしょうかね。

窓がないのも、閉塞感でありながらも時が止まっているような安心感もありますよね。

それから、もうひとつ「リミナルスペース」的な刺さる要素として、チャプター1の「Deep Sleep」という曲もあります。

これがもう、とにかくリミナルスペース感というか……音がちょっとこもってて、夢と現実の境界線があやふやになる感覚、ふわふわして不安だけど、なんか心地いい感じ。それをまさに感じられるんです。

 

この曲、たしかにすごく「リミナル」ですね……!閉店間際のショッピングモールで聴くのに、すごくよさそうです。

あっ。それから、『ポピープレイタイム』にはこんな動画もあるんですよ。

※以下の動画には、ぬいぐるみに関するショッキングな表現が含まれます。

!!?

これは、スピンオフ作品の『プロジェクト:プレイタイム』の公開時に公式YouTubeにアップされていたものなんです。今で言う「ぬい虐」的なアプローチですよね。

これは……『ポピープレイタイム』でしかできないライン感というか、かなり攻めた器物損壊のレベルですよね。

もちろん、こういう表現は大っぴらに喜ぶというよりは、表出するべき場面を見極めるべきだと思います。

でも、『ポピープレイタイム』は公式がぬい虐しているんですよね。ぬいぐるみに大してこういう扱いができる、そこに本気度を私は感じています

たしかに。おもちゃを扱うホラーだからこそ、ここにブレーキを踏んでいないのは、信頼できますね。

はい!これぐらいできる人たちがこのゲームを作ってるんだっていう、信頼感があるんです。

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編集者
3D酔いに全敗の神奈川生まれ99’s。好きなゲームは『ベヨネッタ』『ロリポップチェーンソー』『RUINER』。好きな酔い止めはアネロンニスキャップとNAVAMET。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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