2016年11月2日に催された、“ニコニコ自作ゲームフェスMV作~る放送”第三回の中から、ゲームプロデュースについて語られた部分を抜粋してお届けする。
イシイジロウ氏に聞く第一弾、河野一二三氏に聞く第二弾に続き、第三弾には『鈴木爆発』、『拡散性ミリオンアーサー』などのプロデュースで知られるゲームDJ、安藤武博氏が登場。プロデューサーとは何なのか? ゲームプロデュースとは? 自作ゲームの場合はどう人に広めていくか? などのノウハウを尋ねる回となった。今回も人気の海外実況者ksonが生徒となり、その核心に迫る。
ケッコンしてないからずっと着れますから大丈夫
安藤武博氏(以下、安藤):
どうもこんばんは。
kson氏(以下、kson):
こんばんわー。
MC:
安藤さんとksonさんです。「今日はどんなコスなの?」というコメントが届いていましたが……これは何ですか?
kson:
これはニンジャとアメリカを足して2でわりました。
MC:
振り袖も入ってますよね?
kson:
フリソデ? フリソデとゆーのは?
MC:
振れる袖がある。
安藤:
振り袖は結婚すると着られなくなるんだよ。知ってた?
kson:
ケッコンしてないからずっと着れますから大丈夫です。
MC:
自分で作ったんですよね?
kson:
作りました。これはゲームのキャラクターの形をまねしましたからそれは知らなかったです。またかしこくなってしまいました……。
MC:
ハロウィンだからその衣装なんですか?
kson:
ハロウィン? ハロウィンはリアジューのイベント。わたしにはカンケイないよね。
安藤、MC:
(笑)。
ゲームプロデューサーは、何をする人か?
MC:
では安藤さんをご紹介します。ゲームDJ、ゲームプロデューサーをされています。代表作は『鈴木爆発』(2000年)、『ヘビーメタルサンダー』(2005年)、『ケイオスリングス』(2010年)、『拡散性ミリオンアーサー』(2012年)、テレビ番組『実在性ミリオンアーサー』(2014年) など。そして『シシララTV』や『シシララTV ニコニコチャンネル』というメディアを運営されています。皆さんご存知のタイトルですね。
安藤:
こう見えて、けっこう長いことゲームを作っています。
MC:
「鈴木爆発とか面白かった」、「実在性で見た」、「ミリオンアーサー好き」、「結構知ってるタイトルあった」などのコメントが。『鈴木爆発』がいちばん知られているんですね。きっとちょっとおっさんが多いんですね。
kson:
オッサン。
安藤:
『鈴木爆発』は16年ぐらい前のゲームだね。
MC:
プレイステーション黎明期のタイトルでしたね。そんな安藤さんに、今日は“自作ゲームのプロデュース”についてお伺いしていきたいと思います。
安藤:
マジメな話ですね?
MC:
マジメです! じつはこの番組はめちゃくちゃマジメでして、マジメすぎて、たいてい視聴者を置いてきぼりにしています。
安藤:
それは本当ですか? みんなksonのおっぱいが目当てで観ているんでしょ?
MC:
ええ。目はこちら、耳はこちらという感じです。
安藤:
そういうことなんだ。
kson:
そーゆーことですよ。
安藤:
わかりました、じゃあksonを観ながら、俺のマジメな話を聞いてください。カメラはずっとksonを映していていいですよ。 ではゆっくり喋りたいと思います。
kson:
Thank you!
MC:
さてksonさん、プロデューサーって何をする人かわかりますか?
kson:
プロデューサーは……何をするかはあんまりわからないと思います。
安藤:
これはプロでも正確にはっきりと説明できる人が少ない、とても不思議なお仕事なんですよ。
MC:
ゲーム番組などでは、プロデューサーと名乗る、何をしているかわからないけど偉い感じの人を見ますね(笑)。
安藤:
偉い人には見えますね。たとえば音楽や芸能でも、秋元康さんや、小室哲哉さん、つんくさんなど、“偉い人”というイメージがありますよね。
MC:
秋元さんは今度は二次元をプロデュースされるということで、ますますプロデューサーという役割が何をするものなのかわかりません。
安藤:
ええ。プロデューサーは本当に不思議な役目で、人によってやる仕事は変わります。偉い人であることは多いですね。
MC:
そのあたりの話を今日はお伺いして、それを自作ゲームに応用したいのですが……自作ではプロデュースも何もすべてひとりでやることが多いのですが、役に立つのでしょうか。
安藤:
プロデュース能力は自作ゲームを作るうえでも、とても大事ですよ。だから今日はそこを勉強しましょう。たとえばksonはプロデュース能力が高いと思いますよ。自分のことがよくわかっている。
kson:
おー。エラい人。
安藤:
プロデューサーって、自分を自分よりも大きく見せるような“お祭り”を起こす人なんですよ。プロデューサーがイケていたりイケていなかったりで、ゲームの発売日にお祭りが起こったり起こらなかったりするんです。ゲームが発売されるときに、「今週は『龍が如く』が出るから楽しみ~」ということってあるでしょ?
kson:
あります。
安藤:
でもゲームによっては、「あれ? いつの間にか出ていた」ということもある。これは、ちゃんとお祭りになったかどうかの違いです。そのお祭りを起こす人がプロデューサーなんですよ。ksonも、こうして自分でちゃんと「日本とアメリカを取り入れよう」と衣装を考えて着てくるから「かわいい」と言われるわけで。 kson自身をお祭りにしているわけです。
MC:
僕はこのあたり(胸元)にもお祭り感を感じます。
kson:
大きく見せます。
安藤:
これがスウェットだと目立たない。つまりプロデューサーとは、スウェットにせず、ちゃんとこういう衣装をゲームに着せてお祭りカラーに彩っていく人なんです。
MC:
本人を120%、150%に……。
kson:
大きくして見せるということですね。
安藤:
魅力的に見せる人ですよね。