第15話のあらすじ
1980〜1990年代というゲーム業界の「青春期」に大奮闘したゲームクリエイターたちの、熱くて、若くて、いきすぎた思い出を田中圭一先生がたずねる『若ゲのいたり〜ゲームクリエイターの青春〜』。
第15回は、1994年12月3日にソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)より発売された家庭用ゲーム機「プレイステーション」の立ち上げに尽力されたひとり、丸山茂雄さんをゲストにお迎えしました。
学生時代「マーケティング」を専攻し、それを活かした仕事として広告代理店に勤めはじめるも、自分に合った職業ではないと考え、レコード会社に転職した丸山さん。そこで、“アーティストのプロモーション”という天職を見つけ、多くのミュージシャンを育て、世に送り出しました。
一方、半導体ビジネスをより拡大しようという狙いから、ソニーの久夛良木健さんは、ゲームハードを作ることを目指していました。彼は、ソフトウェア部門を丸山さんに担当してほしいと打診。以前からゲームが新しいエンタテインメントになることを予感していた丸山さんは、その誘いを受けることになります。
そこで丸山さんは「最高のソフトを作れるアーティストを育て、より多くの傑作を世に送り出すこと」を目指し、いくつかの手段を講じるのです。
丸山さんがレコード会社時代から抱いていたポリシーがあったからこそ、プレイステーションの今がある──1990年代前半に巻き起こった、いわゆる「次世代ハード戦争」期を思い返しながら、ぜひご一読いただければと思います。(編集部)
作者
1962年5月4日大阪府枚方市生まれ。近畿大学法学部卒業。大学在学中の83年、小池一夫劇画村塾(神戸校)に第一期生として入学。翌84年、『ミスターカワード』(『コミック劇画村塾』掲載)で漫画家デビュー。86年開始の『ドクター秩父山』(『コミック劇画村塾』ほかで連載)がアニメ化されるなどの人気を得る。大学卒業後はおもちゃ会社に就職。『週刊少年サンデー』にも不定期で『昆虫物語ピースケの冒険』(89〜91年)を連載した。パロディを主に題材とした同人誌も創作。最新刊は2017年1月刊『うつヌケ』(KADOKAWA刊)、『田中圭一の「ペンと箸」』(小学館)。
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