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有野課長も全面協力!? いまさらメガドライブの新作ソフト開発をめざす連載企画が始動! ゲームセンターCX放送作家がお届けする「いまさら新作メガドライブソフトプロデュース計画」第1回

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 みなさん、はじめまして。放送作家をやっております岐部昌幸と申します。

 私が、フジテレビCSのゲームバラエティ「ゲームセンターCX」を担当していることもあり、電ファミニコゲーマー編集部から「ゲームに関する新企画、ナニかやりませんか?」というお誘いを頂いたのがコトの始まり。
 なんか楽しそうなんで「了解でーす!」と二つ返事で引き受けたものの、実際にサイトを覗いてみると、その本気度にマウスを握る手がガタガタと震え出した。

 ゲーム界のレジェンドたちが、しかも豪華なカップリングで、ファン垂涎のお宝話をこれでもかと披露されているではないか!

 正直参った……。三流放送作家が出る幕ではない。
 ファミコン全盛の小学生時代に、クラスで1人だけ「SG-1000」を持っていたときくらいの場違い感が蘇る。
 ……なんでボクのゲーム機だけ、コントローラーが縦なの? ……ソフトのパッケージが劇画タッチなの? ……ねぇ、お母さん。

 ……どうしよう。断ろうか。
 いや、いい歳した大人が、学生のバイトみたいに軽々しく「やっぱ、やめまーす!」じゃ恥ずかしい。そもそもオファーをもらったこと自体が奇跡なのに、私ごときがお断りするなんておこがましい。

 悩みに悩んだ末、ある人に相談することにした。
 きっと、この案件にうってつけの人物で、私が唯一相談できる、このサイトの名に恥じないビッグネーム。

 今年で13年目に突入した「ゲームセンターCX」——その看板を独りで背負ってきた、ゲーム実況の原点にして頂点に君臨する男・有野課長である。

 お忙しい中、とある「有野の挑戦」のロケ終わりの30分を頂いて「どうすればいいですかね?」と、もうおんぶにだっこで相談させていただいた。もはや相談というより「有野課長がこう言ったんだからしょうがないよね!」という“イイワケ”をもらいに行ったのかもしれない……。

文/岐部 昌幸


目指すは“新しい”レトロゲーム!!

岐部:
 失礼します。有野課長、挑戦お疲れ様でした!

課長:
 あ、岐部先生。ナニかわからんけど、イヤですよ。

岐部:
 いやあの、新しいサイトの件でご相談に。えっと……先日、ちゃんとご連絡も差し上げましたよね?

課長:
 えー、イヤや。

 ナニかをお願いすると、「イヤ!」とけんもほろろに断られる。
 それが、有野課長に頼みごとをするときの通過儀礼だ。
 30分しか時間がないのに、5分ほど「お願いします!」「えー、イヤや!」の足踏みなやり取りを経て、ようやく本題に入った。

岐部:
 というわけで、記念すべき1回目は、有野課長に「ナニしたらいいですかね?」と相談する、という内容を記事にしたいと思っていまして。早速なんですが…今後、どうしたらいいですかね?

課長:
 えーっ! ナニも考えてないの?

岐部:
 ……実は、ひとつだけありまして。長年、レトロゲームの番組を担当してきたので、新しいゲームではなく「新しいレトロゲーム」を作るコーナーというのはどうかと思いまして。そのプロセスをお届けしていく、みたいな。

課長:
 新しいレトロゲーム? 「ゲームセンターCX」で作ったじゃない? 『有野の挑戦状』。あれは「新しいレトロゲーム」だよね?

80年代を彷彿させる「懐かしくも新しい」レトロゲームの決定版として、2007年11月15日に1作目が発売されて以降、シリーズを重ねる人気シリーズ。
※画像はニンテンドーDS用ソフト『ゲームセンターCX 有野の挑戦状』 (C)FUJI TELEVISION (C)2007 NBGI

岐部:
 そうなんですけど。昔、「ゲームセンターCX」で「ファミコンソフトをいまさら作ろう」みたいな企画があったじゃないですか? 結局、ムリだということがわかって消滅しちゃったんですけど。

課長:
 工場がないからね。まぁ、それで、『有野の挑戦状』ってDSのソフトが誕生したんやけど。

岐部:
 あのゲーム、最高に楽しかったんですけど、やっぱり“パッケージング”としての懐かしさも欲しいな、と。“ファミコンソフトの新品がいまさら手に入るの!?”……みたいな感動といいますか。そんな中、番組内で、ボクに“セガが好き”というキャラがあるじゃないですか?

課長:
 キャラというか、ただ「セガしか持ってなかった人」でしょ?

岐部:
 正確には「母親がファミコンと間違えてセガを買ってきた人」ですけどね。

課長:
 ああ、そうか(笑)。

お母さんがゲーム機を買ってきてくれたが、それはなんか違った……という、“昭和な”ボクらの純情物語を読みたい方は、岐部先生の著書「ボクはファミコンが欲しかったのに」をご覧ください! ファミコン世代が「あった! あった!」と思わず共感する、80年代の子どもの日常を切り取った、ちょっぴりほろ苦くて切ないストーリーです。 詳しくはコチラ⇒http://www.kosaido-pub.co.jp/book/post_2048.html
お母さんがゲーム機を買ってきてくれたが、それはなんか違った……という、“昭和な”ボクらの純情物語を読みたい方は、岐部先生の著書「ボクはファミコンが欲しかったのに」をご覧ください! ファミコン世代が「あった! あった!」と思わず共感する、80年代の子どもの日常を切り取った、ちょっぴりほろ苦くて切ないストーリーです。
詳しくはコチラ⇒http://www.kosaido-pub.co.jp/book/post_2048.html

岐部:
 セガハードでいうと、2年後の2018年にメガドライブが30周年を迎えるので……。「ゲームセンターCX」で果たせなかった夢を乗せて、「メガドライブの新しいソフトを2018年にいまさら出す」みたいなことはどうかなと、ぼんやり考えていました。

※メガドライブは1988年10月28日発売。

課長:
 メガドラの新しいカセットを作るってこと? セガだったらなんとかなる的な感じ?

岐部:
 なりそうじゃないですか?

課長:
 思ったんだけど、いまさらカセットを作るのはムリだと思うねん。でも、売っているカセットを回収することはできるやん? 安く買えるやんか。その中のロムだけを書き換えるというのはムリなのかな? 手作業にはなるけど。

岐部:
 ゲーム会社さんに怒られそうですね。個人で内緒にやる分には、まだイイかもしれませんが。

課長:
 中古車なんかそんなんじゃない? 「新車を買いました。中身や内装を変えて、ウイングとか付けて改造しました。飽きたから売ります。それを誰かが買います」……別にメーカーは文句言わないでしょ?

岐部:
 そうですね。

課長:
 それとは違うの?

岐部:
 えっと……どうなんでしょうか?

2人:
 わははは(笑)。

課長:
 そら、わからんわな。

岐部:
 そういうことが「できる」のか「できない」のか? 例えばゲーム会社の人に聞きに行ったりとか。その過程なんかも、このコーナーで明らかにしていければと思っています。

課長:
 それは面白いね。セガに「もう作ってないから、お好きにどうぞ」とか、言われたりしてな

岐部:
 やるからには最終的には形にして、パッケージでの発売を目指したいですね。

課長:
 50本限定とか?(笑)。

岐部:
 そうです、そうです(笑)。

課長:
 ゲーム自体は、『RPGツクール』とかもあるから、環境的には作れそうだけど。

岐部:
 でも、スマホのゲームで配信とか、ちょっと寂しいじゃないですか? あと「いまさらメガドラのソフト出すの?」というくだらなさもいいかな、って。

いまどきの「1機」の重みって……

 「2年後にメガドライブの新作ソフトを、しかもパッケージで出す」——途方もない夢なのは間違いないが、今はとりあえず、夢の中で全力疾走とまではいかないけれど、前に進んでみることにしよう。
 「では、どんなゲームにしたらいいのか?」と、内容に関して切り出そうとしたところ、有野課長からこんな話題が……。

課長:
 いまどきの人って、「1機」が大切じゃないねんて。

岐部:
 え? どういうことですか?

課長:
 スマホアプリでゲームをやってて、ハイスコアを更新していても、来客があったとか、電話が来たとかでプッと切れるんやって。

岐部:
 「もったいない!」とかないんですね!

課長:
 「たかがゲーム」くらいの感じ。

岐部:
 「1機」で何度も苦汁を舐めてきた課長にとっては、ビックリな話ですね!

課長:
 世代なんやろうな。大事にする、しないの感じが。

岐部:
 じゃあ、ボクのは、1機を大事にするゲームにしたいと思います(笑)。

課長:
 でも、ライフ制にするのか、1発アウトにするのか? そういうところから決めていかないとやね。

岐部:
 有野さんは、いままで13年間もレトロゲームをやり続けてきたわけじゃないですか? その中で、「あの要素とか入れたらええんちゃうか?」とか アドバイスをいただけたら…。

課長:
 教えない!

岐部:
 えーっ! 即答!?

課長:
 また番組でソフト出せる日が来るかもしれんから、教えないです(笑)。

岐部:
 「ゲームセンターCX」でこれ以上、ゲームソフト出しますかね? 

課長:
 そういえばこの間、『有野の挑戦状』を作ったインディーズゼロの鈴井さんとご飯食べたよ。

岐部:
 え! じゃあ、水面下で『有野の挑戦状』の続編の話が進んでいるんですか?

課長:
 いいや、全然。「うちの会社って社員全然辞めないんですよ」とか「初任給、この間アップしたんですよ」とか、そういう話。

岐部:
 まさかの、ホワイト企業アピール?(笑)

課長:
 でも、面白い話やったで。どうやってイイ新入社員を見つけるのか? とか。良ければ話そうか。

岐部:
 えっと……それは、またの機会にお願いします(笑)。

ゲームセンターのゲームにもヒントが?

課長:
 レトロゲームといえば、当時、セガと任天堂の違いってあったのかな? PCエンジンはグラフィックが綺麗、みたいなイメージあるけど。

岐部:
 ひとつあるのは、セガのハードは「ゲームセンターのゲームが家庭用でも遊べる」

課長:
 確かに当時のセガって、ゲームセンターのイメージある。

岐部:
 でも、ファミコンでもサン電子から『ファンタジーゾーン』が出たり、別の会社から『獣王記』なんかも出てたり、セガのオリジナルゲームが出ていたりするんですよ。ウワサでは、アーケード部門と家庭用部門の仲があまり良くなくて、アーケード部門の人があえてライバル機種に移植させたとか…。

課長:
 ホンマかな、それ(笑)。

岐部:
 話のデキ過ぎ感が、逆にウソっぽいですよね(笑)。

課長:
 あと、セガでいうと乗るやつ多かったよね。可動筐体の体感ゲーム。ウチの次女をこの間、「GAME ON」※に連れて行ったら、『アフターバーナー』にすごいハマってた。ずーっと乗ってたよ。レバーを「グッ」「グッ」と握って、もう夢中になってた。

※期間限定のゲームイベント。有野課長がPR担当として「宣伝課長」を務めた。

岐部:
 新鮮なんですかね?

課長:
 乗ってプレイして、それが動くっていうのが新鮮なんやろな。

岐部:
 あの頃のゲームって、割と乱暴な動きしませんか?

課長:
 うん。でも、シートベルトしようとすると、身体が小さくて(コントローラーまで)届かへんねん(笑)。それでも、乗って遊ぶゲームばっかりやってたね。いま、ゲームセンター行っても、ああいうのないやん? 『戦場の絆』※とか、中高生以上はすごいハマるけれど、子どもには理解するのはムズカシイし、パッと気軽にやられへん。

※『機動戦士ガンダム 戦場の絆』

岐部:
 よく考えるとあの頃って、『アウトラン』とかも、車のフォルムを1台1台生産して、全国のゲームセンターに搬入していたって、すごいことですよね。

課長:
 ウチの子どもは、遊園地に行ってもゲームコーナーに入り浸るよ。

岐部:
 血筋ですね(笑)。ちょうどいい感じのレトロゲームがたくさんありますもんね。

課長:
 乗り物に乗るよりも、ビー玉をすくって入れるゲームのほうを喜んだりして。ただ、遊園地のゲームって、プレイごとに100円取られるから、親としては「損してる感」がすごいねんな(笑)。せっかくフリーの乗り放題で園内に入ってるのに、なんでココで100円イッパイ払わなあかんねん、って(笑)。

岐部:
 いまの子どもが夢中になるってことは、そういう遊園地でいまだに頑張っている古いゲーム機なんかにも、「新しいレトロゲームづくり」のヒントがあるかもしれないですね。

課長:
 大阪の遊園地やったかな。ヒモをハサミのようなアームで挟んで下ろしてキーホルダーを落とすタイプの景品ゲームがあって。棚にボールチェーンがぶら下がってるんやけど、その棚の部分に、ハサミの部分が「ゴンっ!」って当たったら、そのハサミが「ボロっ!」と取れちゃって。それからもう、そのゲームはプレイできなくなったんだけど、次の家族がナニも知らずにそのゲームをやろうとして100円入れたら「うわ! なにこれ!」ってビックリしてて。

岐部:
 まぁ、驚いたでしょうね(笑)。

課長:
 壊れてしまったことを報告したくても、店員さんがどこにもおれへんねん。地方の遊園地のゲームコーナーとか特に人手不足な感じ。

岐部:
 わかります。『UFOキャッチャー』でも、転んだら取れないような景品を、最初はキレイに並べていたんでしょうけど、誰かが失敗してそのまま倒れて、絶対に取れない状態のまま放置されていたり…。

課長:
 「射的」もあったんやけど、やっぱり店員さんいなくて。弾はガチャガチャのカプセルに入っているから買えて、景品を当てて「お、2個落ちた!」って喜んだけど、でも、落ちたまんま。「……あれ?」って。

岐部:
 (笑)。

課長:
 手前にローラーがあるから、それに乗っかって運ばれてくるのかな? って思ったけど、まるで音沙汰ナシ。横から取ろうにも別の筐体があってムリだし。「うーん、でも、どこにも言われへんしな」で、そのまま終了。

岐部:
 落として終わりの「射的」ゲーム(笑)。

課長:
 あ、このインタビュー、テレビゲームの話か!

岐部:
 まぁ、そうですね(笑)。

課長:
 岐部先生、ちゃんと仕切ってくださいよ!

岐部:
 ……すみません!

融資して失敗したら「一生バナシ」に!?

課長:
 実際、ゲームをちゃんと出そうと思ったら、すっごいお金かかるで? 昔、よゐこライブでうんちを積んでいくゲームっていうのを考えて。最初は、ケータイを傾けてソフトクリームを巻くみたいにやりたいって言ってたんだけど、傾きのセンサーを使うと倍以上の開発費がかかるって言われて。だから、キー入力で左右に動かして積んでいく形に落ち着いたんやけど、……値段言うてえーかな、えーか。それでも開発費は……100万円。かなり単純なゲームで、その金額。

岐部:
 うわ、かかりますね! となると、もしかしたら、パッケージ化の際に融資のお願いに来るかも…。

課長:
 課長のトコロに? それは、恐ろしいなー。妻に相談せんとアカンな(笑)。

岐部:
 一応、相談には乗ってくれるんですね?

課長:
 でも、課長ひとりでは決められへんで。ウチの夫婦はほら、コーエーさんのトコロと同じやから

岐部:
 コーエーさんのトコロの、ナニを知ってるんですか(笑)。

課長:
 でももし、協力するとして、できあがったモノが大したものじゃなかったら、オレ、すげー文句言うよ! 一生文句言う!

岐部:
 一生ですか! それは耐えられないな…。

課長:
 “一生バナシ”ってやっぱりあるわけやん? 「ゲームセンターCX」で言えば、番組の東名阪のイベントで課長が名古屋で新幹線を寝過ごして、イベントに間に合わなかったとか、もうあれは“一生バナシ”じゃない? ひょんなことから名古屋とか新幹線の話題が出るたびに「そういえば有野さん、名古屋で寝過ごして…」って、いまだにネチネチ言われる(笑)。それが“一生バナシ”。

岐部:
 その後、新幹線で移動するときとか、目的地に近づくと、やっぱりスタッフがザワザワしますもん。「寝てんじゃねぇか?」とか(笑)。

課長:
 もうそれって「一生バナシ」じゃない? だから、出資したのに面白くなかったら、「一生バナシ」になるで、それは。

岐部:
 でも、有野さんの場合、オイシくなってるじゃないですか? あの話が。

課長:
 オイシくなってるのかな、アレ(笑)。でも、あれ以来、新幹線で寝なくなったよ。隔週で大阪に帰ってるけど、映画見るようにしたもんね。

岐部:
 いいことじゃないですか。エピソードとしてオイシイうえに、寝過ごすこともなくなったわけです。一方、ボクはこのサイトに、自分で取材して記事も書いて、それでできあがったモノが「一生バナシ」になるという…。

課長:
 あり得るね。そういえば、岐部くんが「絶対にやってほしい」って言っていたファミコンの『火の鳥』、そうでもなかったもんな。挑戦ソフトとしては微妙やった(笑)。

岐部:
 あれも“一生バナシ”になってますね。それ以降、ボクがプッシュするゲームは、みんなが「ホント大丈夫?」って目をして…。『忍者龍剣伝』とか『マイティボンジャック』とか、同時期に言ってたんですけど、『火の鳥』ショックが大きくて、「岐部がプッシュしたソフト」と思われてないんです。

課長:
 かき消された(笑)。

岐部:
 一生バナシは恐ろしいですね(笑)

大きなヒント!? 「引き算のゲーム」とは???

 「ゲームセンターCX」のトラウマ話も飛び出したところで、対談時間も残りわずかに…。
 すると、有野課長から、今回の「新作レトロゲームづくり」のテーマとも言える大きなヒントが。

岐部:
 というわけで有野さん、2018年まであと2年、頑張りますので…。

課長:
 2年でいけるの?

岐部:
 内容にもよると思うんですが…

課長:
 内容ね…。削ぎ落としていくって考え方はないの?

岐部:
 シンプルなゲームということですか?

課長:
 いまあるゲームで「面白いんだけど、これはいらんな、あれはいらんな」って、引き算していったら、メガドライブのソフトに収まるくらいのボリュームになるんじゃない?

岐部:
 “引き算”なるほどー。その考えはありませんでした。

課長:
 引いてくのさ。「カラーじゃなくていいな」「背景いらんな」「観客いらんな」とか。

岐部:
 「――そして誰もいなくなった」みたいになりませんかね?(笑)。

課長:
 「主人公は人型じゃなくて棒でええか」とか(笑)。フィールドなんて2Dで充分やん。

岐部:
 「GAME ON」で遊んだ、究極にシンプルなテニスゲーム、面白かったですもんね。棒と球だけが表示される…。

課長:
 そこのもうちょっと手前くらいをさ、狙う感じで。どこまで引いていけるのか、っていう。

岐部:
 引き算のゲーム…。テーマとしてすごく面白そうですね!

課長:
 『バイオハザード2』のさ、豆腐のヤツも面白かったやん。クリア特典でできるヤツ。もともとはあれ、テストプレイのモノだったんだっけ? 人の形をしてないけれども、プレイする側からしたら、アレはアレで楽しかった。だから、すべてをガッチリ創りあげなくても、面白いゲームは面白いと思う。

岐部:
 なるほど。あえて“テストプレイ風ゲーム”みたいなのも、アリですね! わざとやってます、っていう。

課長:
 そぎ落としていったけど、逆に音だけはエラい凝っちゃいました! とかも面白いかも(笑)。いまのゲームってちょっと乗せ過ぎだと思うんですよ。最近買ってプレイしているゲームがあるんだけど、すんごい面白いのに、武器をイチから作る作業が面倒で、「これは普通に“武器ゲット”でイイやん!」って思っちゃう。

岐部:
 いやぁ、有野課長、さすがですね。大きなヒントをもらえた気がします!

「引き算のゲーム」イメージ図
by榎本俊二画伯


「引き算のゲーム」――最後の最後で、目指すべき方向性がなんとなく見えたことで、少し安堵したのも束の間、有野課長から恐ろしい指摘が……。

課長:
 ――でも、大丈夫?

岐部:
 ん? ナニがですか?

課長:
 こんなこと話して、記事にしていくわけでしょ? クリエイターの人とかも交えて。
 それをヒントに、似たスマホのゲームなんかで出たりしない?

岐部:
 はっ! 取材した内容を見て「アレいいな」みたいな感じで……。

課長:
 「次の回で、こんな感じのゲームに進めていって」って間隔で記事をアップしてたら、もうスマホゲームで出てた、みたいな。アプリの配信スピード、速いからね。

岐部:
 盲点でした。でも、プロセスを明かしていくコーナーにしたいしなぁ。

課長:
 ホンマにいい感じのゲームに見えたら、すぐやると思うよ、アプリの人たち。勝手に悪者みたいに思ってるけど、アプリの人たち(笑)

岐部:
 そうか……その落とし穴がありました。記事の方向性を再考しないとですね! ともあれ、2年後。ソフトを持って、もう一度来ますんで。

課長:
 2年か……それまで会われへんと思うと、寂しくなるなー

岐部:
 いやいや! 普通に会いますよ、その間も! 今度、番組のロケで一緒に四国も行きますし。

課長:
 えーっ? 会うの? できれば四国とか来ないで欲しいな。「2年間もう、会われへん」みたいな感じがええやんか。

岐部:
 ボク、2年間、どこへ行くんですか(笑)。

課長:
 次に会ったらさ、ヒゲモジャモジャで、白髪も生えて、あちこちに傷があって、ジャケットの袖もなくなってて。「やっとできましたよ、有野さん!」って感じで、ゲームを持ってくるイメージやったんだけど。

岐部:
 山にこもるわけじゃありませんから!

課長:
 やってくれへんの?

岐部:
 最後はボクから有野さんに言わせてもらいます!
 ――「イヤ!」

課長:
 (笑)。

岐部:
 有野課長、今日はお忙しい中、ありがとうございました!!

 新作メガドライブソフトの2018年リリースに向け、いよいよ動き出した不安満載の当プロジェクト。
 次回は……メガドライブといえばソニック! ということで『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』生みの親・中裕司さんを直撃! 「本当にメガドライブのソフトをいま出せるのかどうか?」相談することに……。
 お願いですから、どうぞハードルを爆下げしてご期待くださいませ!!


お知らせ!
『ゲームセンターCX IN 四国 ゲームお遍路88台巡りの旅』


 
有野課長が四国に初上陸! 四国にあるゲーム機88台をプレイするぶらり旅を高画質4K特別番組としてお届けします。もちろん「有野の挑戦」もあります! お楽しみに!
★7月3日(日)17時~19時 ひかりTVにて放送

★ゲームセンターCX公式サイトはコチラ

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