9月20日~23日まで幕張メッセにて東京ゲームショウ2018(以下:TGS2018)が開催しています。一般公開日初日の22日には、カプコンがスマホアプリとして配信している、大人気女性向けゲーム『囚われのパルマ』【※】の最新作『囚われのパルマ Refrain』の紹介ステージ「『囚われのパルマ Refrain』東京ゲームショウスペシャル面会」が開催されました。
ステージにはプロデューサーの平林良章氏(以下、平林氏)とクリエイティブディレクターの原美和氏(以下、原氏)が登壇。ファンを前に、最新作『囚われのパルマ Refrain』について語りました。
このステージは20日のビジネスディにメディア向けでも行われましたが、一般公開日の22日は多くのファンがステージに集まり、新情報が流れるたびに「おぉ……」という歓声も湧き上がりました。
ステージに先駆け、TGS2018が始まると謎につつまれていた『囚われのパルマ Refrain』の情報が次々と解禁! キービジュアルの公開と“チアキ”(CV:石川界人)の紹介。さらに、『囚われのパルマ Refrain』の公式サイトがオープン、そして、カプコンブースではゲームの試遊が実施されました。最新作の期待が高まっている中でのステージ。それだけに、開発者の言葉にファンたちの期待が高まります。
※『囚われのパルマ』
2016年8月30日にカプコンから配信されたスマートフォンゲーム(iOS/Android)。コンセプトは「ガラス越しの体感恋愛アドベンチャー」。スマートフォンの画面が面会室のガラスとなり、孤島に囚われた青年と言葉を交わすことで心が近づいていく。2018年に最新作となる『囚われのパルマ Refrain』が発表された。
【『囚われのパルマ Refrain』】
<物語>
舞台は、前作より5年前──。
ある夜、路上に落ちていた一冊の本をきっかけに路地に倒れていた青年・チアキを偶然、 助けたあなた。しかし、その日を境にあなたの日常は一変。助けた青年と面会するため、孤島の収容施設を訪れたあなたは、そこで謂れのない疑いをかけられていることを知る。
とある事件の鍵を握るというチアキ。疑いを晴らすためにも、彼の記憶を取り戻すことに協力してほしいと頼まれるが……。彼の相談員となったあなたが直面する、記憶の真実とは──。<チアキ>
身長:178cm、体重:67kg、利き腕:左利き。ある事件の重要参考人として監禁されている青年。事件に関わることを含め、記憶の一部を失っている。一見横柄でドライな印象を受けるが、気を許した相手に対しては、何故か守ろうとする意識が強い。
(以上は、公式サイト『囚われのパルマ Refrain』より引用)
文/近藤智子、かなぺん
撮影/田中一矢
新規要素“視覚移動と監視機能”で感情がより彼に伝わりやすくなった!
まず、流れたのは『囚われのパルマ Refrain』のプロモーション映像。新らたな彼となるチアキの「ここは深くて、光すら届かない。でも君がいたくれたから……」という言葉からはじまり、「君を愛さない」という意味深な言葉で映像は終了。チアキの心の揺れが映像から伺えます。
さらに、冒頭では真っ赤なリコリス【※】のなかに、黄色のリコリスが一輪……。そこに登場したチアキは、一面に広がった黄色のリコリスに包まれていきます。
『囚われのパルマ』シリーズの彼にはそれぞれモチーフとなる花があり、ハルトはアネモネ、アオイはひまわりでした。つまり、映像からチアキのモチーフが“リコリス”であることがわかります。リコリスといえば、色によって花言葉の意味がかなり変わる植物だけに、何かの暗示になっているのか……その理由が気になるところですね。
※リコリス
ヒガンバナ科の植物で東アジアに十数種が分布する球根植物。その一種に日本ではなじみのある彼岸花や曼珠沙華が含まれている。またリコリスには「持ち帰ると火事になる、摘むと死者が出る、摘むと手が腐る」といった迷信もある。
“Refrain”に込められた意味とは
映像が終了すると、平林氏と原氏が登壇。タイトルの「Refrain」という言葉には「繰り返す」「続いていく」という意味があり、平林氏は「本作の彼との関係がずっと続いていくようにコンテンツを提供していきたい」という開発陣の想いを込めいていると話します。
チアキ役・石川界人さんがビデオメッセージで登場
続いて原氏が、路上に落ちていた1冊の本をきっかけとしたチアキとの出会いがどのように物語が始まっていくかを紹介。チアキがある事件の容疑者であり重要な証拠が消えたこと……。なぜか、プレイヤーにその証拠品を隠滅した疑いが掛かっていることが判明。
しかしチアキは記憶を失ってしまっているため、プレイヤーは自身の疑いを晴らすため相談員としてチアキと接し、失われた記憶に隠れされた真実を探っていく……というのが目的となります。
チアキは黒髪に黒い瞳というビジュアルで、言動からはややドライな印象を受けます。しかし物語が進んでいくと、プレイヤーに対する接し方が変化していくと原氏が説明。
ここで、チアキを演じる声優の石川界人さんからのビデオメッセージが公開されました。
メッセージが終わると、チアキ役が石川さんに決まった経緯について、原氏はキャラクターのイメージに声が合っていたことはもちろん、物語が進むにつれて細かい感情表現が必要になるため、きちんと演じきってもらえる人ということを重視したといいます。そして開発陣からの熱烈なオファーの末、石川さんの起用が実現したと振り返りました。
新たに加わった“視線”のコミュニケーションを体感
続いては、実機を使ってゲームの紹介をしていきます。ゲーム内では「SABOT」という携帯端末を使い、外出先でさまざまな「話題」を入手してチアキとコミュニケーションを図ります。「図書館」にいるアルバイト・門司や、「公園」で前作に登場した「シンディー」と思われる慎之介との会話で話題を手に入れ、チアキにメッセージを送信。返事はすぐに来るものではないので、本作の特徴でもある「監視」を試すことに。
「監視」ではその名の通り、監視カメラを使ってチアキの様子をこっそり見ることができます。ここではカメラを覗いているとチアキが両手で端末を握り、こちらへメッセージを返信してくれる姿を覗くことができました。
2度目の面会のシーンでは初めて会った時の敬語もなくなり、少しチアキとの距離が近づいた印象を受けます。
プレイヤーが事件について尋ねると「思い出せない」とあっさりとした空気で、さらに追及すると「ご褒美でもくれるなら話は別」と思わずドキッとするようなセリフも交えつつ、プレイヤーに対して「帰れ」と一蹴。
なんとチアキは初めての面会の際、プレイヤーが看守に言われるがまま会話していたことを見抜いていました。洞察力に優れた彼にまた違った意味でドキっとしつつ、チアキがプレイヤーへ少し興味を抱いたようにも思えましたが、看守からのストップで面会は終了します。
サブキャラクターは須田看守(CV:櫻井孝宏)と図書館のアルバイト門司(CV:鈴木達央)
本作ではチアキ以外にもパートボイスが加わり、看守の須田は櫻井孝宏さん、図書館でアルバイトをしている門司は鈴木達央さんが演じます。ここぞというときには、彼らもボイス付き(フルボイスではない)でストーリーを盛り上げてくれるそうです。
“リコリス”に込められた意味とは?
原氏はチアキについて、“疑念から始まるのでマイナスからのスタートでは”と語ります。そこから少しずつ信頼を重ね、過酷な運命を乗り越えて信頼の先にある唯一の愛を感じてほしいとファンに訴えました。
その時こそ、「俺は……君を愛さない。」という言葉の本当に意味や、赤いリコリスの中にある一輪だけの黄色いリコリスというチアキのイメージについても分かるようです。
ファンにはお馴染み、差し入れの「パンツ」もグッズ化
前作ではハルトやアオイに「パンツ」を差し入れできることでも話題となりましたが、今回も「BETONES(ビトーンズ)」とのコラボレーションを実施。包帯姿のチアキがリコリスの描かれたパンツのみ着用しているという刺激的なビジュアルも公開されました。
また『囚われのパルマ』2周年記念のイラストを使用した『額装グラフィックアート 』やアネモネでハルトを、ひまわりでアオイをイメージした落ち着いたデザインの日傘、ブランケットや缶バッジなどを発売。さらに『囚われのパルマ Refrain』のグッズも登場し、シリーズ初のアクリルキーホルダーも販売していくそうです。
最後に、原氏は「前作を作っている時は、新たな続編を作れるとは夢にも思っていませんでした。『囚われのパルマ Refrain』をお披露目できたのも、ひとえに皆さんの応援のおかげだと思っています。コンテンツに対する大きな信頼をいただいていて、プレッシャーを感じつつも期待を超えていくものを作っているつもりです。配信された際にはぜひプレイして、チアキとの恋愛を体感してください」とコメントします。
平林氏は「2周年を迎えさせていただき、ありがとうございます。シリーズとしても『囚われのパルマ Refrain』としても盛り上げていきたいと思います。開発一同、新たな彼との出会いを準備していますので、楽しみに待っていてください」と話し、イベントを締めくくりました。
次のページでは、TGS2018カプコン『囚われのパルマ リフレイン』のブース紹介とゲーム試遊レポをお届けします。