No More RobotsとイギリスのゲームデベロッパーBroken Bear Gamesは、一人称視点RPG『Family Man』を2019年初頭に発売すると発表し、新たなトレイラーを公開した。対応プラットフォームはPCとコンソール。価格は現時点では発表されていない。発表に合わせてSteamのストアページも公開されている。
なお、公式Discordチャンネルではクローズドベータテストへの参加者を募集している。テストは2018年後半に開始予定だ。
『Family Man』の主人公はどこにでもいる普通の父親だ。家には愛する妻とひとりの子どもがいる。
しかしある日突然、彼は会社をクビになってしまう。プレイヤーは職を失い追い詰められた父親となり、借金返済までの30日間を家族を養いながら生き残ることになる。
『マインクラフト』を彷彿とさせるボクセルグラフィックながらも、ゲームは家族愛を確かめるような生易しい内容ではない。むしろ父親が麻薬ビジネスに手を染める『ブレイキング・バッド』のようなクライム・ストーリーだ。
ゲームの舞台となるのは少し風変わりな海沿いの町で、一見平和に見えるが犯罪組織が裏で暗躍している。プレイヤーはこの町に住む住人と協力したり、あるいは邪魔をすることも可能で、その洗濯と結果によってさまざまな影響がゲーム内に現れる。
生き残るためにどのような仕事に就くのかもプレイヤーの自由だ。アルバイトで真面目に働き、父親としてモラルを保ったまま借金返済を目指すのもいいだろう。
しかし、アルバイトのような合法的な方法だけで、借金を返済し家族を養えるほどのお金を稼ぐことはできるだろうか?
世の中にはもっと薄汚くてたくさんのお金を稼げる職業もある。プレイヤーは家族を守るため、人間のモラルを捨てるような行動を取ることもできる。公開されたトレイラーでは銃を手に人を脅したり、隣人にバットで襲いかかったり、殺し屋として拳銃で誰かを暗殺するシーンを見ることができる。
ただし、どんな選択にも責任が伴う。選択による結果は周囲に住む人々との人間関係も左右するが、もっとも身近な存在である家族にはさらに大きな影響を及ぼす。父親が犯罪に手を染めたことを家族が知れば、一家の心はバラバラになってしまうだろう。あるいは、家族の絆を一層強くする方法も存在している。
借金返済を目指す方法は自由だが、プレイヤーは父親としてモラルと家族を守る現実との間で、難しい決断を迫られることになる。
『Family Man』は2015年にSteam Greenlightに登録され、2016年の発売を目指していた。しかし開発は難航し2017年へ延期。新たなスクリーンショットや動画も散発的に公開される程度で、ひさびさに「大きなニュースがもうすぐ発表される」と2017年末に告知があったものの、以降は音沙汰もなくなっていた。
開発当初デベロッパーはBlue Button Gamesという名前だったが、発売にあたってBroken Bear Gamesと名称が変更されている。紆余曲折あったことが推察されるが、待ちわびたようやくファンも安心できるといったところだろう。
なお2015年にSteam Greenlightのページで発表されたこのゲームの構想には、借金返済を目指さずそのまま死ぬといった結末を含む複数のエンディングや、ライフサイクルを設定された住人、Oculus Riftのサポートなどが挙げられていた。
それから3年、発売される頃にはほぼ4年の月日が流れることになるが、これらの要素がどうなっているのかも気になるところだ。
プレイヤーに父親としてのモラルを問う一人称視点RPG『Family Man』は、2019年初頭にPCとコンソールで発売予定。公式Discordではベータテスターを募集しているので、気になる人はそちらにも応募してみてほしい。
文/古嶋 誉幸