DANGEN Entertainmentは、ホラーアドベンチャーゲーム『The Witch’s House MV』(魔女の家MV)を10月31日にSteamにてリリースした。価格は1520円で、11月7日まで10%オフの1368円で購入できる。日本語のほか英語、中国語、韓国語にも対応している。
『The Witch’s House MV』は、2012年にリリースされた「RPGツクールVX」製フリーゲーム『魔女の家』を「RPGツクールMV」で再開発したゲームだ。開発期間はフリー版の5倍にも及び、キャラクターやマップなど全てのグラフィックは書き直されている。
また、再開発にあたり新たに難易度選択が追加されている。オリジナル難易度のほか、簡単でリトライ可能な低難易度モード、トゥルーエンドでクリアした人向けにさらに難しい高難易度モードが用意されている。高難易度モードには新たなトラップだけでなく、ストーリーも追加されているという。
操作体系も変更されており、マウス移動ができるようになった代わりに斜め移動ができなくなっている。
ゲームの主人公はヴィオラという少女だ。気がつくと森のなかにいた彼女は、巨大な薔薇のつるに阻まれて森を出ることができなくなっていた。そんな森のなかに佇む洋館に、黒猫に促されて足を踏み入れたことでさまざまな恐怖体験に襲われる。
館の中には死の影があらゆる場所に潜んでおり、選択を誤ると主人公は簡単に死んでしまう。可愛らしいグラフィックながら流血などの暴力表現は過激で、苦手な人は注意が必要だ。謎解きの難度も高く、全ての謎はプレイヤーが主体的に解く必要がある。
オリジナル版に引き続きサウンドにも力が入っている。ヘッドフォンでプレイすることを強くおすすめするゲームだ。
人気作である『魔女の家』は、本作を配布するフリーゲーム配信サイト「ふりーむ」にて累計ダウンロード数で現在も1位に輝いている。その人気は日本だけにとどまらず、英語や中国語だけでなくペルシャ語やタイ語など数多くの言語にローカライズされ、世界中のファンを魅了している。
スピンオフとして作者のふみー氏の手で執筆された、ゲームのストーリーと密接に関係した前日譚の小説「魔女の家 エレンの日記」は、コミカライズもされている。
『ゆめにっき』や『青鬼』とともにRPGツクール製ホラーゲーム屈指の名作として挙げられる本作。残酷なだけでなく、語られるストーリーは切なさややるせなさも併せ持っている。『魔女の家MV』は生まれ変わったグラフィックや難易度の追加により、ゲームのファンだけでなく、プレイしたことの無い人にも挑戦してほしい作品となっている。
文/古嶋誉幸