98Demake氏は、ホラーゲーム『December 2000』を正式発表した。これは氏が先日公開した実験的な短編ホラー『September 1999』の続編に当たる。
公開された4秒のティーザー映像からもわかるように、同作の特徴はまるで家庭用ビデオで録画されたような実写的なグラフィックスとなる。前作『September 1999』と同様のコンセプトが引き続き採用される。
https://twitter.com/98DEMAKE/status/1062401960479993856
前作『September 1999』は、アパートの一室で起きた事件を追体験する一人称視点のホラーゲームだ。誰がどのようにプレイしても必ず5分30秒でゲームは終了し、移動以外にできることは無い。ゲーム内では、まるで一本のビデオテープに複数の映像を録画したように、違う日付の出来事が再生されていく。
作者が「ビデオテープを見るスタイルの実験的なゲームプレイ」だと説明しているように、同作はごく短い実験的な内容ではあったが、その特徴的なグラフィックスと不可解なストーリーが一部界隈で話題となった。itch.ioで配信されたのちリリースされたSteam版には現時点で500件以上のレビューが寄せられ、87パーセントが好評を示している。
98Demake氏の新作ホラーゲーム『September 1999』リリース。まるで実写のようなVHS風グラフィックで描かれる5分半の恐怖
続編『December 2000』は前作をさらに拡大し、視野やコントロールの調整で酔いにくくし、より長く、おぞましいストーリーを描く。また、開くことができるドアを増やし、本物のアパートを歩くようなゲームにしたいと、氏はTwitter上で語っている。
『September 1999』がビデオテープ風のグラフィックのゲームの先駆者というわけではなく、これまでも家庭用ビデオテープ風のグラフィックのゲームは出ている。たとえば2015年には『The Tape』、最近ではAIの狂気を描いたSFテーマの『The Enigma Machine』もリリースされた。
しかし、海外メディアbloody-disgusting.comが行ったインタビューで98Demake氏は、これまでにもそういったゲームはリリースされてきたが、それらはあまりにもゲーム的で、家庭用ビデオテープ風のグラフィックはギミックに過ぎないように感じていたという。
よって、『September 1999』ではよりビデオテープの設定を活かす方向で集中するため、プレイヤーができるのは動き回るという最低限のことだけで、それ以外のゲーム的な要素は全て取り除いたそうだ。『September 1999』でビデオテープに録画した映像のように場面が転換したり、必ず5分30秒で終了するといった設定は、ビデオテープそのものを強く意識したゲームデザインだった。プレイヤーがもし、ゲームを初めてから一切動かなければただ壁を写した映像を見るだけだが、動き回ることで全く違う体験をすることになる。
『Dececmber 2000』の公開時期や形態などは全て未定だが、「12月1日にリリースされることはないでしょう。多分。」と98Demake氏はツイートしている。『September 1999』の続編の制作に意欲的だった98Demakeだが、『December 2000』はいったいどれほど恐ろしいゲームになるのだろうか。続報を心待ちにしたい。
文/古嶋誉幸