Valveは自社が販売してきたハードウェア版「Steam Link」の在庫切れをSteamにて予告した。すでに欧州では完売、北米でも売り切れ間近だという。
Valveは今後、既存のハードウェア版のサポートを継続していくとともに、今年配信されたソフトウェア版「Steam Link」の供給を続けていく意向を伝えている。この文面を見る限り、ハードウェア版の再生産は現時点で計画されていないと見てよいだろう。
なお国内では株式会社デジカがハードウェア版の代理販売を続けてきたが、記事執筆時点では公式サイトとAmazonで在庫切れと表記されている。
いわゆる“ゲームの中継機”とでも言うべき「Steam Linke」は、世界では2015年11月に発売され、日本国内では2017年2月より正式リリースされた。Steamを起動したコンピュータ上で動作しているゲームを、別の場所にあるテレビやディスプレイでプレイするための小型ストリーミングデバイスだ。
7344円(49.99ドル)という低価格でメインマシンから離れた部屋や空間でもゲームを遊べるようになる同機は、Valveの「ソファやテレビがあるリビングでもPCゲームを楽しむ」というコンセプトのもと、PCゲームプラットフォーム「Steam Machine」やコントローラーの「Steam Controller」とともに展開されてきた。
しかし今年5月には、同じ機能を持つ同名のアプリ「Steam Link」のベータ版がAndroid向けに配信。こちらは無料で入手可能な上、Googleストア経由でアプリをインストールした身近なスマホやタブレットさらにはAndroid TV上で動作可能で、720pや1080pでの動作にも標準対応している。難航はしているものの同アプリはiOS向けにもリリース予定だ。
今回発表されたソフトウェア版の供給を継続していくという方針から見るに、今後はデバイスを問わずに「Steam Link」を使ってほしいというのがValveの現在の方針なのだろう。
なお今年4月には、「Steam Machine」製品ページへのリンクがSteamのTOPから消滅し、同ハードが終息へ向かうという見方が強まっていた。一方でトラックパッドを搭載した独自のコントローラー「Steam Controller」に関しては、現在同様の発表や動きは見られておらず、またソフトウェア版「Steam Link」との併用も推奨されていることから、今後も展開されていくのではないかと考えられる。
文/ishigenn