個人のゲーム開発者David Wehle氏が開発した『The First Tree』のコンソール版が国内でもリリースされた。プラットフォームはPlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch。価格は各1000円、Xbox One版のみ1150円。
🦊Find the first tree on Earth as a fox in this beautiful exploration game. THE FIRST TREE, now available on consoles! Please share, and thank you for all the support!🦊
— David Wehle (@DavidWehle) November 30, 2018
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『The First Tree』では、行方がわからなくなった子どもを探すため「はじまりの樹」を目指して旅する母ギツネと、その姿を夢で見つめる男性ジョセフのふたつの物語が同時に進行していく。光に導かれながら旅を続ける母ギツネの道中には、遠くアラスカに住む父親とジョセフとの思い出の品が現れる。
キツネの家族を探しジョセフの思い出を巡る旅路は、いつしか生命の起源へと伸びていく。
『The First Tree』は『風ノ旅ビト』や『Firewatch』、『Shelter』といったゲームから影響を受けており、難しい戦闘やパズルに物語の進行を阻害されるような作品ではない。ストーリーに重点を置いたおよそ2時間程度のゲームだ。個人で作るゲームらしく、製作者のWehle氏の個人の経験や人生観が色濃く反映されている。
また、本作はCormac McCarthy氏の小説「The Road」からも強く影響を受けている。The Roadは終りを迎えつつある世界を旅する父子の話を描いているが、本作は特に父子の話に焦点を当てている。影響は制作姿勢にも及んでおり、小説がMcCarthy氏が息子のために書いたもので、Wehle氏も本作を2016年生まれた子供と家族のために作ったという。
子どもを授かり父親となり、心臓発作で自身の父親を失ったWehle氏の経験がゲームに込められている。
コンソール版リリースにあたり、2017年に発売されたSteam版もコンソール版相当へとアップデートされた。
コントローラーへの最適化やグラフィックスの改善などのマイナーチェンジだけでなく、Wehle氏のデベロッパーコメンタリーや新たな謎とアイテム、実績の追加といった大きな変更も加えられる。
David Wehle氏は以前『Home is Where One Starts…』を開発した個人で活動するゲーム開発者だ。VRを用いたデジタルエンターテイメント企業The Voidのテクニカルアーティストとして働く傍ら、自身のゲームを制作している。
『Home is Where One Starts…』が約30分のゲームながら、制作はツールを学びながら2年掛かっており、『The First Tree』はその経験を元に制作されている。開発経験はUnity Connectにて「ゲームを開発する手助けとなった3つのポイント」として公開されている。
文/古嶋誉幸