今年5月25日に発売された『Detroit: Become Human』が、世界累計での売上本数200万本を突破した。最初の2週間で100万台以上の販売し、約5ヶ月かけてさらに倍の売上を達成したことになる。この数字はクアンティック・ドリームでは最速の売上記録だという。
.@Detroit_PS4 is our fastest selling game to date! We would like to thank our incredibly vibrant community, @playstation, our highly talented team and of course #ConnorArmy for allowing us to reach this milestone of 2 million units sold on Playstation 4 in just 5 months. #hurray! https://t.co/Od7uON9qMp
— Quantic Dream (@Quantic_Dream) December 12, 2018
クアンティック・ドリームは設立以来、商業的な成功を収め続けている。デビュー作『Ommikron : The Nomad Soul』が60万本と報じられ、続く『ファーレンハイト』では100万本以上、『HEAVY RAIN 心の軋むとき』は450万本を突破したという。『BEYOND: Two Souls』は280万本を売り上げている。
とはいえ、クアンティック・ドリームがゲーム開発で重視しているパフォーマンス・キャプチャーは非常にコストがかかる。俳優に専用のスーツを着せて様々な角度からカメラで撮影し、身体の動きをコンピューターにデータとして取り込んでいく。それに加えて、顔に小型カメラを設置し、表情の動きも記録、同時に声の演技も収録してしまう。モーション・キャプチャーとフェイシャル・キャプチャーとボイス・アクティングを同時にやってしまうのがパフォーマンス・キャプチャーだ。
この技術には大きなスタジオと、専用のソフトウェア、多くの機材が必要になってくる。2014年、クアンティック・ドリームはパフォーマンス・キャプチャー技術「Vicon」への投資を倍増した。この時点でスタジオのカメラは76台に及んだという。『Detroit: Become Human』のリアリティのある演技や動作、表情の動きは、こういった莫大な投資によっても支えられたのだろう。
また『Detroit: Become Human』の開発期間は約4年にも及ぶが、脚本は2年間かけて書かれている。同作では大きく物語が分岐し、枝葉は膨大な数と及ぶ。プレイヤーによってまったく違う物語体験ができてるのがゲームの特徴だ。
テーマにおいては政治・社会的なメッセージを果敢にゲームに取り込んだ挑戦的で刺激的な内容になっている。200万本突破というユーザーからの支持は、こういった最新の技術に対する取り組みと、創作面でのクアンティック・ドリームの熱意と挑戦の賜物だろう。
クアンティック・ドリームの代表であり、『Detroit: Become Human』の生みの親であるデヴィッド・ケイジ氏は200万本突破に対し、ゲームを支えてくれているコミュニティの情熱に感謝し、「私たちがゲームを開発する理由はあなたです」とコメントしている。
文/福山幸司