『Detroit: Become Human』が世界累計200万本を突破。最新技術の導入と創作面での挑戦がユーザーの支持へと実を結ぶ

 今年5月25日に発売された『Detroit: Become Human』が、世界累計での売上本数200万本を突破した。最初の2週間で100万台以上の販売し、約5ヶ月かけてさらに倍の売上を達成したことになる。この数字はクアンティック・ドリームでは最速の売上記録だという。

 クアンティック・ドリームは設立以来、商業的な成功を収め続けている。デビュー作『Ommikron : The Nomad Soul』が60万本と報じられ、続く『ファーレンハイト』では100万本以上、『HEAVY RAIN 心の軋むとき』は450万本を突破したという。『BEYOND: Two Souls』は280万本を売り上げている。

 とはいえ、クアンティック・ドリームがゲーム開発で重視しているパフォーマンス・キャプチャーは非常にコストがかかる。俳優に専用のスーツを着せて様々な角度からカメラで撮影し、身体の動きをコンピューターにデータとして取り込んでいく。それに加えて、顔に小型カメラを設置し、表情の動きも記録、同時に声の演技も収録してしまう。モーション・キャプチャーとフェイシャル・キャプチャーとボイス・アクティングを同時にやってしまうのがパフォーマンス・キャプチャーだ。

 この技術には大きなスタジオと、専用のソフトウェア、多くの機材が必要になってくる。2014年、クアンティック・ドリームはパフォーマンス・キャプチャー技術「Vicon」への投資を倍増した。この時点でスタジオのカメラは76台に及んだという。『Detroit: Become Human』のリアリティのある演技や動作、表情の動きは、こういった莫大な投資によっても支えられたのだろう。

(画像はTwitter | PlayStationより)

 また『Detroit: Become Human』の開発期間は約4年にも及ぶが、脚本は2年間かけて書かれている。同作では大きく物語が分岐し、枝葉は膨大な数と及ぶ。プレイヤーによってまったく違う物語体験ができてるのがゲームの特徴だ。
 テーマにおいては政治・社会的なメッセージを果敢にゲームに取り込んだ挑戦的で刺激的な内容になっている。200万本突破というユーザーからの支持は、こういった最新の技術に対する取り組みと、創作面でのクアンティック・ドリームの熱意と挑戦の賜物だろう。

 クアンティック・ドリームの代表であり、『Detroit: Become Human』の生みの親であるデヴィッド・ケイジ氏は200万本突破に対し、ゲームを支えてくれているコミュニティの情熱に感謝し、「私たちがゲームを開発する理由はあなたです」コメントしている。

文/福山幸司

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著者
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman
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