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「もうピザ送ってこないで…」。PC版『Halo』や『Halo: Reach』復刻に興奮したファンがピザ贈呈、開発元オフィスにあふれかえり異例の“禁止願い”

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 Microsoftは3月13日に行われた「Inside Xbox」にて、Xbox One向けに発売されていた『Halo: The Master Chief Collection』(以下、Halo TMCC)のPC版を正式発表した。加えて、シリーズ最高傑作とも名高い『Halo: Reach』を、『Halo TMCC』にアップデートとプレミアムコンテンツとして追加すると発表。さらに、PC版はMicrosoft StoreだけでなくSteamでもリリースすることも、ファンを大いに喜ばせることになった。

 この喜ばしい発表にとあるファンは、『Halo 4』から本格的にシリーズの開発に携わり、『Halo TMCC』の開発も担当した343 Industriesに、感謝のピザを送った。

 同社のコミュニティディレクターのBrian Jarrard氏は、このファンの粋な計らいをTwitter上で報告。ゲーミングPCとデスクトップに『Halo』が表示されたモニタの前でピザを持ったスタッフの写真を投稿した。

 しかし、ファンの感謝はこれだけにとどまらなかった。実は「Inside Xbox」の開催とともにネット上にPC版『Halo TMCC』リリースの噂が流れていたころ、ある海外フォーラムRedditのユーザーが「もし今度のイベントでPC版『Halo TMCC』が発表されたら343 Industriesにピザを買う」というスレッドを立てていた。「きっと自分で大量のピザを食べることになる」とPC版発表を疑問視する人も少なくなかったが、結果は発表のとおりだった。

 そしてこのスレッドを見た賛同者によるものか、あるいはJarrard氏のツイートを見てなのかは不明だが、その後も343 Industriesに感謝のピザが届き続けることになる。

 具体的な数はわからないが、343 Industriesの他スタッフも「ピザが止まらない」、「ピザがデスクに山と積まれている」と報告。かなりの数のピザが届いたようだ。しかしピザがひっきりなしに届き続ければ、食べきれず捨てることになったり、業務に支障が出る可能性がある。

 そこでBrian Jarrard氏はコミュニティの温かい贈り物に感謝しながらも、異例の「ピザ禁止願い」のツイートをTwitterに投稿することになった。彼女は「『Halo』のコミュニティは最高です!しかし、これ以上ピザを届けるのはやめてください。このビルには受付がいないので配達が困難な状態です。私達は食べ物を廃棄したくありません。」と伝えている。

 ちなみに、「Inside Xbox」の前日にBrian Jarrard氏はピザの絵文字をTwitterに投稿している。この絵文字はカットされたピザだったが、まさか次の日にはこの絵文字の数十、数百枚分のピザが届くとは夢にも思っていなかっただろう。

 象徴的なマスターチーフのキャラクターとともに、特に海外で愛されている『Halo』シリーズ。そのPC版の移植発表は長年ファンに待ち望まれていた。1作目の『Halo: Combat Evolved』はPCでもリリースされ、『Halo 2』もオリジナル版が発売された3年後の2007年にはPCへと移植された。しかし当時、MicrosoftはPC版『Halo 2』を圧倒的シェアを占めていたWindows XPではなく、2006年11月に発売されたWindows Vistaの普及のため同OS専用として売り出した。

 しかし大きな変革を目指したWindows Vistaは、従来のXPで十分だった多くのユーザーにとって、受け入れられたとは言い難いOSだった。Xboxではベストセラーゲームとなった『Halo 2』、その具体的なセールスデータは明かされていないが、Microsoftが期待するほどPC版が売れなかったことは想像に難くない。『Halo 3』から10年以上、どんなにファンが望んでもFPSの『Halo』シリーズ最新作がPCでリリースされることはなかった。

「もうピザ送ってこないで…」。PC版『Halo』や『Halo: Reach』復刻に興奮したファンがピザ贈呈、開発元オフィスにあふれかえり異例の“禁止願い”_001
(画像は『Halo TMCC』公式サイトより)
「もうピザ送ってこないで…」。PC版『Halo』や『Halo: Reach』復刻に興奮したファンがピザ贈呈、開発元オフィスにあふれかえり異例の“禁止願い”_002
(画像は『HALO: REACH』公式サイトより)

 一方、Xboxユーザーも2014年に発売された『Halo TMCC』に、完全には満足していなかった。マスターチーフの全物語が楽しめるというテーマだったため、マスターチーフが主役でない外伝扱いの『Halo 3: ODST』と『Halo: Reach』が含まれていなかったからだ。その後、『Halo 3: ODST』は追加コンテンツとしてリリースされたが、『Halo: Reach』は今回の発表まで待つことになった。オリジナルの『Halo』を開発したBungieの最後のシリーズ作品となったためにファンの思い入れも強く、ビデオゲーム最高のエンディングとも称される『Halo: Reach』追加のニュースは喜びを持って迎えられた。

 多くのファンが待ちに待った『Halo TMCC』のニュースは、ピザとともに暖かく迎えられたようだ。もしあなたが343 Industriesに感謝のピザを買おうと思ったなら、そのお金はゲームの発売まで大事に取っておいてほしい。

ライター/古嶋誉幸

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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros

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