1994年から始まった『The Elder Scrolls』シリーズが25周年を迎え、記念映像が公開された。その中にはE3 2016にて発表され現在開発が進められている最新作『The Elder Scrolls VI』の開発風景も含まれている。
同作の制作には「フォトグラメトリ」と呼ばれる、さまざまな角度から撮影した写真を解析し、3Dモデルを制作する技術が使用されている。フィギュアのような小さなものから、遺跡や山といった巨大なものの3Dモデル化にまで利用される技術だが、その一環として“スカイリムおばあちゃん”の3Dモデルの製作風景が紹介された。
※8分30秒頃からフォトグラメトリの紹介、8分40秒頃からSkyrimおばあちゃん登場。
スカイリムおばあちゃんことシャーリー・カリー氏は、『The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下、スカイリム)が大好きなゲーマーおばあちゃんだ。2015年にYouTubeへと実況動画「SKYRIM eps 1」をアップロード。80歳近いおばあちゃんが優しそうな声で「簡単ね!」と笑いながら盗賊を成敗して死体から服を剥ぎ取り、「薄汚い獣ね!」と言いながらスキーヴァーを切り伏せる姿が話題を呼び、とあるRedditユーザーが紹介して一気に有名となった。
カリー氏は『Fallout 4』や『The Elder Scrolls Online』といったBethesda Softwareのタイトルだけでなく、『Ark: Survival Evolved』や『No Man’s Sky』の動画も上げているが、『スカイリム』は『Skyrim Special Edition』も含めて数百もの動画をアップロードしている。ちなみに、最新の『Skyrim』動画は、記事執筆時点で3月30日にアップロードされている。
彼女のYouTubeチャンネルは今では49万人が登録するほどの人気で、視聴者たちはカリー氏のことを「スカイリムおばあちゃん」と呼ぶ。
そんなカリー氏だが、『The Elder Scrolls VI』の開発が発表されたことについては愚痴をこぼしている。開発のBethesda Game Studiosは新規IPタイトル『Starfiled』も開発しており、新作『The Elder Scrolls VI』のリリースはどう見積もっても数年後になるからだ。彼女はファンとの談話の中で、「スカイリム6(TES6)が出る時には私はもう88歳ね!たぶんプレイできないでしょうから、夢見るのは辞めとくわ」と書き込んだ。
その発言が反響を呼び、「シャーリーさんを『TES VI』にNPCや固有の武器、あるいは地名として永遠に残したい!」という署名活動がChange.orgで開始された。記事執筆時点で4万9000人以上が署名したその願いはBethesda Softwareに届き、おそらく署名を初めた人も考えていなかっただろうが、フォトグラメトリ技術でまさに本人そのままの姿でNPCとして登場することになった。
https://twitter.com/ShirleyScurry/status/1111738133861797891
25周年記念動画に出演したカリー氏は、未来の『TES』の中で自分がほかの誰かのキャラクターと共にプレイできることが本当に嬉しく、自分にとってとても意味のあることだと語っている。動画が公開された日には、カリー氏もTwitter上でその時の様子を紹介している。素敵な『スカイリム』Tシャツを着た気合の入った装いで、ベセスダのトッド・ハワード氏と談笑している。
はたして彼女がゲーム中でどんな役割を持つのか、今から楽しみだ。
ライター/古嶋誉幸