Googleの社内インキュベータ部門であるArea 120は、2018年に公開されたゲーム制作ソフト『Game Builder』の大型アップデートを公開した。
Area 120とは、就業時間の20%を自分の好きなプロジェクトに費やしていいというGoogleの伝統から来ている部門で、社員はビジネスプランを会社に提示し、認められればArea 120に参加できる。
『Game Builder』はプログラミング知識不要でゲームを作るためのツール。もともと『マインクラフト』風のボクセルグラフィックだったが、今回のアップデートで全世界がボクセル化した。
自由にブロックを組み合わせ、山や地底などさまざまな世界を制作できるようになった。また、マルチプレイにも対応しているため仲間とともにゲームをつくったり、実際に制作中のゲームのテストプレイも行うことができる。
マップ制作と同様に、コーディングも命令カードを組み合わせるグラフィカルなインターフェースが用意されている。「もし〇〇なら〇〇する」という命令文の〇〇にカードを挿入して命令を作り出す。「ぶつかる」と「爆発する」というカードを使えば、「もしぶつかれば爆発する」という命令となる。
また、プログラミングの知識を持っている方はJavaScriptを利用して命令を微調整したり、複雑な命令を制作することも出来る。
今回のアップデートで命令カードが多数追加され、このカードベースの命令制作を学ぶテンプレートとFPS用のテンプレートが追加された。
この他、新しいキツネと宇宙人のモデルが追加され、ライブラリから直接ライト、サウンド、パーティクルエフェクトの制作が可能になった。
3Dモデルの制作知識が無いプレイヤーであっても「Google Poly」からさまざまなモデルをインポートできる。これらはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されており、モデルごとに個別のライセンス範囲が設定されている。自分の使いたいモデルのライセンスをよく確認して利用してほしい。
特に個人のゲーム制作はときに孤独な作業が続く。友人を招いて制作途中のゲームを遊んでもらったり、制作を手伝ってもらう事もできる『Game Builder』はクリエイターの孤独を癒やすものになるかもしれない。
ゲームを作りたいけれど何をしていいかわからないという方も、このソフトを使えば楽しくゲーム開発が出来るだろう。
『Game Builder』は現在無料でPCとMac向けにSteamで公開されている。ゲームを作ってみたいという方は一度トライしてみてほしい。
【更新 2019/6/14 18:57】 記事本文中の誤った表記を修正いたしました。お詫び申し上げます。
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ライター/古嶋誉幸