ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、PlayStation 4から全てのFacebook連携機能のサポートを終了することを発表した。
これによりスクリーンショットやビデオクリップ、ミュージック、トロフィー詳細、ゲーム中継の共有先としてFacebookを選ぶことができなくなる。また、Facebookのフレンドリストからフレンドの追加もできなくなる。Facebookからのプロフィール画像も使えなくなるため、当該機能を使っている方は変更が必要だ。
【お知らせ】
— Ask PlayStation JP (@AskPS_JP) October 8, 2019
2019年10月8日(火)をもちまして、PS4上の全てのFacebook連携機能のサポートを終了させていただきます。
お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。詳細はこちらご覧ください。 https://t.co/OVoyZyqTJ4 #PlayStation pic.twitter.com/60tzJn4Zkw
記事執筆時点で、SIEはなぜFacebookの機能を削除したのかについては説明していない。
一方で海外メディアVGA247は、イギリスのコンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカによるFacebookデータの不正収集疑惑を挙げ、これが機能の削除に関連したのではないかと推測している。この事件では、ケンブリッジ・アナリティカがパズルアプリを通じてFacebookから8700万人もの個人情報を収集し、2016年の米大統領選やブレグジットにおける政治活動に利用した可能性が告発された。同社は報道で大々的に批判を受け、2018年5月には破産を申請する事態へと至った。
そしてデータを管理するFacebookも、同事件で激しい批判にあっている。同社は2012年、ユーザーの明確な同意なしに個人情報を他社に提供しないことを米連邦取引委員会に約束していたが、この事件で管理側の甘さが追求され、最終的に約5400億円の制裁金により米連邦取引委員会と和解することになった。
その中で、「ユーザープライバシーの保護のための措置を同社が講じていることを証明する」という和解の条件がFacebookには課せられている。そのプライバシー保護の一環としてAPIなどが変更されており、それが今回のSIEの決定につながったのではないかということだ。
Facebookはプライバシー保護の一環としてパートナー企業へのデータアクセスのクリーンアップを発表。この中で、ソニーは古いコードを使ってPlayStationからフレンド情報にアクセスしていたが、クリーンアップによってアクセスを制限したと説明されている。ただし、この制限は7月24日の更新時点で即座に実施されたと書かれているが、今回の機能停止までPlayStation 4からFacebookへの連携が可能だったことについての理由は不明だ。
海外メディアKotakuはソニーとFacebookにコメントを求め、Facebookからは返答がなされている。広報担当によれば、Playstationとの連携についてソニーと協議を続けており、合意に達し次第すぐに機能を元に戻すとしている。
ライター/古嶋誉幸