Riot Gamesは、同社の『League of Legends』10周年記念ライブストリーミングにて新作FPS『Project A』を発表した。対応プラットフォームはPC。2020年内にさらなる詳細を発表するとしている。
※日本語字幕あり
本作はさまざまな能力を持ったヒーローが登場するキャラクターベースのタクティカルシューターだ。簡潔に表現するならば、スキルや性能が異なるキャラクターを操作する『League of Legends』と、タクティカルシューターである『Counter Strike: Global Offensive』を組み合わせたようなFPSといえるだろう。
近未来の世界が舞台だが、登場する武器はアサルトライフルやショットガンといった見慣れたものだ。そこに氷の壁や浮遊するクナイのような飛び道具のような、キャラクターに由来するスキルが組み合わさっている。公開された動画では、いち早くヘッドショットを狙う一瞬で勝負がつくハイペースな戦闘と、スキルを使った協力プレイを確認することができる。
Riot Gamesによれば、『Project A』は標準的なタクティカルシューターのゲームプレイに沿う一方で、それ以外の部分も進化させようと試みたという。それは固有のスキルだけでなく、創造性や表現力、ゲームプレイの多様性といったものが含まれている。
Announcing "Project A", our character-based tactical shooter set in a near-future Earth. pic.twitter.com/wqEXl0Hxbn
— Riot Games (@riotgames) October 16, 2019
※ツイッターで公開された動画では、スナイパーライフル射撃後のレバー操作をナイフでキャンセルしているように見える。こういった小さな技術もタクティカルシューターの文脈に沿っているようだ。
ゲームの開発は、さまざまな経験を持つRiot Gameのベテラン開発者が集まりスタートした。しかし、ただ有能なスタッフを集めるだけに留まらず、明確な目標を持って開発に臨んでいる。特に意識しているのはゲームプレイの根幹をなすインフラ部分だ。
まずチックレートに関して。これはサーバーの処理能力を指す言葉で、60Hzなら1秒間に60回、30Hzなら30回の処理を行うことができる。処理回数が多いほどサーバーとクライアントでのずれが是正され、より高品質な対戦が楽しめる。
マルチプレイゲームにおいては、「デディケーテッドサーバー」という言葉が一人歩きしているが、実はサーバー方式よりもそれを実際に担うインフラの方が重要だ。本作でRiot Gamesは、低Pingや飛び出し有利【※】といったネットコードに起因する問題にも対処していくという。
※クライアントとサーバーの通信とチックレートなどの関係で、立ち止まっているより動いている方がモデルの表示が速く行われる。そのため最低でもサーバーチックレート分だけ動いている方が有利になる現象。
インフラと平行してチート対策にも力を入れる予定で、これが最優先事項であることを公約している。ほとんどのマルチプレイゲームでも当然やっていることではあるが、開発資金が潤沢なAAAタイトルであったとしても完璧なチート対策を施すことは難しい。公平性を保つため、長年のマルチプレイゲーム開発で培った技術を存分に発揮することになるだろう。
まだまだ開発が始まったばかりだという『Project A』だが、現時点で公開された情報を見ると、現在人気のある対戦シューターの良いところを取り入れたゲームを目指しているようにも見える。詳細は2020年に発表されるが、それまでにもRiot Gamesの公式Twitterアカウントなどで少しずつ情報が開示されることもあるという。ゲームに興味がある方はそちらをフォローして続報を待って欲しい。
ライター/古嶋誉幸