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小島秀夫監督がホラーゲーム開発に意欲を見せる。かつて「ゾンビのゲーム創りたい」とツイートしたことや、幽霊映画が苦手な一面も

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 小島秀夫監督が「最恐ホラー・ゲームでも創ろうかと思い、ホラー魂を呼び覚ますべく、怖い映画を少しずつ観ようかと。」とホラーゲーム制作に意欲を見せるツイートをした。

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(画像は「P.T. Game | PS4 – PlayStation」より)

 最新作『DEATH STRANDING』が、The Game Awards 2019で「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を含め、計8部門で最多ノミネートされているなど、好調の小島秀夫監督。もちろん次なる動向が世界的に注目の的だが、意外なことにホラーゲーム開発に意欲を見せたツイートをした。

 小島監督といえば、かつてKONAMI時代に開発に携わった『P.T.』は、今なおホラーゲームの中でも金字塔的な高い評価を受けている。今でこそ小島監督が関わった作品だと知れ渡っているが、もともとは7780s Studioという謎の開発会社の体裁で発表され、詳しい内容など情報を伏せられたまま、突如、発表と共に配信がはじまった覆面ゲームだった。

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(画像は「DEATH STRANDING | 公式PlayStation Store 日本」より)

 『P.T.』は、同じ廊下をループし続けるだけのミニマルな設計と、謎解きの高い難易度はゲーム実況配信などを想定したゲームデザインになっている。エンディングでは小島監督と、映画監督のギレルモ・デル・トロ、そして俳優のノーマン・リーダスが関わっている『SILENT HILLS』の「プレイアブル・ティザー」であることが種明かしされると、すぐにこの情報は拡散され、世界中の大評判となった。

 しかし組織再編など詳しい経緯は不明だが、『SILENT HILLS』は開発中止に。紆余曲折あり、小島監督もKONAMIを退社して独立を果たした。その独立後の第一作『DEATH STRANDING』では、『SILENT HILLS』で組むはずだったギレルモ・デル・トロとノーマン・リーダスとコラボレーションを果たしている。

 『DEATH STRANDING』も、タイトルが示している通り「死」がテーマであり、ホラー的な要素はなくはないが、全面的に恐怖感を押し出しているわけではない。実は2013年には「本格的なゾンビのゲーム創りたいな」とツイートして、たびたびホラーゲームの制作に意欲を燃やしている。

 今回、ツイートで言及したタイのホラー映画『THE EYE』は、『P.T.』を開発しているときに参考として観賞するも、怖すぎて最後まで観れなかった作品だという。角膜の移植手術を受けた女性が、自分だけ死者の姿を視認できるようになってしまうストーリーだが、怖いだけではなく、切ないストーリーも高い評価を受けている。

 実は小島監督、スプラッターやサイコスリラーは平気なのだが、心霊もの、幽霊もののホラー映画が苦手という一面を持つという。『P.T.』があれだけ怖いゲームに仕上がっていたのも、そういった怖がりの気持ちがわかったからこそ作れたといえるかもしれない。実際にホラーゲーム開発に着手するかは不透明だが、実現するとなると、また世界をアッと驚かしてくれるに違いないだろう。

ライター/福山幸司

ライター
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福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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