『The Witcher』シリーズや2020年リリース予定の『Cyberpunk 2077』を開発するCD Projekt。同社の株価が2009年から210倍に跳ね上がったことを、ブルームバーグが「中世ファンタジーの戦士が10年で2万1000%の株価上昇を成し遂げた鍵」と題した記事で報じている。
これは株価指数の算出・管理や、ポートフォリオ分析を行うStoxxの「ストックス欧州600指数」に登録された企業の中でも最大の成長だという。ブルームバーグが製作した以下の時価総額のグラフによれば、Ubisoftと肩を並べる巨大企業へと成長していることが分かる。
グラフでは、Electronic ArtsやActivision Blizzardも含めて2018年後半に大手ゲーム企業の時価総額が大きく減じており、CD Projektの時価総額もそれと同様の変化を辿っている。しかし、2019年末にはもっとも高額だった2018年中盤ごろと同水準まで回復している。額が異なるとはいえ、2018年の同水準まで回復した企業はCD Projektだけだ。
2019年に絞ってみても、CD Projektの時価総額は86%増の68億ドル。アナリストによれば、2019年の同社の収益は『The Witcher 3: Wild Hunt』がリリースされた2015年の4倍にあたる8億4500万ドルにもなるという。
『The Witcher』シリーズを販売してきたCD Projektは多数のタイトルを扱ってはおらず、他に開発・販売してきたのはデジタルカードゲーム『Gwent: The Witcher Card Game』とそのシングルプレイスピンオフとなる『Thronebreaker: The Witcher Tales』だけだ。
一方で、同社が株主であるPCゲームのダウンロード販売サービス「GOG.com」の成長や、2013年にティーザートレイラーが公開され2020年にリリース予定の『Cyberpunk 2077』の存在もあり、これらが株価に大きな影響を与えていると思われる。
ワルシャワ証券取引所のWIG 20(20社による時価総額加重平均型株価指数)が過去10年で11%下落しているなか、成長を続けるCD Projektはまさにポーランドを代表する大企業のひとつだと言えるだろう。
ライター/古嶋誉幸