『Senua’s Saga: Hellblade II』をThe Game Awards 2019で発表したNinja Theoryは、さらなる新作『Project: Mara』を正式発表した。ほかの作品とともにゲームの内容を説明するデベロッパーダイアリーと、『Project: Mara』の予告映像も公開している。
『Project: Mara』はNinja Theoryの『Hellblade: Senua’s Sacrifice』やその続編と同様に、精神的な恐怖を描くゲームになる。『Hellblade』シリーズとは異なり、舞台となるのは現代。研究やインタビューから精神的な恐怖をできる限り正確に描写することが目標だ。
ゲームはひとりのキャラクターとひとつのロケーションのみが用意され、「新たな没入型ストーリーテリングのショーケース」となる可能性がある実験的なプロジェクトになるという。
Ninja Theoryは2017年に精神病を抱える患者、科学者、医師と協力し、『Hellblade: Senua’s Sacrifice』をリリースした。そこで得られた関係性は今なお続いており、『Insight Project』という形へと続いている。
この『Insight Project』はアーティスト、科学者、メンタルヘルスの専門家が協力し、現代の最も差し迫った問題である「心理的ストレス」に取り組むというプロジェクだ。最高のゲームデザインとテクノロジー、そして最先端の臨床神経学の融合し、精神的な苦痛を和らげ精神的な健康の増進を目指す。
このプロジェクトで得た知見は、『Project: Mara』や『Senua’s Saga: Hellblade II』にも適用され、今後研究結果としても発表する予定となっている。
『Hellblade: Senua’s Sacrifice』に同梱された開発日誌動画では、医師や精神病を抱える患者と協力して開発する風景を撮影し、今後はこのような取り組みが重要になるだろうと語っていたNinja Theory。その言葉通り業界でも先進的な事業に取り組んでいるようだ。
神話の世界を舞台にした『Senua’s Saga: Hellblade II』と現実的な世界を舞台にした実験作『Project: MARA』。異なる舞台で同じテーマを描くふたつの作品は、どのようなものになるだろうか。
ライター/古嶋誉幸