MASK APP LLCは「マーダーミステリーゲーム」をスマートフォンで楽しむことができるアプリ『ミステリープレイ – みんなで遊べる パーティーゲーム』を配信したことを発表した。プラットフォームはiPhoneで、Android版は近日公開予定だという。価格は無料となっている。
マーダーミステリーをアプリで楽しめる「ミステリープレイ」をリリースいたしました!
— マーダーミステリーアプリ【ミステリープレイ】公式 (@murder_apps) February 7, 2020
iPhone版:https://t.co/GY3NEyU8Q8
シナリオは全て無料です。
マーダーミステリー普及のお役に立てれば!
マーダーミステリーゲームとは推理ドラマやミステリ小説の登場人物に成りきって、犯人を探すアナログゲーム。逆に犯人役の人間は他のプレイヤーに特定されないようにする。プレイ人数はゲームごとに違うが、6人~9人ほどが想定されており、プレイヤー数が固定のゲームもある。日本ではマーダーミステリーの専門店が相次いでオープンするなど、新作シナリオが続々と作られるなど、俄かに流行しつつある分野だ。
もともとは20世紀初頭からあるパーティーにおける余興だったが、近年、中国に渡って「クローズ型」と「オープン型」と呼ばれるスタイルに枝分かれしていったと見られている。中国、日本におけるマーダーミステリーの主流は「オープン型」だが、本アプリは欧米の「クローズ型」としている。
クローズ型は、シナリオに固定的なプロセスがあり、自由度は少ないが破綻がないというメリットがある。たとえばある殺人事件に大して、時系列ごとに犯行現場や死体の状況などの状況が開示されるシナリオ展開がある。本アプリではそれを各チャプターが切り替わるごとにプレイヤー全員に共有される形で表現されるようだ。
一方で、現在、日本のアナログの分野で盛んなオープン型のルールとは、事前にキャラクターシートと呼ばれる舞台設定や自分に割り振られたキャラクター設定を読み込むのはクローズ型と共通しているが、その後の展開はプレイヤーの自由な裁量に任されている。クローズ型と比べて、プレイヤー自身が自分で推理したという醍醐味が味わえる。
マーダーミステリーゲームを複雑かつ豊かにしているのが、「犯人を特定する」というミッション以外に個別のミッションが用意されていることだ。
その個別ミッションとは、例えば「犯人が使った凶器は自分が盗んだもので、それを隠し通す」というのが用意されているとする。その場合、犯人を特定する段階で凶器の出所が議論される恐れがあるが、そのプレイヤーは自分が犯人でもないのに関わらず、凶器についての議論を逸らしたり、撹乱する必要が出てくる。こういった個別ミッションがキャラクターごとに用意されているので、犯人を特定するだけのゲームを一筋縄ではいかないものにしている。
【更新 2020/02/07 16:50】 クローズド型の文章において誤った解説の箇所を修正いたしました。訂正しお詫び申し上げます。
[告知]マーダーミステリーが遊べるアプリ、ミステリープレイにてうちが二本制作させていただきました!ぜひ、おあそびください◎
— あいざわあつこ (@55akomushi) February 7, 2020
制作者 恩田竜太郎@ro_curry 中村朔@applesniper https://t.co/IHbUHSCz8H pic.twitter.com/PiKciOAM93
今回、リリースされた『ミステリープレイ – みんなで遊べる パーティーゲーム』は、おそらく日本初の本格的なマーダーミステリーのアプリといえるだろう。キャラクターシートはアプリで読み込み、犯人の投票も手元で行う。ゲームマスターは不要としているが、進行役がいれば、よりゲームがスムーズになるとしている。LINEやDiscordなど通話アプリを使えば、オンラインでもプレイが可能だという。9本のシナリオが実装されおり、今後も追加予定。
なお、1対1で秘密の対話する「密談」と呼ばれるマーダーミステリー特有の仕組みなどは実装されておらず、情報はすべて共有されている前提でシナリオが進むようだ。
日本ではマーダーミステリーの専門店が相次いでオープンされ、新作シナリオが続々と作られるなど、ひそかに流行しつつあるジャンルだ。かつて、人狼ゲームが日本で流行しつつあるとき、それを補佐するアプリが登場して、さらに拡散されたことがある。今回のマーダーミステリーのアプリの登場は、本ジャンルの新しいフェイズに移ったといえるかもしれない。
ライター/福山幸司