“一度しかプレイできない推理ゲーム”こと「マーダーミステリー」の無料アプリがリリース。9本のシナリオを実装、別途チャットアプリを使えばオンライン上でも遊べる

 MASK APP LLCは「マーダーミステリーゲーム」をスマートフォンで楽しむことができるアプリ『ミステリープレイ – みんなで遊べる パーティーゲーム』を配信したことを発表した。プラットフォームはiPhoneで、Android版は近日公開予定だという。価格は無料となっている。

 マーダーミステリーゲームとは推理ドラマやミステリ小説の登場人物に成りきって、犯人を探すアナログゲーム。逆に犯人役の人間は他のプレイヤーに特定されないようにする。プレイ人数はゲームごとに違うが、6人~9人ほどが想定されており、プレイヤー数が固定のゲームもある。日本ではマーダーミステリーの専門店が相次いでオープンするなど、新作シナリオが続々と作られるなど、俄かに流行しつつある分野だ。

 もともとは20世紀初頭からあるパーティーにおける余興だったが、近年、中国に渡って「クローズ型」と「オープン型」と呼ばれるスタイルに枝分かれしていったと見られている。中国、日本におけるマーダーミステリーの主流は「オープン型」だが、本アプリは欧米の「クローズ型」としている。

 クローズ型は、シナリオに固定的なプロセスがあり、自由度は少ないが破綻がないというメリットがある。たとえばある殺人事件に大して、時系列ごとに犯行現場や死体の状況などの状況が開示されるシナリオ展開がある。本アプリではそれを各チャプターが切り替わるごとにプレイヤー全員に共有される形で表現されるようだ。

 一方で、現在、日本のアナログの分野で盛んなオープン型のルールとは、事前にキャラクターシートと呼ばれる舞台設定や自分に割り振られたキャラクター設定を読み込むのはクローズ型と共通しているが、その後の展開はプレイヤーの自由な裁量に任されている。クローズ型と比べて、プレイヤー自身が自分で推理したという醍醐味が味わえる。

 マーダーミステリーゲームを複雑かつ豊かにしているのが、「犯人を特定する」というミッション以外に個別のミッションが用意されていることだ。

 その個別ミッションとは、例えば「犯人が使った凶器は自分が盗んだもので、それを隠し通す」というのが用意されているとする。その場合、犯人を特定する段階で凶器の出所が議論される恐れがあるが、そのプレイヤーは自分が犯人でもないのに関わらず、凶器についての議論を逸らしたり、撹乱する必要が出てくる。こういった個別ミッションがキャラクターごとに用意されているので、犯人を特定するだけのゲームを一筋縄ではいかないものにしている。

【更新 2020/02/07 16:50】 クローズド型の文章において誤った解説の箇所を修正いたしました。訂正しお詫び申し上げます。

(画像はApp Store『ミステリープレイ – みんなで遊べる パーティーゲーム』より)
(画像はApp Store『ミステリープレイ – みんなで遊べる パーティーゲーム』より)
(画像はApp Store『ミステリープレイ – みんなで遊べる パーティーゲーム』より)
(画像はApp Store『ミステリープレイ – みんなで遊べる パーティーゲーム』より)

 今回、リリースされた『ミステリープレイ – みんなで遊べる パーティーゲーム』は、おそらく日本初の本格的なマーダーミステリーのアプリといえるだろう。キャラクターシートはアプリで読み込み、犯人の投票も手元で行う。ゲームマスターは不要としているが、進行役がいれば、よりゲームがスムーズになるとしている。LINEやDiscordなど通話アプリを使えば、オンラインでもプレイが可能だという。9本のシナリオが実装されおり、今後も追加予定。
 なお、1対1で秘密の対話する「密談」と呼ばれるマーダーミステリー特有の仕組みなどは実装されておらず、情報はすべて共有されている前提でシナリオが進むようだ。

 日本ではマーダーミステリーの専門店が相次いでオープンされ、新作シナリオが続々と作られるなど、ひそかに流行しつつあるジャンルだ。かつて、人狼ゲームが日本で流行しつつあるとき、それを補佐するアプリが登場して、さらに拡散されたことがある。今回のマーダーミステリーのアプリの登場は、本ジャンルの新しいフェイズに移ったといえるかもしれない。

ライター/福山幸司

ライター
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman
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