アイルランドの個人ゲームデベロッパーOne Little Serfは、5000年前の古代エジプトを舞台に、探偵アドベンチャーとサバイバルゲームを組み合わせた作品『Into the Valley』をSteamでリリースした。価格は1010円(税込)。ゲームプレイ時間は公式に4時間から6時間ほどとされている。
『Into the Valley』は古代エジプトを舞台にしたサバイバルRPGと、奴隷商人にさらわれた娘を探す探偵アドベンチャーを合体させたゲームだ。プレイヤーは敵対部族やエジプト兵、猛獣から生き延びながら、友好的な人々と協力して娘の手がかりを追うことになる。
紀元前3000年のエジプトは、“最初のピラミッド”と称されるジェセル王のピラミッドが建設されるより前の時代だ。時代背景は紀元前3000年だが、完全に歴史に忠実ではなく、ゲーム的なアレンジが加えられているという。
水や食料を集めるサバイバルゲームらしい要素もあり、自ら採集するか、集落で購入して手に入れなければならない。食料ゲージは肉、野菜、穀物と3種が用意されている凝りようで、栄養バランスの良い食事が求められる。
シマウマやキリン、ゾウやサイのような草食動物、ライオン、ハイエナ、ワニ、ヒョウといった肉食動物など、登場する動物は16種。荒野では草食獣を狩って肉を手に入れることができるが、危険な猛獣に襲われる危険性もある。
飢えと渇きのゲージのほかに幸福ゲージもあり、友好的な人々を攻撃し家族が死ぬと減少し、友人を増やし自身が幸福になると増加する。幸福度が一定以下になるとゲームオーバーとなる。
本編ではサバイバル生活をこなす必要があるが、最終的な目標は娘を探すことだ。ゲームに登場する人々と会話しながら手がかりを集め、地図を読み解き娘のいる場所を特定する古代の探偵業こそがゲームの目的となる。サイドクエストもすべて娘を探すことを目的としており、財宝を探すような無関係な冒険に出たり、ギャンブルをしたりといった寄り道は用意されていないという。
娘を探す中で、場合によっては危険な猛獣や敵対部族の出没する場所に行かなければならないだろう。その際には、RPGらしく武器や防具を装備して敵と戦う。装備できるのは剣や鈍器のような武器と盾の2種類。中には投げ槍のような投射武器もあるようだ。
紀元前3000年の古代エジプトを舞台に、サバイバルゲームと探偵アドベンチャーを組み合わせた少しめずらしいジャンルの『Into the Valley』。「世界最小のオフィス」を自称する開発者は、5年間たったひとりで開発を続けてきたという。変わったゲームが遊んでみたいという方は試してみたいタイトルだ。
ライター/古嶋誉幸