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HBOによる『ラスト・オブ・アス』の実写ドラマ化が決定。原作ゲームの監督ニール・ドラッグマン氏が共同脚本に参加、『チェルノブイリ』のスタッフが製作総指揮

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 『The Last of Us』(ラスト・オブ・アス)が実写ドラマ化されることが発表された。海外メディアThe Hollywood Reporterが報じており、原作ゲームを開発したNaughty Dogがその報道をTwitter上で共有している。

 ドラマ『チェルノブイリ』のクレイグ・メイジン氏がエグゼクティブ・プロデューサーとして参加し、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンとプレイステーション・プロダクションズが共同制作をする。それ以外のスタッフ、キャスト、また放送時期などは現時点では発表されていない。

 『The Last of Us』は2013年に発売されたアクションアドベンチャー。『アンチャーテッド』シリーズの開発スタジオとして知られるノーティードッグが制作を手掛け、その年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを独占するなど、極めて高く評価されている。

 寄生菌のパンデミックによって文明が崩壊したアメリカを舞台に、プレイヤーは密輸業をしているジョエルとなり、少女エリーを護衛しながらふたりの旅路と交流を描く。サバイバルホラーでありながら、繊細な感情描写や詩的な雰囲気により、高い次元の体験を実現した作品として知られている。

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(画像はYouTube「『The Last of Us Remastered』プロモーションビデオ」より)

 今回、テレビドラマ化される『The Last of Us』は、アメリカの巨大テーブルテレビ放送局のHBOで放送されることなり、テレビドラマ『チェルノブイリ』のエグゼクティブ・プロデューサーであるクレイグ・メイジン氏が参加。またゲームのディレクターと脚本を務めたニール・ドラッグマン氏も同じくエグゼグティブ・プロデューサー、そして脚本として名を連ねる。

 本作はソニー・ピクチャーズ・テレビジョンと、昨年に設立したばかりのプレイステーション・プロダクションズの共同制作となる。プレイステーション・プロダクションズは、プレイステーションのゲームを映像化するために設立されたプロダクションで、2021年には『アンチャーテッド』の映画化を予定している。この『The Last of Us』は、プレイステーション・プロダクションズでは初テレビドラマとなる。

 The Hollywood Reporterによると、このHBOのドラマシリーズは、2020年5月29日の発売を予定している『The Last of Us Part II』に基づいたストーリーとなる可能性があるという。

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(画像はYouTube「『The Last of Us Part Ⅱ』 (日本語版)発売日アナウンストレーラー」より)

 クレイグ・メイジン氏は、「ニール・ドラッグマンは間違いなくビデオゲームでもっとも優れたストーリーテラーであり、『The Last of Us』は彼の最高傑作だ。この息をのむような芸術作品を仕上げる機会を得ることは、私の長年の夢であり、ニールと共同でそれを行うことをとても光栄に思う」とコメント。

 またニール・ドラッグマン氏は「最初に座ってクレイグと話をしたときから、彼の語り口のアプローチ、『The Last of Us』への愛や深い理解に圧倒された。『チェルノブイリ』では、クレイグとHBOが緊迫した、痛ましく感情に訴える傑作を生み出していた。『The Last of Us』のストーリーをテレビ番組として生かせるような、より良いパートナーは他に思いつかなかった。」と声明を出している。

 すでに金字塔的な評価を受けている『The Last of Us』が、『ゲーム・オブ・スローンズ』などを大成功させたHBOで放送される意義は大きく、Netflixのドラマ『ウィッチャー』と共に、ビデオゲームで育ったコンテンツが高い水準で映像化される本格的な時代の到来を感じさせる発表といえそうだ。

ライター/福山幸司

ライター
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福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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