『The Last of Us』(ラスト・オブ・アス)が実写ドラマ化されることが発表された。海外メディアThe Hollywood Reporterが報じており、原作ゲームを開発したNaughty Dogがその報道をTwitter上で共有している。
ドラマ『チェルノブイリ』のクレイグ・メイジン氏がエグゼクティブ・プロデューサーとして参加し、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンとプレイステーション・プロダクションズが共同制作をする。それ以外のスタッフ、キャスト、また放送時期などは現時点では発表されていない。
We’re so psyched to be teaming up with @HBO to create a new The Last of Us series with @Neil_Druckmann and @clmazin at the helm: https://t.co/AzjxMdjTbQ pic.twitter.com/6gFjdXtiMw
— Naughty Dog (@Naughty_Dog) March 5, 2020
『The Last of Us』は2013年に発売されたアクションアドベンチャー。『アンチャーテッド』シリーズの開発スタジオとして知られるノーティードッグが制作を手掛け、その年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを独占するなど、極めて高く評価されている。
寄生菌のパンデミックによって文明が崩壊したアメリカを舞台に、プレイヤーは密輸業をしているジョエルとなり、少女エリーを護衛しながらふたりの旅路と交流を描く。サバイバルホラーでありながら、繊細な感情描写や詩的な雰囲気により、高い次元の体験を実現した作品として知られている。
今回、テレビドラマ化される『The Last of Us』は、アメリカの巨大テーブルテレビ放送局のHBOで放送されることなり、テレビドラマ『チェルノブイリ』のエグゼクティブ・プロデューサーであるクレイグ・メイジン氏が参加。またゲームのディレクターと脚本を務めたニール・ドラッグマン氏も同じくエグゼグティブ・プロデューサー、そして脚本として名を連ねる。
本作はソニー・ピクチャーズ・テレビジョンと、昨年に設立したばかりのプレイステーション・プロダクションズの共同制作となる。プレイステーション・プロダクションズは、プレイステーションのゲームを映像化するために設立されたプロダクションで、2021年には『アンチャーテッド』の映画化を予定している。この『The Last of Us』は、プレイステーション・プロダクションズでは初テレビドラマとなる。
The Hollywood Reporterによると、このHBOのドラマシリーズは、2020年5月29日の発売を予定している『The Last of Us Part II』に基づいたストーリーとなる可能性があるという。
クレイグ・メイジン氏は、「ニール・ドラッグマンは間違いなくビデオゲームでもっとも優れたストーリーテラーであり、『The Last of Us』は彼の最高傑作だ。この息をのむような芸術作品を仕上げる機会を得ることは、私の長年の夢であり、ニールと共同でそれを行うことをとても光栄に思う」とコメント。
またニール・ドラッグマン氏は「最初に座ってクレイグと話をしたときから、彼の語り口のアプローチ、『The Last of Us』への愛や深い理解に圧倒された。『チェルノブイリ』では、クレイグとHBOが緊迫した、痛ましく感情に訴える傑作を生み出していた。『The Last of Us』のストーリーをテレビ番組として生かせるような、より良いパートナーは他に思いつかなかった。」と声明を出している。
すでに金字塔的な評価を受けている『The Last of Us』が、『ゲーム・オブ・スローンズ』などを大成功させたHBOで放送される意義は大きく、Netflixのドラマ『ウィッチャー』と共に、ビデオゲームで育ったコンテンツが高い水準で映像化される本格的な時代の到来を感じさせる発表といえそうだ。
ライター/福山幸司