3月10日は「マリオの日」と特に英語圏で呼ばれており、これは「March 10」が「Mar.10」と短縮され、それが「Mario」と読めるというジョークから来ている。
かつては非公式にファンたちの間で祝われていたが、2016年に米任天堂が初めてマリオの日を取り上げ、記念動画をアップロード。2017年にはアメリカのABCニュースが「ナショナル・マリオ・デー」として取り上げ、さらに多くの人々に知られることになった。
マリオは媒体によって人物像が少しずつ変更されているが、公式サイトでも示されているように、青いオーバーオールと赤い帽子、そして口ひげがトレードマークの陽気で明るい男性という点でほぼ共通している。職業は配管工が有名だが、冒険家、医者、大工、あるいは赤ちゃんと作品によってさまざまだ。
弟のルイージとはさまざまな作品で協力し、素晴らしいチームワークを見せてきた。また、ピーチ姫に惚れ込んでおり、彼女が困ればどんなときにも助けにいく。ピーチ姫のピンチの多くはライバルであるクッパによる悪巧みだが、場合によってはクッパと協力することもある腐れ縁だ。
マリオが初めて登場したのは今から約30年前、1981年に発売された『ドンキーコング』で、当時は「ジャンプマン」と呼ばれていた。1985年に発売された『スーパーマリオブラザーズ』は、累計販売本数4000万本のビデオゲーム史上でもまれに見る大ヒット作となる。その後も無数のビデオゲームに任天堂の顔役として主役・脇役問わず登場。任天堂だけでなく、ビデオゲームそのものを代表する「ミスタービデオゲーム」としての地位を獲得していった。
2017年に発売された3Dマリオ最新作『スーパーマリオオデッセイ』では、新アクション帽子投げを習得。「またもや」と公式にも突っ込まれるほど幾度もさらわれるピーチ姫を追いかけ、オデッセイ号に乗り込んで海や森、料理の国といったさまざまな国を冒険した。
今日ではアクションゲームだけでなく、スポーツ、レース、RPG、パーティゲームと多彩なジャンルでマリオの姿を見ることができる。活躍の場はビデオゲームだけにとどまらず、マンガやアニメ、小説、映画とさまざまなメディアへも飛び出していった。
マリオは創作物の中だけでなく、現実世界にも影響を与えている。2011年にはギネス世界記録が「ギネス世界記録ゲーマーズエディション」のひとつとして、ファン投票により選出される「ゲーム史上もっとも有名なゲームキャラクタートップ50」が発表され、栄えある1位にマリオが輝いた。
2016年に行われたリオデジャネイロ・オリンピックの閉会式では、おなじみの緑色の土管からマリオに扮した安倍晋三首相が登場。2020年の東京オリンピックの引き継ぎのパフォーマンスを行った。
2020年には大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンにて、任天堂の作品をテーマにしたエリア「SUPER NINTENDO WORLD」がオープン予定だ。『スーパーマリオ』からは、『マリオカート』や「ヨッシー」のライドアトラクションなどが登場する。
米任天堂はマリオの日を祝い、公式デジタルストアのほか、米アマゾンやベストバイ、ウォルマートで記念セールを実施している。
Mar.10という表記自体が日本ではマイナーなためか、日本ではあまりマリオの日を祝う風習は無いようだ。とはいえ年に一度の「マリオの日」、3月10日は大好きなマリオ作品で遊んだり、お気に入りのグッズをSNSで紹介してみてはいかがだろうか。
ライター/古嶋誉幸