Studio SOTTはミステリーアドベンチャーゲーム、『Hotel Sowls』の日本語訳が完了したことを発表した。
韓国のふたりのプログラマーが開発した本作は2019年12月からSteamで配信されているタイトルで、プレイヤーやほかの協力者とともに発売日から日本語訳の間違っている個所を訂正していた。
<ホテル・ソウルズ>の日本語訳が完了しました! 🎉 今までは機械翻訳をもとに不完全な翻訳を提供していましたが、多くの方々に助けられてもっと良い日本語翻訳になりました。日本語のプレイに難しさを感じた方でも、もう一度楽しくプレイしていただければと思います。👻💕#HotelSowls #ホテルソウルズ
— Studio SOTT (@Studio_SOTT) March 12, 2020
本作は独特なグラフィックと、突拍子もないホテルの従業員や宿泊客、寂し気でありながら、けど足を進めたくなるBGMが絶妙にマッチしたアドベンチャーゲームだ。
つらい旅の末、高価で神秘的な石を発見した主人公は、怪しげなで埃っぽい「ホテル・ソウルズ」で休憩することにする。しかし朝起きるとその石がなくなっていて、ホテル内を探していくとさまざまな謎と直面していく。何者かが残した日記帳の断片を集めながら、石とホテルの関係の謎を解き明かしていくことが目的だが、エンディングは8種類あり、まったく謎を解かずに逃げても良い。
「ホテル・ソウルズ」には、インゲン豆のオブジェや触れるだけで朽ちてしまう風船、プールに浮かぶ魚などヘンテコなものがたくさんある。その異様な雰囲気に、どんなプレイヤーも疑問を抱き、ホテル内のキャラクターに話しかけるが、誰もホテルについて話してくれないし、むしろ何かを隠しているような素振りを見せてくることもある。
ホテルの宿泊客やスタッフは、どう見ても人間のようには見えない者たちが多い。ケチャップになってしまうことを恐れている腐ったトマト、不穏な未来をタロット占いで予測するバーテンダー、ひたすらカーペットの掃除をするメイドなど。みんな、何かに没頭しているのだが、何か忘れ去られてしまったかのような悲しさを持っている。
本作の大きな欠点として日本語訳が不十分で、理解できない箇所がいくつかあったことが挙げられるが、今回のアップデートでそれが解消された。
ひとつのエンディングに到達するまで2時間かからないので、絵本を読むような感覚でホテルの住人と接してみるのはいかがだろうか。彼らは「ホテル・ソウルズ」、つまり魂について常に自問している。このゲームならではのキャラクターが生み出す感動がきっとあるはずだ。
文/tnhr