いま読まれている記事

ウイルス感染ゲーム『Plague Inc.』開発元がWHOなどへの2700万円の寄付を発表。さらに「深刻な疫病の感染を抑止する」新モードを無料で追加予定

article-thumbnail-200324k

 Ndemic Creationsは、ウイルス感染シミュレーションゲーム『Plague Inc.』のすべてのプレイヤーを代表して、WHOとCEPI(感染症流行対策イノベーション連合)に、25万ドル(約2700万円)を分割して寄付すると発表した。さらに疫病を抑止する新モードを開発中であり、アップデートを通じて無料で提供されるという。

 Ndemic Creationsは、『Plague Inc.』や『Rebel Inc.』を開発したことで知られるイギリスのブリストルに拠点を置くゲームスタジオだ。特にデビュー作となった疫病を世界に蔓延させて人類を死滅させるシミュレーションゲーム『Plague Inc.』は、大成功を収め、世界中で累計1億2000万回以上ダウンロードされている。

 現在、世界で猛威を奮っているコロナウイルスによって、そのテーマから本作は再び注目を集めることとなり、販売数が増加。iOSの有料アプリランキングでは『マインクラフト』を抜いたこともある。1月には中国でもっとも売れたアプリとなったが、のちに2月末に中国のApp Storeで「違法コンテンツ」として、削除される騒ぎがあった。現在でも中国では『Plague Inc.』は販売されておらず、2012年にリリースされたゲームながら、新型コロナウイルス感染症によってたびたび本作はニュースで取り上げられている。

App Storeに続き、中国本土でSteam版『Plague Inc.』が配信停止。新型コロナウイルスの発生以降プレイヤー数は“爆発的に”増加

 Ndemic Creationsの創設者ジェームズ・ヴォーンは、今回の寄付について「8年前、私は現実の世界が『Plague Inc.』のようになること、多くのプレイヤーが『Plague Inc.』をプレイして、本当のパンデミックを乗り切ることを想像していませんでした。COVID-19のワクチンの発見に向けて取り組んでいるWHOとCEPIの重要な仕事を支援できることを誇りに思います」と声明を発表して、ゲーム内でも寄付を呼びかけるという。

 また本作はこれまでプレイヤーは疫病であり、パンデミックに導く側であったが、その逆にプレイヤーが致命的な疫病の発生を防ぐ新しいモードを追加すると発表。プレーヤーは、ヘルスケアの強化、トリアージ、検疫、公共サービスの閉鎖、人々の間に距離取らせるなどの施策で、疫病の感染爆発を抑止するのが目的だという。

ウイルス感染ゲーム『Plague Inc.』開発元がWHOなどへの2700万円の寄付を発表。さらに「深刻な疫病の感染を抑止する」新モードを無料で追加予定_001
(画像はSteam『Plague Inc.』より)

 こうした新モードは、WHOとGlobal Outbreak Alert and Response Networkの専門家の協力を得て開発しているという。アップデートは無料で、できるだけ早く詳細を発表する予定だいう。

ライター/福山幸司

ライター
ウイルス感染ゲーム『Plague Inc.』開発元がWHOなどへの2700万円の寄付を発表。さらに「深刻な疫病の感染を抑止する」新モードを無料で追加予定_002
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

Amazon売上ランキング

集計期間:2024年4月18日17時~2024年4月18日18時

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ