Ndemic Creationsは、ウイルス感染シミュレーションゲーム『Plague Inc.』のすべてのプレイヤーを代表して、WHOとCEPI(感染症流行対策イノベーション連合)に、25万ドル(約2700万円)を分割して寄付すると発表した。さらに疫病を抑止する新モードを開発中であり、アップデートを通じて無料で提供されるという。
Everyone is impacted by COVID-19. On behalf of all Plague Inc. players, we have just donated a quarter of a million dollars to @CEPIvaccines and @WHO to help fight it.https://t.co/kAZtjwn89b pic.twitter.com/DinQpvRqCk
— Plague Inc. / Rebel Inc. (@NdemicCreations) March 23, 2020
Ndemic Creationsは、『Plague Inc.』や『Rebel Inc.』を開発したことで知られるイギリスのブリストルに拠点を置くゲームスタジオだ。特にデビュー作となった疫病を世界に蔓延させて人類を死滅させるシミュレーションゲーム『Plague Inc.』は、大成功を収め、世界中で累計1億2000万回以上ダウンロードされている。
現在、世界で猛威を奮っているコロナウイルスによって、そのテーマから本作は再び注目を集めることとなり、販売数が増加。iOSの有料アプリランキングでは『マインクラフト』を抜いたこともある。1月には中国でもっとも売れたアプリとなったが、のちに2月末に中国のApp Storeで「違法コンテンツ」として、削除される騒ぎがあった。現在でも中国では『Plague Inc.』は販売されておらず、2012年にリリースされたゲームながら、新型コロナウイルス感染症によってたびたび本作はニュースで取り上げられている。
App Storeに続き、中国本土でSteam版『Plague Inc.』が配信停止。新型コロナウイルスの発生以降プレイヤー数は“爆発的に”増加
Ndemic Creationsの創設者ジェームズ・ヴォーンは、今回の寄付について「8年前、私は現実の世界が『Plague Inc.』のようになること、多くのプレイヤーが『Plague Inc.』をプレイして、本当のパンデミックを乗り切ることを想像していませんでした。COVID-19のワクチンの発見に向けて取り組んでいるWHOとCEPIの重要な仕事を支援できることを誇りに思います」と声明を発表して、ゲーム内でも寄付を呼びかけるという。
また本作はこれまでプレイヤーは疫病であり、パンデミックに導く側であったが、その逆にプレイヤーが致命的な疫病の発生を防ぐ新しいモードを追加すると発表。プレーヤーは、ヘルスケアの強化、トリアージ、検疫、公共サービスの閉鎖、人々の間に距離取らせるなどの施策で、疫病の感染爆発を抑止するのが目的だという。
こうした新モードは、WHOとGlobal Outbreak Alert and Response Networkの専門家の協力を得て開発しているという。アップデートは無料で、できるだけ早く詳細を発表する予定だいう。
ライター/福山幸司