3月26日に配信された「Nintendo Direct mini」にて、アドベンチャーゲーム『グノーシア』がNintendo Switchで配信されることが発表された。価格は税込2750円。発売日は4月30日。
本作はPSVitaで高い評価を得た人狼をシステム的に組み込んだ特殊なアドベンチャーゲームとして知られている。
本作の舞台は漂流している宇宙船。だが、この宇宙船の乗員たちのなかに、未知の異星体「グノーシア」が潜んでいる。グノーシアは人間を襲うので、その前に全員で話し合い、疑わしい人物に投票をしてコールドスリープで眠らせるしかない。だが、本当に眠らせた相手はグノーシアだったのかは不明で、ある人はグノーシアをかばい、そして主人公にも疑いの目は向けられることになる。
本作は「ループもののビジュアルノベル」と「人狼ゲーム」が組み合わさった特殊な構造をしたゲームだ。ビジュアルノベルの部分に関しては、グノーシアとは何者なのか、この宇宙船は何なのか、なぜループするのか、なぜ主人公は記憶喪失なのか、といったSFミステリ的な短いストーリーが展開され、徐々に謎が解き明かされていく。その合間に、1プレイ約15分程度の人狼をプレイする、というのがゲームの流れだ。
特に個性豊かなキャラクターたち楽しく、誰かをかばったり、誰かを疑ったり、あるいは嘘をついたりと、作りこまれたAIが活き活きと行動を見せてくる。さらにそれに対してプレイヤーが、スキルなどを駆使して、議論に介入できるという、人狼ゲームのパートが非常によく作りこまれている。もちろん人狼ゲームのように、主人公自体がグノーシアということも在りえる。
本作は、人狼ゲームだけでも時間を忘れるほど夢中になってしまう内容となっているが、さらにストーリーテリングに関しても、とても緻密な構造を有しているため、ユーザーから高い支持を受けている。
もともとはPSvitaのダウンロード専用の本作だったが、Nintendo Switchによって手軽に遊べることなったのは、朗報といえるだろう。さらにNintendo Switch版では、グラフィックやサウンドがクオリティアップ。バックログの新機能に加えて、バランスなどが調整されているという。
本作は、『メゾン・ド・魔王』を開発したことでも知られるインディースタジオ、プチデポットが長きにわたり開発していたことでも知られ、まさに執念による渾身の一作となっている。まだ本作を触ったことのない人はNintendo Switch版を機会に、プレイしてみてはいかがだろう。
ライター/福山幸司