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セガ、20年振りに「プリクラ」市場に挑戦へ。今秋から新型機『Fiz(フィズ)』展開、社会現象となった「プリント倶楽部」の発売から25年

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 セガは、最新プリクラ機『fiz(フィズ)』を2020年秋に発売すると発表した。また7月10日に神奈川県のラウンドワン横浜西口店、愛知県のゲームキングジョイ、福岡県の楽天楽座イオンモール筑紫野店を皮切りに、全国で期間限定の先行リリースを実施する。プレイ料金は400円となる。

 プリクラとは、アトラスが1995年に発売した『プリント倶楽部』の略称で、そこから広く「プリントシール機」を指す愛称として知られている。筐体のなかで写真を撮影すると、その写真がシールで印刷されるというもので、SMAPがテレビ番組で紹介したことによって、女性の間で人気が爆発。シールを友達同士で交換するのが流行し、『プリント倶楽部』には長蛇の列が作られるほど、社会現象となった。

 翌1996年にはさまざまな他社が参入する形で、さまざまな形でプリント機が登場。ただしこの時期は、メインユーザーの女性に特化したものではなく、名刺やスタンプ、カレンダーなど、さまざまなユーザーを対象としたプリント機が登場した。

 そんななか女性ユーザーの心を新たに掴んだのが1997年に発売したトーワジャパンと日立ソフトウェアエンジニアリングの『ストリート・スナップ』だ。全身を撮ることができる機能が、新しいプリントシール機の新機軸を打ち出した。1999年にはオムロンの『ハイキーショット』は、肌の質感を細かく変えられる機種が登場し、プリントシール機もこうした女性ユーザーのニーズを答える形へと進化していく。

 1999年にはいったんブームが収束するが、その後も目をラクガキができる機能、ラクガキブースの文化、目を大きくできるといった機能、またそれに対して、ナチュラル志向を売りにしたフリューが2011年に発売した『TOKYO BY LADY』など、このようなさまざまなメーカーによる試行錯誤によるプリントシール機が登場し、現在まで続いている(参考文献:「プリントシール機20周年」日本アミューズメントマシン工業協会より)。

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 今回のセガの最新機『fiz(フィズ)』は、現在『プリント倶楽部』が誕生して25周年、そして「プリント倶楽部」、「プリクラ」の商標権を持つセガが約20年ぶりにプリントシール機に参入する機種となる。

 鏡のような23.8インチの大画面が2枚設置されている撮影ブースで、プリクラと同時に撮れる3秒動画「モーメント」、事前に設定することで照明やBGM、画面を変化させたサプライズ演出を発動できる「プリもっと」、シールが動き出すARプリクラなど、多彩な機能を有している。なお、1プレイで受け取れるデータは最大12枚(プリクラ6枚、モーメント6枚)となる。

 なお、『fiz(フィズ)』の正式稼動は、2020年秋からとなるが、7月10日から全国で期間限定の先行リリースを実施する。この先行リリースは、対応する店舗が決まり次第、公式サイトでお知らせするとのことなので、いちはやく体験したい人は公式サイトをチェックするといいだろう。プリクラブームを生み出したアトラスを擁するセガが、再びプリクラ市場でどのような影響力を発揮するか、注目といえそうだ。

ライター/福山幸司

ライター
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福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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