セガは、最新プリクラ機『fiz(フィズ)』を2020年秋に発売すると発表した。また7月10日に神奈川県のラウンドワン横浜西口店、愛知県のゲームキングジョイ、福岡県の楽天楽座イオンモール筑紫野店を皮切りに、全国で期間限定の先行リリースを実施する。プレイ料金は400円となる。
プリクラ®プリクラ®プリクラ®!
— セガ公式アカウント🦔 (@SEGA_OFFICIAL) July 7, 2020
『プリント倶楽部®』から25年。
プリクラ®を世に送り出したセガが、プリントシール機市場に再参入…!
うごいて盛れる最新プリクラ機『fiz(フィズ)』登場! 今週末から期間限定で先行リリースします。https://t.co/omiXVLbFvR #fiz #プリクラ #プリント倶楽部 pic.twitter.com/VS7QdtPRqc
プリクラとは、アトラスが1995年に発売した『プリント倶楽部』の略称で、そこから広く「プリントシール機」を指す愛称として知られている。筐体のなかで写真を撮影すると、その写真がシールで印刷されるというもので、SMAPがテレビ番組で紹介したことによって、女性の間で人気が爆発。シールを友達同士で交換するのが流行し、『プリント倶楽部』には長蛇の列が作られるほど、社会現象となった。
翌1996年にはさまざまな他社が参入する形で、さまざまな形でプリント機が登場。ただしこの時期は、メインユーザーの女性に特化したものではなく、名刺やスタンプ、カレンダーなど、さまざまなユーザーを対象としたプリント機が登場した。
「プリクラ®」と『プリント倶楽部®』は登録商標、一般名称はプリントシール機といいます。
— セガ公式アカウント? (@SEGA_OFFICIAL) July 7, 2020
『プリント倶楽部®︎』は前例のないアイデアと挑戦の連続で、商品化までさまざまな苦労がありました。
1995年に誕生すると、プリ帳で見せたり、携帯電池カバーの裏に貼ったり…日本独自の文化として発展。 pic.twitter.com/jjdu9l7jXT
そんななか女性ユーザーの心を新たに掴んだのが1997年に発売したトーワジャパンと日立ソフトウェアエンジニアリングの『ストリート・スナップ』だ。全身を撮ることができる機能が、新しいプリントシール機の新機軸を打ち出した。1999年にはオムロンの『ハイキーショット』は、肌の質感を細かく変えられる機種が登場し、プリントシール機もこうした女性ユーザーのニーズを答える形へと進化していく。
1999年にはいったんブームが収束するが、その後も目をラクガキができる機能、ラクガキブースの文化、目を大きくできるといった機能、またそれに対して、ナチュラル志向を売りにしたフリューが2011年に発売した『TOKYO BY LADY』など、このようなさまざまなメーカーによる試行錯誤によるプリントシール機が登場し、現在まで続いている(参考文献:「プリントシール機20周年」日本アミューズメントマシン工業協会より)。
今回のセガの最新機『fiz(フィズ)』は、現在『プリント倶楽部』が誕生して25周年、そして「プリント倶楽部」、「プリクラ」の商標権を持つセガが約20年ぶりにプリントシール機に参入する機種となる。
鏡のような23.8インチの大画面が2枚設置されている撮影ブースで、プリクラと同時に撮れる3秒動画「モーメント」、事前に設定することで照明やBGM、画面を変化させたサプライズ演出を発動できる「プリもっと」、シールが動き出すARプリクラなど、多彩な機能を有している。なお、1プレイで受け取れるデータは最大12枚(プリクラ6枚、モーメント6枚)となる。
なお、『fiz(フィズ)』の正式稼動は、2020年秋からとなるが、7月10日から全国で期間限定の先行リリースを実施する。この先行リリースは、対応する店舗が決まり次第、公式サイトでお知らせするとのことなので、いちはやく体験したい人は公式サイトをチェックするといいだろう。プリクラブームを生み出したアトラスを擁するセガが、再びプリクラ市場でどのような影響力を発揮するか、注目といえそうだ。
ライター/福山幸司