D4エンタープライズは、同社が運営するレトロゲーム配信サイト「プロジェクトEGG」で、約800タイトルが最大85パーセントオフになる「GoGo!!キャンペーン」を開始したと発表した。なお、購入するには税別500円の月額会員となる必要があり、購入したゲームでも会員を脱退すると遊べなくなってしまうが、再加入すると遊ぶことができる。
日本の80年代のPCゲームは、現在に繋がるさまざまな礎を築いた重要なタイトルが多く含まれている。しかしこういったゲームを、現在では実機でプレイするには、とても困難を極める。メンテナンスされた中古PCを当たるしかなく、さらにソフト自体もカセットテープやフロッピーディスクといった磁気メディアの経年劣化が激しいため、PCの扱いかたを含めて専門的な知識とある。
プロジェクトEGGは、こうした悩みを解決する、80年代のPCゲームを気軽にアクセスできるプラットフォームだ。PC88、PC98、FM-7、X1などで発売した80年代から90年代初頭にかけての日本のPCゲームを豊富にラインナップしており、Windows 7や10などで遊ぶことができる。

今回さまざまな作品が値引きの対象となっている。RPG、アクションRPGだと、内藤時浩氏が手掛けた『ハイドライド』シリーズや、木屋善夫氏が手掛けた日本ファルコムの『ザナドゥ』や『ソーサリアン』、同じく日本ファルコムの『イース』シリーズが注目だろう。内藤氏も木屋氏はスタークリエイターとして注目を集めた。

アドベンチャーゲームでは坂口博信氏がスクウェアで手掛けたデビュー作『THE DEATH TRAP』、その続編『WILL -THE DEATH TRAP II-』、当時、高い表現力のグラフィックで驚かせたT&E SOFTの『惑星メフィウス』や『サイオブレード』 といったSFアドベンチャーなどもある。

シューティングゲームとアドベンチャーゲームを組み合わせた『スタートレーダー』、縦スクロールのシューティングゲームの名作『シルフィード』、海外で異例の大ヒットを記録したゲームアーツのアクションシューティング『テグザー』、また女性向けゲームの先駆的存在である『メルヘンヴェール』も注目だろう。シミュレーションゲームでは、アートディングの『A列車で行こう』シリーズや、システムソフトの『天下統一』なども対象だ。

こうしたソフトは発売したPCによって、同一タイトルであっても、グラフィックやゲームの仕組みが違うものがある。また必ず後年に移植されたものがグラフィックが強化されているというわけでもなく、あくまで発売したハードによって合わせられている。多機種同時発売ということも多いのだが、一番最初に発売したハードのバージョンを重視するか、それとももっともグラフィックが強化されたバージョンを購入するか。同一タイトルを見比べてみるのも一興だろう。
80年代のゲームでもファミコンは遊んだことはあっても、国産PCゲームはなじみがない、という人はこの機会に、80年のPCゲームを遊んでみてはいかがだろうか。
ライター/福山幸司