海外メディアComicBook.comが、コミックイベント「Comic-Con@Home」にてホラー漫画家の伊藤潤二氏にインタビューを実施。ビデオゲームのプロジェクトに携わっているかを聞かれた伊藤氏が、小島秀夫監督と「ホラーゲームのことで話し合ったが、詳細はまだです」と答え、話題となった。
ただしその後、このニュースは海外を中心に拡散されたが、伊藤潤二氏のTwitterアカウントから、パーティーの立ち話における「もし機会があれば協力をお願いするかもしれない」という程度のものですと、具体的な話が進んでいることは否定している。一方で同報道は海外で拡散され、大きな注目を浴びた。
海外向けのインタビューで小島秀夫監督からお仕事のお声がけを頂いたと、私は軽々しく答えてしまいましたが、実際はパーティーの立ち話の中での「もし機会があれば協力をお願いするかもしれない」という程度のものです。小島秀夫監督をはじめ、過度に期待させてしまった方々にお詫び申し上げます。
— 伊藤潤二 (@junjiitofficial) July 27, 2020
小島監督と伊藤氏のふたりは親交が深いことで知られており、生まれた年が同じという同世代同士。さかのぼると、プレイアブル・ティザー『P.T.』の製品版となる『Silent Hills』に着手していた際に、小島監督はハリウッドで活躍する監督ギレルモ・デル・トロ氏とあわせて伊藤氏と一緒とコラボレーションをすることを構想していた。
2015年に投稿されたツイートでは、実際にギレルモ・デル・トロ監督と小島監督をまじえて、会議も行われたことが判明している。
一昨年だったか、「サイレントヒル」の極秘プロジェクトで小島秀夫監督率いる小島プロダクションさんの会議室で小島監督とデル・トロ監督、私、その他スタッフの皆さんと会議が開かれたが、およそ会議というものが苦手な私は何も発言できずに終わったのでありました。
— 伊藤潤二 (@junjiitofficial) September 28, 2015
しかし『Silent Hills』の開発は中心になってしまい、この3人による夢のコラボレーションは実現しないこととなった。その後、ギレルモ・デル・トロは『DEATH STRANDING』の主要キャラクターのひとりとしてCGで出演、また伊藤氏も「エンジニア」として、カメオ出演を果している。
今回の報道について、伊藤氏は立ち話程度のものだったと否定したが、2019年11月に『DEATH STRANDING』を発売した約2週間後に、小島監督が「最恐ホラー・ゲームでも創ろうかと思い、ホラー魂を呼び覚ますべく、怖い映画を少しずつ観ようかと」とツイートしたことも、ファンが期待してしまったこととも関係がありそうだ。
伊藤氏は海外では『うずまき』が特に知られており、世界的なホラー漫画家だけあるので、ふたりのコラボレーションを楽しみにする人は、日本ならずとも海外でも多い。
次回作に着手していることを明かしている小島監督だが、当然ながら、現時点でそれがホラーゲームであるかどうかは一切わからない。ただ昨年、ホラーゲーム開発の意欲をツイートし、さらに立ち話といえど伊藤氏にこのような話を口に出したとなると、ホラーゲームへの興味がまだつきていないことが確認できたといえそうだ。
ライター/福山幸司