コンソールゲーム機の世代交代が間近に迫っている。それはつまり、PlayStation 4とXbox Oneの世代が前世代機となり、これまでリリースされてきたコンソールがまたひとつ古くなるということだ。
海外メディアGhetto Gamerでは、レトロゲームコレクターに対し「今こそPlayStation 3のゲームを買うときです」と、呼びかける記事を掲載した。あくまで国外市場での話ではあるが、PS3のゲームは現在底値であり、今後は価格の上昇が見られると予想している。
PS3がレトロゲームだと言われると急に年を取ってしまったような気になる。しかし、もう14年も前のコンソールだと言われれば納得するしかない。PS3が発売された2006年の14年前だと1992年、スーパーファミコンの時代だ。
理由として、新型コロナウイルスの感染拡大による需要拡大でPlayStaton 2のゲームの価格が急上昇していること、PlayStation 5の世代に入るとゲームの販売価格が上昇し、それによって安く手に入る過去のゲームが脚光を浴びる可能性があることを挙げている。
海外メディアgamesindustry.bizは『GTA』シリーズのRockstar Gamesの親会社であるTake-Twoが、次世代機でのゲームの販売価格が10ドルほど値上げされることを示唆していることを報じている。
Ubisoftは次世代機でも価格の据え置きを発表しており、Take-Twoも全てのタイトルを一律値上げするわけではないが、開発コストの上昇はゲームの価格も上昇させる傾向を示すだろう。
ほかにも、当時PS3で育った子どもが大人になり、働き始めて金銭に余裕ができることも理由に挙げられている。子どもの頃に欲しかったゲームを買ったり、思い出のプラットフォームの作品の収集を始めるだろうとGhetto Gamerは予測している。
現在底値で今後価格上昇が見込まれるゲームとして、最初に『オーディンスフィア レイヴスラシル』が挙げられている。アトラスとヴァニラウェアがタッグを組み、PS3、PS4、PSVitaでリリースされた2DアクションRPGだ。
一般的にコンソール機専用タイトルは価格が上昇しやすく、ほかのプラットフォームに移植されなければさらに上昇が見込まれる。そういう意味ではマルチプラットフォームの本作は例に当てはまらない。しかし、本作は高い評判の割に知名度はあまり高くなく、発売から数年経ってふたたび評価される「スリーパーヒットゲーム」を作る実績を持つアトラスのゲームだからだ、と価格上昇の理由が説明されている。
eBayやAmazonなどのビデオゲームの取引価格を記録するPrice Chartingでは、パッケージや説明書などが全てそろった状態で、価格は32.62ドルと記録されている。新品価格が39.95ドルなので、中古価格もあまりさがっていないことが分かる。
一方、日本ではPS3版『オーディンスフィア レイヴスラシル』のオークションでの取引価格はそう高くはない。ヤフーオークションの落札価格相場を検索できるオークション価格相場研究所によると、2020年6月の落札額中央値は1110円。PS3版の販売価格は7980円なので、かなりの値下がり具合といえるだろう。
続編が渇望されているコナミのホラーゲーム『Silent Hill』シリーズも、今後値上がりが予想されるゲームに選ばれている。PS3では『Silent Hill: HD Edition』、『Silent Hill: Downpour』、『Silent Hill: Homecoming』(海外のみ)が発売。人気の高さが選ばれた理由だ。
シリーズでも特に人気の『Silent Hill 2』と『Silent Hill 3』を一本にまとめてHD化した『Silent Hill: HD Edition』は日本でも人気が高く、オークションの取引価格も高めだ。これから徐々に市場から姿を消していくことも予想できるため、まだ持っていないというファンは手に入れておいた方が良いかもしれない。
Ghetto Gamerは、この他に同じくコナミの『Castlevania: Lords of Shadow』シリーズ、海外ではアトラスからリリースされた『3Dドットゲームヒーローズ』、クラシックなアーケードアクションを再構築し2010年に発売された『スプラッターハウス』を今後価格が上昇しそうなゲームとして挙げている。
温故知新という言葉もあるとおり、新世代機が発売される今こそ過去の作品に目を向ける時かもしれない。
PS5はPS4との互換性が保たれるとされているが、それ以前のPSプラットフォームとの互換性は謳われていない。そのため、PS3のゲームを確保するだけでなく、本体も所有する必要があるだろう。
ライター/古嶋誉幸