小高和剛氏のドキュメンタリー映像が公開。自身の創作スタイルやゲームの美学、さらには「デスゲーム」のルーツについて語る

 YouTubeの番組チャンルネル「Archipel」は、『ダンガンロンパ』シリーズなどを手掛けた小高和剛氏にスポットを当てたインタビュー映像「Kazutaka Kodaka, writing a death game – Archipel Caravan」を公開した。

 Archipelは、日本文化のさまざまな側面にスポットを当てた映像制作集団。過去にも、ヨコオタロウ氏、橋野桂氏、須田剛一氏、SWERY氏、イシイジロウ氏、飯田和敏氏、五十嵐孝司氏など、さまざまなゲームクリエイターのドキュメンタリー映像を公開しているが、今回は新たなシリーズを始動し第1回目に小高和剛氏にスポットを当てている。

 今回のドキュメンタリーでは小高和剛氏が自身の創作スタイルについて語っている。小高氏によると、創作するときは机の上でずっと考えるタイプとのことで、あまり発想が浮かんでいないときは、漫画読んだり、映画やアニメを観ることで脳を休ませると、発想が出てくることが多いという。映像には小高氏の私物とみられるマンガやゲームの一部が確認できるので、ファンには興味深いものとなっているだおる。

(画像はYouTube「Kazutaka Kodaka, writing a death game – Archipel Caravan」より)
(画像はYouTube「Kazutaka Kodaka, writing a death game – Archipel Caravan」より)

 また自身がインスピレーションを与えるアーティストや作品として、映画監督のデヴィッド・リンチ『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』などを手掛けたアニメ監督の幾原邦彦氏、また須田剛一氏のゲーム『killer7』を挙げている。

 小高氏いわくこれらの作品は、主人公が前半にこういう気持ちだったからこういう出来事が起きてこういう気持ちになりますといったようなシナリオの構造を無視した、「よくわからないけど、面白い」作品だという。そういう構造を無視して面白い作品はユーザーとして嫉妬するとも伝えた。

 また「デスゲーム」について、小高氏は「究極のブラックジョーク」と評し、そのルーツを高見広春氏の小説『バトル・ロワイヤル』と、深作欣二監督が映画化した同名作品だと述べている。『バトル・ロワイヤル』は日本では社会現象と化したが、海外と温度差はあるようで、YouTubeのコメント欄には「そのことが直接聞けたことが嬉しい」と感想を述べている海外の人がいる。

(画像はYouTube「Kazutaka Kodaka, writing a death game – Archipel Caravan」より)
(画像はYouTube「Kazutaka Kodaka, writing a death game – Archipel Caravan」より)

 またゲームの美学についても言及しており、メインは「シナリオ」なのだという。ユーザーのアクションはシナリオのための演出と割り切っており、その演出を使ってシナリオを最大限に面白くさせようと考えていると伝えた。

 さらにこういったシナリオを執筆するときは、キャラクターの設定は後半までシナリオを書き進めた段階で決めるそうだ。先にキャラ設定を決めてしまうと、ふり幅が制限されてしまうからだという。
 これまでは小高氏はひとりでシナリオを書いていたが、今は複数人で書くこともあって、「キャラ設定ください」といわれるが「そんなものはない」と答えて驚かれることもあるといった話も明らかにした。

 ほかにもこのドキュメンタリーでは、小高氏はゲームを創作するときのこだわりや自身の強みなど、さまざまなことを語っている。小高氏のファンならずとも、創作に関係する人にとっても興味深い必見のドキュメンタリーといえそうだ。

ライター/福山幸司

ライター
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman
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