イスラエルのゲーム開発会社Lo-Fi Peopleは、同社が開発する「目隠ししたままドライブする」という設定の風変わりなゲーム『Blind Drive』を3月11日に発売することを発表した。価格は未定。対応言語は英語のみ。対応プラットフォームはPC(Steam)とiOS、Android。
基本的に音声のみで楽しむゲームのため、英語が苦手な場合は少し辛いかもしれない。開発者によると字幕は少しプレイヤーの気を散らすのではないかと心配していたが、何らかの対策を考えるとのこと。良い案が見つかれば他言語への対応も行われるかもしれない。
https://twitter.com/BlindDriveGame/status/1363194702380605440?s=20
『Blind Drive』の主人公は目隠しをされ、自動で前進する車に乗って道路を逆走している。自由なのはハンドルだけ。主人公をこの状況に追いやったクレイジーな誰かは、愛するおばあちゃんを人質に取っている。プレイヤーは道路上のほかの車の音を聞き、ハンドルを操作して避けなければならない。奇妙すぎる状況を打破し、おばあちゃんを救うのだ。
本作は目隠し風のヘッドアップディスプレイのみが表示される、音声で楽しむゲームだ。主人公はむちゃくちゃな状況のなか、犯人に言われるままハンドルを握っている。途中、当然パトカーの追跡を受けたり、水中に車が落下することもある。
ゲームプレイは基本的に音を聞いて左右のキーを押すことに終始する。右から車の音が聞こえれば、ハンドルを左に切れば避けられる。ゲームプレイ自体は単純だが、ゲームを盛り上げるのが登場キャラクターによるブラックコメディめいた会話劇だ。
左右から迫り来る対向車のクラクション、大金が見返りの実験に参加するために目隠しをしたまま車で待機しているのん気な主人公や、彼をあざ笑うかのように状況を悪化させる犯人が「黙れ!アイスクリームが嫌いな人間はいない!」といきなりキレる奇妙すぎる状況、「家の中にギャングスタがいる!」と否応なく実験に人質として巻き込まれたおばあちゃん、ネコの鳴き声など、個性的な登場キャラクターの演技が楽しい。
ゲーム中は目隠し風のヘッドアップディスプレイが表示されるが、プレイヤーが実際に目隠しをしたままでも遊べるゲームになっている。目隠しがなくとも、画面に何も表示しない目隠しモードもあるという。視覚障害者へのアクセシビリティにも配慮されており、画面読み上げソフトNonVisual Desktop Access (NVDA) とWindowsTTSと互換性がある。
Lo-Fi Peopleはゲームの初期バージョンを複数のゲームショーに展示し、イギリスで行われたGoogle Playインディーゲームコンテストの「ベストテン賞」やEGXRezzed Leftfield Collectionのオフィシャルセレクションなど、複数の賞を獲得。
テストの中でプレイヤーから孤立無援の恐怖、未知の聴覚能力を発見したときのスリル、禅のような集中力など、さまざまなフィードバックを受けたという。
音声だけで遊ぶ『Blind Drive』は3月11日にSteamとiOS、Androidにて発売予定。風変わりなゲームのため人を選びそうだが、興味がある方はゲームの発売を待って欲しい。