WHOがパンデミックシミュレーション『Plague Inc: Evolved』の感染症対策DLC「The Cure」を実際にプレイしながら、現実の感染症対策と比較する動画を公開

 世界保健機関(WHO)は、パンデミックシミュレーションゲーム『Plague Inc: Evolved』の感染症対策DLC「The Cure」を感染症の専門家とゲーマーが一緒に遊び、ゲームの感染症対策と現実の感染症対策とを比較して紹介する動画を公開した。

 オリジナルの『Plague Inc: Evolved』は感染症で世界を滅亡させることを目指すゲームだが、「The Cure」は感染症を封じ込めることを目指すDLCだ。2020年に起きた新型コロナウイルスの感染拡大を受け、WHOや感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、グローバル・アウトブレイク・アラート・アンド・レスポンス・ネットワーク(GOARN)の専門家のアドバイスの元、ゲームを開発したNdemic Creationsが制作した。本DLCは新型コロナウイルスの封じ込めに成功する日まで無料で配布されることになっている

 動画の冒頭では、こうした感染症に誰が最初に気がつくかが説明されている。多くの場合、最初に気がつくのは鋭敏な臨床医だ。そこから臨床医の住む国の政府へと情報が渡り、そこで対処できない状態であればWHOなど国際的な機関へと伝えられる。

 ゲームでは感染症が確認されると、マスクや手洗いの推奨や資金を使ってウイルスの検出能力を上げることなどが可能になる。ゲームプレイを見ている専門家によれば、正体不明の感染症が確認されたときに誰もができる効果的な行動は「手洗い」なのだという。どんな種類の感染症であれ、「手洗いは常に良い手段です」とその高い効果を説明している。

(画像はWHO公式サイトより)

 感染症は貧しい人々の暮らしに直撃し、特に上下水道の整っていない貧困国では寄生虫などがさらなる感染拡大に効果を発揮する。動物からの感染も疑われるため、しばしば豚や鳥の殺処分が必要になり、農家にも大きな影響を与えるとしている。感染症封じ込めには、こうした人々への経済支援も重要だと語った。

 世界的に流行する感染症を乗り越えるために気をつけるべきことに、文化の違いもある。日本では予防のためにマスクをつけることは一般的だが、そうでない国もある。マスクをつけることは重病を示すものだったり、そもそもマスクを含め公共の場で顔を隠すことが違法な国もある。
 今回の世界的大流行では、車を運転するときにシートベルトをつけるように、外を歩く際はマスクをつけるというのは、それが未知のウイルスであっても低コストで効果的な予防方法になることが多くの国に伝わっただろう。

 WHOのデジタルチャンネルマネージャーアンディ・パチソン氏は、「COVID-19の世界的大流行は、公衆衛生上の脅威に対処するためには誰もが果たすべき役割があることを証明しました。インタラクティブなゲームやシミュレーションを通じて人々を教育することは、特にインターネット上で誤った情報がまん延している中、コミュニティに情報を提供し、安全を確保するための素晴らしい方法です」とコメントしている。

(画像はSteam 『Plague Inc: The Cure』より)

 ようやくワクチンが流通し始めたが、まだまだ封じ込めに成功したとはいえない新型コロナウイルスの感染拡大。WHOもさまざまな手でこの世界的大流行に対応する中、こうしたゲームを使った啓発も行っている。

ライター/古嶋誉幸

ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros
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