世界SF協会は、第79回ヒューゴー賞のベストビデオゲーム部門の最終ノミネート作品を発表した。2021年12月15日(水)から19日(日)にワシントンDCで開催されるDisConIIIでの式典で受賞が発表される。ヒューゴー賞のビデオゲーム部門は特別カテゴリとして設置されたもので、今回限りとなる。
最終候補作は以下の通り。
・『あつまれ どうぶつの森』(任天堂)
・『Blaseball』(The Game Band)
・『ファイナルファンタジー7 リメイク』(スクウェア・エニックス)
・『ハデス』(Supergiant Games)
・『The Last of Us: Part II』(ソニーコンピューターエンタテイメント/Naughty Dog)
・『Spiritfarer』(Thunder Lotus)
1953年からはじまったヒューゴー賞は、SF関連の賞ではもっと長い歴史を持つ。SFファンの会員によって構成されている非営利団体・世界SF協会の投票によって受賞作品が決定される仕組みだ。
ヒューゴー賞はビデオゲーム部門の恒常的なカテゴリとしてもっていないが、数年前から委員会によって検討がなされている。ヒューゴー賞には特別カテゴリを設置できる規約があり、2006年には「ベストインタラクティブビデオゲーム」というカテゴリを設定したが、関心がもたれなかったため最終候補から除外されていた。
「ビデオゲーム部門は今回限りのもの」とヒューゴー賞は説明しているが、もし大きな関心が集まれば、恒常的なカテゴリとして設定されるかもしれない。
一方でヒューゴー賞と同じくSF賞ではもっとも権威をもつ「ネビュラ賞」は、すでにビデオゲームのカテゴリを2018年に新設している。ヒューゴー賞がSFファンによる投票である一方で、ネビュラ賞は作家、編集者、評論家などで構成されるアメリカSFファンタジー作家協会で構成されている。
SFでもっとも権威ある「ネビュラ賞」ゲーム部門のノミネートが発表。今年は『Hades』『Spiritfarer』『Kentucky Route Zero』がノミネート
ネビュラ賞と比較すると、野球シミュレーションゲーム『Blaseball』、6月24日(木)に日本語版が発売も決まったローグライク・アクション『Hades』、死者の魂を船で送るマネジメントゲーム『Spiritfarer(スピリットファラー)』の3作が両方ともノミネートされるという快挙をなしとげている。
一方でネビュラ賞と違って『あつまれ どうぶつの森』、『ファイナルファンタジー7 リメイク』、『The Last of Us: Part II』という大手メーカーのタイトルが最終候補に残った形だ。
第79回ヒューゴー賞のビデオゲーム部門の受賞結果は2021年12月15日(水)から19日(日)に発表だ。