CD PROJEKT REDは2020会計年度の決算報告にて、『サイバーパンク2077』が2020年に1370万本を売り上げたことを発表した。リリースは2020年11月19日のため、わずか1カ月と10日ほどのセールス記録となる。
一方で『サイバーパンク2077』は発売直後からパフォーマンスが問題視され、CD PROJEKT REDによる返金プログラム「Help Me Refund」が施行されている。返金のためには約2億4000万円が費やされたことが明らかにされており、これをゲームの標準価格で単純に計算すると、返品されたのは約3万本という計算になる。
同件を報じた海外メディアGamesIndustry.bizでは、CD PROJEKTの投資家向け広報担当者からのコメントが掲載。それによると、3万件という数字はあくまでCD PROJEKTにメールで問い合わせがあった件数なのだという。そのため、マイクロソフトやGame Stop、Best Buyなど小売店での返品は考慮していない。返品数は実際には3万本よりも多いと予想される。
CD PROJEKT IRの公式Twitterアカウントは、販売方法やプラットフォーム別の販売本数の割合も公表している。それによると、『サイバーパンク2077』の売り上げはダウンロード販売が73%、パッケージ版が27%と、ダウンロード版の割合がかなり大きいことがわかっている。プラットフォーム別には、PCとStadiaが全体の56%と半数を超え、PlayStation 4版は28%、Xbox One版が17%となった。
大きな期待を背負って2020年11月に発売された『サイバーパンク2077』は、2020年でもっともローンチ時に問題を抱えたAAAタイトルだったと言っていいだろう。特にPlayStation 4やXbox Oneでのパフォーマンス問題は大きな問題となり、前述の通り最終的に公式の返金対応にまで発展した。
その混乱の最中、PlayStaton Storeでは『サイバーパンク2077』のダウンロード版が販売停止になってしまう。復活しないまま現在まで4カ月が経ったが、「ストアにいつ復帰するかはソニー次第」とCD PROJEKT REDは公表している。
またCD PROJEKTは、同件で株式市場での評価も失っており、ポーランドの経済新聞「Puls Biznesu」の制作した証券取引所の2020年年間最優秀企業ランキングでは、調査された120社中61位までランキングが落ち込んでいる。2019年は最優秀企業だけでなく、管理能力、イノベーション、投資家との関係でも1位だった。
『サイバーパンク2077』はローンチに大きな問題を抱えたにもかかわらず、CD PROJEKTは2020年の売り上げを約607億円、利益は328億円と発表した。現在はゲームを改善するパッチやDLC、そして何らかのオンライン要素を持ったゲームなどを開発中だと伝えている。
ライター/古嶋誉幸