レアカードになると30万ドル以上で落札され、企業による投機の対象ともなる『ポケモンカードゲーム』。暴騰ともいえる値上がりを見せるポケモンカードで、またも大規模な取引があった。サイン入り「石原恒和社長」ポケモンカードが 24万7230ドル(約2700万円)で落札されたという。
このカードは株式会社ポケモンの社長である石原恒和氏の還暦のお祝いとして、従業員向けに配布されたカードだ。ピカチュウのイラストとともに社長のサインが入れられている。石原社長は『ポケモン』シリーズの総合プロデューサーでもあり、オークションサイトは「独創的なポケモンイノベーションの原動力」と氏の功績を表現している。
このカードをゲームに使うプレイヤーはまずいないだろうが、カードの能力も確認しておこう。「赤いちゃんちゃんこ」(Red Chanchanko)は、すべての攻撃ダメージや効果、技、トレーナーカードの効果を受けない能力だ。
さらに、1回のゲームで1度しか使えないGX技として、1060ダメージを与える「60歳おめでとう!GX」(60 Congratulations! GX)を持つ。なお、60回コイントスをし、表がでた数だけプレゼントがもらえる副次効果付きだ。
これまででもっとも高額なポケモンカードは、2021年1月に36万ドルで落札された「カメックス」のカードだ。3月には「リザードン」のカードが31万ドルで落札された。
高価なポケモンカードはパロディーの対象ともなっている。人気ストリーマーのJerma985氏は、「おじいちゃんが隠した宝物を発掘する」というドキュメンタリー風コメディードラマで、ガラクタの山から「コレクタブルモンスターカードパック」を発見するというていの映像を投稿。『ポケモンカードゲーム』かと期待して開けると、まったく違うカードがでてくるというギャグを披露している。
昔買ってそのままだったものを偶然見つけ、それが大変高額で落札されたという夢のある話は、ゲームのオークションでもたびたび耳にする。夢はあるが、期待して物置を掃除しても、家が片付く以上のリターンは得られない人の方が多いだろう。
ライター/古嶋誉幸