Sega of America(以下、SoA)に務めるケイティ・シュルザノスキー氏が、営利目的の使用や違法な素材を使ったものでない限り、ファン活動として『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のキャラクターを使ったゲームなどの制作を認める方針を北米および英語圏向けに伝えた。
シュルザノスキー氏は、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のSNSアカウントの管理やインフルエンサーとの関係構築など、SoAとファンをつなぐアソシエイト・ソーシャルメディア・アンド・インフルエンサー・マネージャーを務めている。
We can handle outliers case-by-case as we notice them, but our goal isn't to stifle everything.
— Katie – MiniKitty (@KatieChrz) May 10, 2021
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『ソニック』ファンのみなさん。ファンゲームやマネタイズに関するご相談をいただき、ありがとうございます。利益が発生しない限り、みなさんがアートや開発のスキルを磨くために私たちの“ブルーボーイ”を使用することは、通常問題ありません。(ただし法的な理由により、すべてのコンテンツを許可するわけではありません)
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少なくともSoAの見解としては、「非営利に限り」ファンゲームなどの制作を許可する方針のようだ。あくまで、非営利かつ法で許される範囲での対応であることには注意したい。著作権法は各国で解釈が違うため細かい解釈を断ずるのは難しいが、北米では公式のゲームから素材を利用せず自分や仲間内で素材を作るという範囲であれば許容されると思われる。
ガイドラインを設けてライブストリーミングやファンアートを許容する例は多いが、こうした二次創作ゲームの制作もOKとする例はあまりないだろう。なお同社は『ソニック』シリーズ25周年作品として『ソニック・マニア』を2017年に販売したが、同作は過去作を無許可でiOS向けに移植したファンのChristian Whitehead氏をメインプログラマーとして迎え開発されたことで有名だ。
通常こうしたファン活動はあえて黙認されるか、停止するよう措置が取られることがほとんどとなっている。たとえば愛好家が多いためIPを無断利用しファンゲームが多数作られ続けている任天堂は、たびたびインターネット上からそれらの作品削除しており、そのたびにファンゲームが消えたことがニュースとなる。基本的には、多くの企業はこうした対応を取るのが一般的だろう。
なお、シュルザノスキー氏の発言はあくまで北米向けに発信されたものである。あくまでSega of America担当の発言であって日本のセガの発言ではなく、日本向けにファンゲームの製作が許容されたわけではないことは留意されたい。