ウクライナでPS4を使った巨大な暗号通貨マイニング工場が閉鎖に追い込まれたことが現地時間の7月8日に報じられた。さらに現地メディアDeloの調査で、エレクトロニック・アーツのサッカーゲーム『FIFA』シリーズのボット工場である可能性が高いことが指摘されている。
ウクライナ保安庁は現地時間7月8日、ウクライナのヴィーンヌィツャで違法に運営されていたマイニング工場を摘発したことを発表した。ゲーム機が3800台、500枚以上のビデオカード、50のCPU、会計に関する文章やノートPCなどが押収されたという。
これを保安庁は仮想通貨マイニング工場の摘発としていたが、PS4 Slimでマイニングするとは考えにくいと現地ビジネス紙Deloが調査を開始。その結果、サッカーゲーム『FIFA』シリーズのアカウントを育てるボット工場だったことがわかった。なお保安庁は、調査の秘密を理由にDelaに対しコメントを拒否しているという。
『FIFA』シリーズには『FIFA Ultimate Team』(FUT)というマルチプレイモードが搭載されている。ゲームを遊ぶことで得られるゲーム内通貨やお金を使ってガチャ(ルートボックス)を引き、さまざまなレア度が設定されたサッカー選手のカードを取得。手に入れたカードでチームを組んで、ほかのプレイヤーと対戦や協力が楽しめる人気のゲームモードだ。
公式に『FIFA』シリーズでのRMT行為は禁じられている。しかし、人気のゲームモードだけにゲーム内通貨やアカウントなどのRMT行為などは盛んなようだ。ウクライナのボット工場も、ゲームの人気につけ込んだボット工場のひとつなのかもしれない。
なお、公式に禁じられているRMT行為が見つかった場合、アカウントの永久BANなどの制裁を受ける可能性が高い。育てたチームやアカウントを無駄にしたくなければ手を出さない方がいいだろう。