KADOKAWAは2月3日、2022年3月期の第3四半期決算短信を公開した。
当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高1576億4100万円(前年同期比3.2%増)、営業利益128億0900万円(前年同期比3.0%減)、経常利益141億6900万円(前年同期比5.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益95億7000万円(前年同期比6.5%増)となった。
ゲーム事業においては『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』など旧作のリピート販売が、新型コロナウイルスの影響により需要が急増した前期からの反動で減少。共同、受託開発事業にあっても大型作品を発売した前年からの反動と開発スケジュールの見直しにより、総合して前年比では大きな減収となった。
なお、ゲーム事業の中核的存在であるフロム・ソフトウェアの新作タイトル『エルデンリング』が2月25日に発売予定となっており、こちらの予約受注は順調に進捗。業績面での巻き返しが期待される。
同事業の売上高は76億4200万円(前年同期比38.2%減)、セグメント利益は4億0600万円(前年同期比86.2%減)となっている。
出版事業では北米を中心とした海外事業が高成長を継続し収益に貢献。また、書籍『テスカトリポカ』、『聖域』などの販売が好調に推移した。売上高は977億0600万円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は131億2700万円(前年同期比39.2%増)となった。
映像事業では映画『ヤクザと家族 The Family』、『ファーストラヴ』の配信が収益に貢献。またアニメは中国の規制の影響による放映スケジュール変更が制作費の増加などによって減益となるも、国内では『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』、『聖女の魔力は万能です』の配信による収入にくわえ、『Re:ゼロから始める異世界生活』や『この素晴らしい世界に祝福を!』などのIPを活用した権利許諾が業績に貢献したという。
結果として売上高は247億3800万円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益は13億9800万円(前年同期比39.6%減)となっている。
Webサービス事業では動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員は減少。しかし、生放送番組や動画にアイテムを送る「ギフト」機能をはじめ、広告などといった収益源の多様化への取り組みにより、業績は従来よりも安定的に推移しているとのことだ。また、イベント「Animelo Summer Live 2021」や「The VOCALOID Collection ~2021 Autumn~」の開催も売上に貢献した。
同事業の売上高は163億3700万円(前年同期比0.5%減)、セグメント利益は20億1400万円(前年同期比3.4%減)となった。
そのほか教育事業、IP体験施設を運営するコトビジネス、キャラクターグッズなどの企画や販売を行うMD事業などを展開。こちらの売上高は168億5800万円(前年同期比32.4%増)、セグメント損失(営業損失)は20億9200万円(前年同期 営業損失29億94百万円)とされている。
2022年3月期通期連結業績の見通しについては、2021年10月29日に公表された業績予想から変更なし。売上高2180億円(前年比3.8%増)、営業利益155億円(前年比13.8%増)、経常利益167億円(前年比16.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は117億円(前年比22.1%増)を見込む。
各データの詳細については、KADOKAWA公式サイトのIRニュースページも参照されたい。