ブラジルのデベロッパー(開発元)のCortez Productionsは4月8日、サバイバルホラーゲーム『The Backrooms Lost Tape』の新たな映像を公開した。
『The Backrooms Lost Tape』の対応プラットフォームはPC(Steam)で、2022年内の発売を予定している。
『The Backrooms Lost Tape』は近年流行しているネットミームの都市伝説「The Backrooms」をモチーフにした一人称視点のサバイバルホラーゲームだ。
ネットミームという側面もあることから明確な定義はないが、「The Backrooms」は「壁面が黄色のみの部屋」の画像やそれに付随する物語を示す言葉として用いられる。
人気がなく、どことなく不気味な印象を思わせる「壁面が黄色のみの部屋」のほか、対象となる空間の特徴として濡れた絨毯の匂いや蛍光灯のノイズが挙げられる場合が多い。
公開された映像の後半では、人気の無いレトロな室内プールの空間も登場しており、本作は「The Backrooms」のみならず、人気の無い不気味な空間を示すネットミーム「Liminal Space」もモチーフとなる。
『The Backrooms Lost Tape』の主人公は、映画館のスタッフとして働いている人物となっており、迷い込んでしまった「The Backrooms」の謎を解き、主人公の邪魔をする謎の存在を避けながら脱出を目指す。詳細は明らかにされていないが、謎解きのヒントとして主人公と同様に「The Backrooms」に迷い込んでしまった生存者からのメッセージが活用できるという。
本作では空腹や喉の渇きのステータスが用意されており、所持している懐中電灯の電池が切れるとゲームオーバーとなるため、管理しながらゲームを進行する必要がある。
本作の最大の特徴は、フォトリアルな再現性と共に演出されたVHS風のビジュアルだろう。公開された映像は旧式の家庭用ビデオカメラで実際に撮影された映像の質感を獲得しており、同様のグラフィックとカメラの手ブレ感が実装されることに期待が高まる。
近年の個人制作のホラーゲームにおいて、モデルのポリゴン数を減らし、解像度の低いテクスチャを使用することでPS1風のビジュアルを構築する手法は多く見られるが、レトロな質感と共にリアリティを提示する作品は、とくにビデオゲームにおいては稀だ。
一方で、ホラーゲームにおいて高精細なグラフィックは空間や登場するキャラクターを鮮明に描き過ぎてしまい、画面の明度を下げること以外で恐怖を演出できない問題も懸念されるため、フォトリアルな映像で恐怖を演出する難しさも懸念される。
本作はフォトリアルなクオリティの3DCGとVHS風の映像効果、手ブレを併用することで、ネットミーム「The Backrooms」が持つ蛍光灯の下で立ち上がる「得体の知れない恐怖」を、得体の知れないままにリアリティをもって表現することを可能にしている。
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