デベロッパー(開発元)のAVOS’は4月13日、歴史的な作家が殴りあう格闘ゲーム『Write ‘n’ Fight』を4月15日に発売すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は不明だ。
『Write ‘n’ Fight』は歴史的な作家が言葉ではなく、拳で殴り合う格闘ゲームだ。トレーラーや公開されている映像を参照すると、歴史的な作家の名を関する男達が超人的な身体能力で殴り合う様を確認できる。
2021年の7月に公開されたトレイラーでは「クトゥルフ神話」の生みの親であるH.P.ラブクラフト、19世紀のロシアの小説家・思想家であるレフ・トルストイ、『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』でお馴染みのフョードル・ドストエフスキー、『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』などで知られるウィリアム・シェイクスピア、19世紀イギリスの作家であり『クリスマス・キャロル』の作者であるチャールズ・ディケンズ、『老人と海』でお馴染みのアーネスト・ヘミングウェイなどの作家が登場していた。
当時の映像を参照すると、クトゥルフらしくラブクラフトの手が伸びたり、ドストエフスキーが『罪と罰』のイメージと思われる斧を使ったりと、映像で確認できる作家の作品や文脈はやや控えめな印象を受けるものだった。
しかし、4月13日に公開された最新の映像では、H.P.ラブクラフトが戦うフィールドにはクトゥルフを想起させる奇怪な巨体が屹立し、しばしばラブクラフトと戦闘するドストエフスキーを攻撃している。また、チャールズ・ディケンズが戦うシーンでは『クリスマス・キャロル』に因んで背景にクリスマスツリーがそびえ立つ。
本作に登場するプレイアブルな歴史的な作家たちは、短時間だけその空間の「ボス」としての力を発揮できる「マジックアリーナ」を使用することができ、最新の映像を踏まえると製品版のゲームではさまざまな「マジックアリーナ」により、作品の世界観が衝突する戦闘に期待できる。
また「マジックアリーナ」の発動する効果により、本作の戦闘はステージギミックが勝敗に関わるトリッキーな戦闘となるだろう。
しかしながら、作品の公式Twitterアカウントを参照すると、多くの人にとっては意味不明だが、限られた人には伝わるマニアックなネタも仕込まれているとコメントしている。本作に散りばめられた演出がはたして何を意味するのかを解き明かすのも本作の楽しみとなるだろう。
Twitterにて演出の由来を完全に説明はしていないものの、解明するヒントとなるツイートも投稿されているため、興味があればぜひ参照されたい。
Write'N'Fight. Tolstoy's Victory Pose.#Tolstoy's main secret (in addition to total distrust of the symbol, trust in action) was that he was describing the character's internal reptile for the reader's internal reptile.
— Write N Fight fighting game with Rollback. (@WriteNFight) November 9, 2021
Not understood? But someone understood …#fgc #gamedev pic.twitter.com/Y12wmSZUZv
最新のトレーラーでは前述の作家のほか、『トム・ソーヤーの冒険』の作者であるマーク・トウェイン、イタリアの詩人、作家であるアレッサンドロ・マンゾーニ、『西部戦線異状なし』の作者であるドイツの小説家エーリヒ・マリア・レマルク、『鼻』や『羅生門』でお馴染み芥川龍之介などの作家が登場しており、計15人の作家が登場する。
なおこのほかにも本作には超人的な反応速度を訓練することに適した2倍モード、両プレイヤーが一定数のコマンドの羅列を先行して入力したのち、両方のキャラクターがコマンドを実行するプロフェットモードという実験的なモードが実装される。
さらに、グラフィック面ではあえて画像を粗くする「レトロモード」が搭載されている。ストアページには「古びているが素敵なもの」と紹介されている。
上記のとおり3つの搭載モードは利便性ではなくある種のフェチズムを満たすための機能だと推測されるが、「歴史的な作家が拳で戦う」というコンセプトの本作において、そのような指摘は無粋だ。
興味がある読者は、Steamストアページにアクセスしてウィッシュリストに登録しよう。