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ドワンゴが「ゆっくり茶番劇」商標取得者に対し商標権の放棄交渉を行うと発表。ユーザーへの相談窓口の設置や「ゆっくり」関連用語の商標出願も進める構え

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 『ニコニコ動画』運営元のドワンゴは5月23日(月)、動画ジャンル「ゆっくり茶番劇」の商標登録に関する同社のアクションを説明する記者会見を実施した。

 本件は5月15日(日)にYouTueクリエイターの「柚葉」氏が「ゆっくり茶番劇」の商標権の取得を発表したことに端を発する。動画にて用いられる「ゆっくり」イラストの原作である『東方Project』を手がけたZUN氏本人や関係者ではなく、第三者の柚葉氏が取得した点が大きな波紋を呼んだ。

 同時に、柚葉氏は今後「ゆっくり茶番劇」の商標を利用する際は商標使用許可申請書の提出と、年間10万円(税別)の使用料が必要になると告知。また、取得商標の登録に関する異議申し立て期限を過ぎてからの発表となっていた点なども問題視された。

 その後柚葉氏はのちに使用料の支払いについては不要と定める方針をTwitter上にて発表したが、依然として当該商標権は保持されたままであり、いつでも前言を撤回できる状態が継続している。

https://twitter.com/Yuzuha_YouTube/status/1526151609704558592?s=20&t=QUqUsCDELVOoZ5XrtsbG3Q

 

  ドワンゴは今回の会見に先駆け、5月20日(金)時点で「『ゆっくり茶番劇』をタイトルにつけた動画をニコニコ動画に投稿しても商標権を侵害することはない」との見解を示していた。

 会見では事態の経緯やドワンゴの見解をあらためて説明したのち、同社の行う4つのアクションが発表された形だ。

 ドワンゴは今後、商標取得者に対する商標権の放棄交渉を行い、放棄されなかった場合は無効審判請求を行う姿勢を表明。また、動画投稿者などの立場で使用料を請求されたユーザーに向けた無償の相談窓口を開き、同時に独占防止を目的とした「ゆっくり」関連用語の商標出願を進めるという。

ドワンゴが「ゆっくり茶番劇」商標取得者に対し商標権の放棄交渉を行うと発表1
(画像はニコニコ生放送「『ゆっくり茶番劇』商標登録に関するドワンゴのアクション」より)

 なお、ドワンゴからの商標出願については、将来にわたって一切の権利行使を行わないことが明言された。また一連のアクションについては、ZUN氏とのコミュニケーションを取りつつ実施していく姿勢を示している。本件の詳細については、以下のプレスリリースも参照されたい。

プレスリリースの全文は以下のとおり。


「ゆっくり茶番劇」商標登録に対する弊社のアクションについて

株式会社ドワンゴ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:夏野剛)は、本日、文字商標「ゆっくり茶番劇」に関する弊社の今後の対応について記者会見を行い、多くのクリエイターの方が安心して創作を続けられる環境を作るために、4 つのアクションを実施することを発表しました。

1.「ゆっくり茶番劇」商標権の放棄交渉

2.「ゆっくり茶番劇」商標登録に対する無効審判請求

3. 使用料を請求されてしまった方への相談窓口の設置

4. 商標登録による独占の防止を目的とした商標登録出願

詳しくは以下の通りです。

1.「ゆっくり茶番劇」商標権の放棄交渉

「ゆっくり茶番劇」の商標権者に対して、商標権の放棄を交渉します。

2.「ゆっくり茶番劇」の商標登録に対する無効審判請求

もし放棄に応じていただけなかった場合、「ゆっくり茶番劇」の商標登録に対して、無効審判を請求します。

3. 使用料を請求されてしまった方への相談窓口の設置

2022 年5 月23 日現在において当該商標権は権利放棄されておらず、今後、商標使用料の請求を求められてしまう可能性は残ってい ます。また、権利者になりすました者がクリエイターに対して無差別にメールを送りつけ、不当な請求を行うことが懸念されます。 そこで、本件に関して、動画を投稿したことによって、実際に商標の使用料や損害賠償の請求が届いてしまった方を対象とする無償の 相談窓口を開設します。請求書の内容に応じて、警察や法律事務所など適切な窓口の紹介を行います。

<相談窓口はこちら>https://qa.nicovideo.jp/?site_domain=default ※15 時公開

4. 商標登録による独占の防止を目的とした商標登録出願

「ゆっくり」系動画において、ジャンル・カテゴリーを示す表示として広く使われている複数の文字列を対象として、商標登録の出願を行います。これはドワンゴが権利行使をするために出願するわけではありません。もしインターネットを利用して行う映像の提供において、ジャンル・カテゴリーを示す表示として一般的に使用されていることを理由に特許庁が商標登録を拒絶すれば、誰も商標登録を取得できないことが明らかになります。一方、その文字列について商標登録がなされてしまった場合でも、取得したゆっくり関連の商標権について、弊社は将来にわたり一切の権利行使をしないことをお約束します。

なお、悪意ある第三者による商標登録出願を防ぐために、出願を予定している文字列の詳細は記載を控えさせていただきます。

「ゆっくり動画」は、すでに10 年以上の歴史と80 万本以上*の作品数を誇る巨大な文化圏です。コミュニティが築き上げてきた名称がいます。(*ニコニコ動画のサービスに限定しても80 万本以上)

ドワンゴは今後とも、関係各所と連携を図りながら、ネットクリエイターの方々が安心して創作活動を楽しめる環境を守ってまいります。

<記者会見概要>

【日時】 2022 年5 月23 日(月)15 時00 分~

【登壇者】栗田穣崇(ドワンゴ専務取締役 COO)、小川和晃(ドワンゴ法務部部長)

【視聴 URL】https://live.nicovideo.jp/watch/lv336994652

※ご参考:文字商標「ゆっくり茶番劇」に関する弊社の見解について(5 月20 日発表)https://dwango.co.jp/news/5673232225009664/

編集者
オーバーウォッチを遊んでいたら大学を中退しており、気づけばライターになっていました。今では格ゲーもFPSもMOBAも楽しんでいます。ブラウザはOpera

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