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狼が仲間を集めて湖を渡るゲーム『湖ノ狼』が芸術祭「山形ビエンナーレ2022」に出展。実際の地形を元に“Unreal Engine 5”で山形に伝わる「藻が湖(うみ)伝説」を再現

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 東北芸術工科大学教授、鹿野護氏の主宰する「未来派図画工作」は8月27日、ゲーム『湖ノ狼』を芸術祭「山形ビエンナーレ2022」にてプレイアブル展示すると発表し、あわせてトレーラーを公開した。

『湖ノ狼』が芸術祭「山形ビエンナーレ2022」に出展_001
(画像は湖ノ狼 | 未来派図画工作のすすめより)

 『湖ノ狼』は狼として美麗な3Dのマップを駆け回るゲームだ。プレイヤーは三人称視点でを操作し、実際の山形県の地形をもとにしたマップを探索していく。

 本作は山形県の村山地方がかつて大きな湖であったとされる「藻が湖(うみ)伝説」をモチーフに制作されたもの。ゲーム内では現実の村上地方の地形上に再現された藻が湖が広がっている。

 ゲームでは第一に、主人公の狼を操作して狼の仲間をあつめていく。そして東根の貴船神社から、西根の船着観音にむけて藻が湖を渡ることが目的だ。

 公式サイトではゲームの概要と共に、「藻が湖伝説」を思い起こさせる「船着観音堂」が取り壊されてしまうことや、山形には狼が生息していたとされるものの、痕跡が失われ、不確かな伝説に変わりつつあることが紹介されている。

 狼たちが藻が湖を渡る理由は明言されていないものの、狼や「藻が湖伝説」を紹介するテキスト、そしてトレーラーに登場する幽霊の様なクリーチャーたちを参照すると、ゲームをとおして「存在したかもしれない」生物や時空を再び思い起こす体験に期待できそうだ。

 このほかに、ゲーム制作にUnreal Engine 5を駆使した美麗なグラフィックや、ゲーム内の一部オブジェクトが株式会社ニコンが進めているプロジェクト「郷土芸能や民俗芸能の継承や文化保存のための3Dアーカイブ」のデータであること、鹿野研究室に所属する齋藤光佑氏現在の地形を解析してレベルデザインを行っていることなど、技術的なアプローチの魅力も注目のポイントだ。

展示時間は朝の9時から夕方の16時30分までとなっており、展示日は以下のとおりだ。

2022年 9月
3日(土)・4日(日)・9日(金)・10日(土)・11日(日)
16日(金)・17日(土)・18日(日)・19日(月祝)
23日(金祝)・24日(土)・25日(日)

 山形ビエンナーレでは複数の画家や彫刻家、写真家、映像作家、インスタレーション作家などの作品が山形県の各地に展示される。興味がある読者はぜひ芸術祭を訪れて見てはいかがだろうか。

ライター
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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