ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は11月21日、同社が日本国内向けに再展開する『ダンジョンズ&ドラゴンズ 日本語版』のメディア向け発表会を開催した。
発表会では12月16日に発売を予定している『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ウィザーズ・オブ・ザ・コースト日本語版の発売に先駆け、新商品の紹介や、2023年の戦略、展望などが明かされた。本記事ではメディア向け発表会のレポートをお届けする。
テーブルトップRPG(以下、TRPG)とは、テーブルゲームのジャンルのひとつ。紙や鉛筆、サイコロなどの道具を用いて人間同士の会話とルールに従って遊ぶ「対話型のRPG」を示す。
1974年に制作・発売された『ダンジョン&ドラゴンズ』は世界最初のRPGであり、世界最初のTRPGだ。
ダンジョンマスターが場面や状況を説明し、プレイヤーは状況に応じた行動を選択。ダンジョンマスターは彼らの行動に耳を傾けて行動結果の決定方法を選択する。しかし、冒険者の行動の達成が困難である場合も存在するため、行動の結果はダイスを振って決定していく。
この流れは決断が必要な全ての場面で繰り返され、ゲームの中心となっているが、場面に応じた流動的な展開が楽しめる作品となっている。
また、発表ではウィザーズ・オブ・ザ・コースト アメリカによる2021年度の市場調査も紹介された。『D&D』は世界中で5000万人を超えるプレイヤーに愛されており、1年間における本作のPR関連、メディア関連の記事や投稿は13億件以上、フェイスブックの投稿は7000万件以上、Instagramの投稿は4500万件以上となっており、データによると世界で最も人気なRPGと言えるそうだ。
同調査によると71%のRPGプレイヤーが『D&D』を認知し、41%が本作をプレイしたことがあり、X、Y、Z世代にもファンが存在。男女比率は男性が60%、女性が39%とさまざまなユーザーに親しまれている。
近年ではネットフリックスで公開されているドラマシリーズ『ストレンジャーシングス』や人気アニメ『リック&モーティ』にも『D&D』が登場しており、ポップカルチャーへの影響も伺える。2023年には『D&D』の映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』が公開され、本作のウィザーズ・オブ・ザ・コースト日本語版の発売とあわせて更なる盛り上がりに期待が高まる。
11月21日には公式サイトにて本作の取扱店舗が公表され、12月16日にはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社より『D&D』の商品が6種類国内向けに発売される。
プレイセットはゲームの基本ルールにくわえ、作成積みキャラクターシートといったゲーム開始時に必要なアイテムを同梱し短時間ですぐにプレイできる入門者向けの「スターターセット」、同じく入門向けながら、キャラクターの作成に必要なアイテムなども同梱し、ファンタジーの世界を楽し見たいプレイヤーに最適な「デラックスプレイボックス」がラインラップ。
くわえて、キャラクターの作り方、レベルアップ、背景、技能、探検、戦闘、装備、呪文といったルールが収録された「プレイヤーズ・ハンドブック」、ダンジョンマスターが出現させるドラゴン、ジャイアント、マインド・フレイヤ―、ビホルダーといった数々のモンスターの情報を収録した「モンスターマニュアル」、ダンジョンマスターのコツやルールが納められた「ダンジョンマスターガイド」、ルール展開のソースブックである「ザナサーの百科全書」がそれぞれハードカバーで発売される。
初心者向けのセットが新たに発売されるものの、RPGおよびTRPGの始祖とも言える本作に、ハードルの高さを感じる読者も少なくないだろう。
そこで、11月21日より、公式サイトおよびYouTubeにて本作の遊び方を開設する開設動画が公開される。ゲームマスターやプレイヤーなど、初心者でも分かりやすく解説した動画となっているため、ハードルを感じている方はぜひ活用されたい。
さらに販売店舗での体験会イベントのほか、発売後にはスターターセットのチャプター1とキャラクターシートを無料お試し版として配信予定だ。無料お試し版は追ってSNSや公式サイトで発表されるため、これから『D&D』をはじめる方はこちらも利用しよう。
ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は日本国内の発売にあわせたマーケティングプランの一貫として8月にオリジナルのブランドムービーを公開しており、今年の年末から来年の春にかけて、YouTubeやTwitterで2か月間広告を配信する予定だ。
10月20日に公開され話題となったイラストレーターである百瀬寿氏とのコラボをはじめ、今後とも日本限定『D&D』キャラクターイラストとキャラクターシートを公開予定している。2023年春には『D&D』の映画が公開され、年末より映画のプロモーションがオンラインおよび映画館で開始。そして、ゲームマーケットといった現地のイベントのほか、年末にかけてYouTuberやVtuberといったインフルエンサーとのコラボプロモーションも予定している。
発表会では本作のコミカルな新CMも公開。『D&D』のプレイヤーたちがゲームに没入していく様を面白おかしく演出し、描いている。
このほかに、年末の発売を記念し、12月16日より抽選で100名に百瀬寿氏が描くキャラクターが配置されたオリジナルのダイストレイが当たるキャンペーンも実施される。詳細はD&Dの公式サイトやSNSをチェックしよう。
2023年には日本で初登場の新商品4点の発売を予定。2022年にはAPACの展開を行い、今後4年間の予定としては2023年に『D&D』の映画公開に合わせたブランドの更なる展開を狙う。2024年には『D&D』50周年に際したデジタル版の展開を実施。2025年以降も引き続き『D&D』の関連商品やコンテンツを販売および運営する予定だという。長期的に『D&D』を新たなスタイルで楽しめそうだ。
最後に、コスプレイヤーであるシスルさん、えい梨さんが『D&D』をモチーフにしたコスチュームで登壇。発表会ではFighter-KOU氏によるゲームマスターのもと実施されたシスルさん、えい梨さんの10分体験会のダイジェスト映像が公開された。
発表会にあわせてえい梨さん、シスルさんのフォトセッションも開催されており、ファンは記事の末尾に掲載する特別な衣装のふたりを刮目して見届けよう。
ダイジェスト映像ではFighter-KOU氏の鮮やかなゲームマスターおよび指導のほか、美麗なコスチュームを纏い20面ダイスと格闘する2人のプレイヤーの雄姿が納められていた。
えい梨さんは体験会を経て、ダイスの数値やシナリオが産む流動的な展開に翻弄される点の魅力を、シスルさんは各場面の出来事に随時思考し、対応する大変さを語った。また、10分間の体験会となったが、異なる展開や物語の今後の展開をぜひプレイしたいと『D&D』への意欲的なコメントを残した。
Fighter-KOU氏は初心者への指南として、「喋らなければ進まない一方、ゲームマスターは良い人が多いため、困ったらゲームマスターに相談すると良い」と入門者に役立つリアルな攻略情報を披露。そして、発表会を締めくくるコメントとして、「ハードルは高いものの、まずはボックスセットなどを活用してぜひ遊んでみてほしい。お待ちしております」と先陣らしい懐を感じさせるコメントで発表会の幕を閉じた。