日本時間1月9日から開催されている、ゲームのクリアタイムを競うRTA(リアルタイムアタック)を行う世界最大規模のチャリティーイベント「AGDQ2023」にて10日、Valve社が販売するアクションパズルゲーム『Portal』のポータル禁止RTAが披露された。
同イベントを公認のもと日本語ミラー配信を実施している「Japanese Restream」のチャンネルでは、同作と開発元が同じFPSゲーム『ハーフライフ2』のRTAにて、世界13位の記録を保持するshio氏が解説をつとめた。
同氏によると「ゲームは『Portal』だが、今回のカテゴリ(ルール)としては『ハーフライフ2』プレイヤーの方が詳しい」とのことで、チャット欄では多くの視聴者が「?」マークを浮かべていた。
『Portal』はSteamの運営元でもあるValve社が2007年に発売した、アクションパズルゲームだ。謎の企業「Aperture Science」の研究施設を舞台に、「ポータルガン」とよばれる銃を使用して仕掛けを突破していく。
「ポータルガン」を使用するとブルーとオレンジの出入口(ポータル)が生成される。二つの出入口はともに接続されており、一方から入ればもう一方から出ることができるという特性を持つ。そしてこの性質を利用してパズルや仕掛けを解き、ゴールを目指すことがゲームの目的となっている。
しかし、今回のイベントで披露されたのはその“ポータル”を一切使用しないカテゴリである「Airboat%」だ。このカテゴリでは、ポータルガンを発射することが禁止されている。
プレイヤーはゲームを攻略するために別の手段を探し出す必要があり、そこで白羽の矢が立ったのが『ハーフライフ2』に登場する「エアボート」なのだという。
その大きな理由として、『Portal』や『チームフォートレス2』といったゲームタイトルが、技術的に『ハーフライフ2』のModとして作成されていたという背景があげられる。これらのタイトルには『ハーフライフ2』の多くのファイルがそのまま残されており、「エアボート」もそのひとつだったのである。
今回のRTAでは、プレイヤーの目の前にエアボートを出現させる“特殊なコマンド”を軸として、エアボートに乗り込む際にプレイヤーの当たり判定が消えることを利用した壁抜け技「エアボート・クリッピング」と、大量に出現させたエアボートの当たり判定がぶつかり合うことで、プレイヤーを吹き飛ばす「エアボート・ブースティング」を駆使した素晴らしい走りが披露された。
「AGDQ2023」は日本時間1月15日(日)まで開催予定だ。Twitchチャンネル「Japanese_Restream」では、開催中の様子を日本語にて24時間配信している。この他にもさまざまなゲームのRTAが披露されるほか、日本人の参加者も多くいるため興味のある方はチェックしておこう。