スクウェア・エニックスが展開す『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』の内部情報をめぐるインサイダー取引事件に関して、3月2日(木)に開かれた東京地裁での初公判にて、金融商品取引法違反の罪へ問われているゲームクリエイターの中裕司被告が起訴内容を認めた。国内メディアのTBS NEWS DIGやNHKニュースが本話題を報じている。
スクウェア・エニックスの元社員である中被告は2020年以降、Aimingと共同開発していたタクティカルRPG『ドラゴンクエストタクト』や、エイチームと共同開発するバトルロイヤル型アクションゲーム『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー』に関する公表前の情報をもとに、各企業の会社の株を買い付けた罪に問われている。国内メディアの報道によると、公判のなかで中被告は「公表前にゲームについての事実を知り、株を買ったことは間違いありません」と供述し、起訴内容を認めたという。
中被告は1984年から2006年にかけてセガへ所属しており、同社の代表作『ソニックシリーズ』における開発の中心人物として活躍。ファンの間では同シリーズを世界へ送り出した“生みの親”とも称されていた。しかし、自身の設立した株式会社プロペでの活動を経て、アクションゲーム『バランワンダーワールド』の開発ディレクターとして2018年にスクウェア・エニックスへ移籍すると状況が一変。2022年4月にはスクウェア・エニックス側に対し、公表禁止の業務命令に関する失効の確認を含めて「発売の半年前にディレクターを外された」とする訴訟を提起していた。
【更新 2022/03/02 21:05】記事初版にて「中被告は1984年から2016年にかけてセガへ所属」と記載しておりましたが、正しくは株式会社プロペを設立した「2006年」までとなります。訂正のうえお詫び申し上げます。
バランワンダーワールド発売の約半年前にバランワンダーワールドのディレクターから外される業務命令が出されましたので、スクウェアエニックスに対して裁判所で訴訟を提起していました。裁判が終わり業務命令が現時点で効力は失われていると言う事ですので、お話したいと思います。#BalanWonderworld pic.twitter.com/9KE7hLqfor
— Yuji Naka / 中 裕司 (@nakayuji) April 28, 2022