アメリカ合衆国における事実上の国立図書館であるアメリカ議会図書館(Library of Congress)は4月12日、近藤浩治氏が手がけた『スーパーマリオブラザーズ』の「地上BGM」を収蔵すると発表した。
アメリカ議会図書館にゲーム音楽が収蔵されることは史上初となる。
A video game theme song, probably the most recognizable in history, is also a first for the #NatRecRegistry. The Super Mario Bros. theme by Koji Kondo helped establish the game's legendary status & proved that the Nintendo sound chip was capable of vast musical complexity. pic.twitter.com/RHPaXV1WLs
— Library of Congress (@librarycongress) April 12, 2023
アメリカ議会図書館は発表に合わせ近藤浩治氏のコメントなどを公開しており、近藤浩治氏の出自などを紹介しつつ「地上BGM」制作時のエピソードが簡潔に語られている。
近藤浩治氏は「地上BGM」の制作時は音楽と効果音に使えるデータの容量が極端に小さく、当時の音楽とプログラミングの技術を駆使して「革新的なことをする必要性」があり、ゲームオーバー時には再挑戦を促すジングルを作成したり、ゴールを祝福するファンファーレや残り時間に合わせて楽曲がスピードアップする仕様を考えたという。
また、「このゲームがシリーズ化されて、長く続いていくのではないかという予感もあった」と語り、「この音楽が他の多くの名曲と一緒に保存されることは、とても名誉なことです」とコメントしている。
「地上BGM」とともに2023年に収蔵される音楽作品は、ジョン・レノンの「イマジン」やクリスマスシーズンの定番であるマライア・キャリーの「All I Want for Christmas Is You」、レッド・ツェッペリンの代表曲である「Stairway to Heaven」、マドンナの「Like a Virgin」、Queen Latifahの「ALL Hail the Queen」、レゲトンのクラシックスであるDaddy Yankeeの「Gasolina」などがラインナップ。幅広いジャンルと年代の楽曲が選ばれている。
なお、近藤浩治氏の楽曲も収録される映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は4月28日に公開予定だ。