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ネコが現世への帰還を目指すアクションゲーム『九魂の久遠』を試遊してきた。死ぬたびに虎や獅子、チワワに人間とさまざまな動物のスキルを得て復活し、やがては半人半猫にもなるアクション。でも頑張れば猫のままでも進める【Bitsummit Let’s Go!!】

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 7月14日(金)から7月16日(日)にかけて京都市勧業館みやこめっせにて開催中のインディーゲームの祭典「Bitsummit Let’s Go!!」にて、インティ・クリエイツは黄泉の国からの帰還を目指すネコが主人公の2Dアクションゲーム『九魂の久遠』(くこんのクオン)を出展しており、同ブースにて試遊が体験できる。

 『九魂の久遠』はNintendo Switch、PC(Steam)向けに現在開発中で、発売日は未定。今回は会場にて一足先に本作の試遊を体験したため、そのレポートをお届けする。

 

ネコが現世への帰還を目指すアクションゲーム『九魂の久遠』を試遊レポート【Bitsummit】_001

 今回の試遊では、これまでは明らかにされてこなかった本作のゲームシステムが明らかにされ、ゲーム序盤のシーンを15分間にわたって遊ぶことができた。

 本作は、命を落とし冥界へとやって来たネコのクオンが、飼い主との再開のため現世への帰還を目指すアクションゲームだ。英語圏のことわざ「A cat has nine lives」(猫に九生あり)をゲームのテーマとして取り入れており、クオンは「九生あり」の言葉通りに死と蘇りを繰り返しながらゲームを進めていく。

ネコが現世への帰還を目指すアクションゲーム『九魂の久遠』を試遊レポート【Bitsummit】_002

 ゲーム開始時には、クオンは能力をほとんど持たないただのネコとしてスタートする。ジャンプや壁に張り付くといったアクションはあるものの、冥界には異形の敵たちがあふれているため、まもなくクオンはダメージを受けて死んでしまうことになる。

 しかし、ここからが本作の本領発揮だ。クオンは死ぬたびに、ほかの動物の魂を取り込んで復活するという「アニマリヴァイヴ」という特性を持っており、死ぬたびにその動物のスキルを得て復活することができるのだ。

ネコが現世への帰還を目指すアクションゲーム『九魂の久遠』を試遊レポート【Bitsummit】_003

 筆者がプレイした際には、最初は「虎」や「獅子」といった爪による攻撃を可能とする動物の魂が手に入り、その後もダメージを受けて死ぬたびに「カラス」の魂を取り込んで二段ジャンプが可能になるなど、さまざまスキルを手に入れていった。

 またのちほど現地のほかのプレイヤーの試遊を見ると、筆者がプレイした際には出なかった「チワワ」の魂などを取り込んでいる様子も見られた。もしかするとプレイするごとに取り込まれる動物の魂とスキルの種類は異なるのかもしれない。

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 と、そうやってゲームを進めていくうちに、ここで最初のボスと遭遇する。ボスに対しては普通のネコでは太刀打ちができないということで、ここでは「シャドウスルー」アクションを使って立ち向かう方法が説明される。

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 「シャドウスルー」は回避とダッシュを兼ね備えたアクションで、ボス系の攻撃をこれで回避した場合、エネルギーを吸収してゲージをため、必殺の一撃である「フェイタルスタンプ」につなげることができるとのこと。

 攻撃をかわし続け、やがてゲージが貯まり「フェイタルスタンプ」を放つと、カットインとともに一発でボスを撃破することができた。なるほどこうやって一撃必殺でゲームが進むのかな、とつぶやいていると、現地のスタッフはなにやら含みのある反応で、どうもそういうわけでもない様子だ。

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 その後、ゲームタイトルが表示されるも、試遊はこれでは終わらず、さらにゲームは続いていく。何度か死にながら冥界を進んでいくと、ここでゲームに大きな変化が生じた。

 クオンが「人間」の魂を取り込み、半人半猫の姿に変化したのだ。

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 この姿になったクオンは、これまでとは違い一撃で死ぬことがなくなり、一気に戦闘力が強化。ただし人型になったことでこれまで使えていた「シャドウスルー」は使えなくなり、回避アクションとしてはその場での回避のみが行えるようになる。まったく違うアクションゲームの操作感だ。

 その後は人型での操作を残り時間いっぱいまで試し、さらなる死によって「ティラノサウルス」の魂を取り込んだところで時間切れとなり、試遊は終了となった。ティラノサウルス!人間の時点でもかなり驚かされたが、そこでネタが失速することなく、まだまだ期待に応えてくれる魂が用意されている予感だ。

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 振り返ってみると、ネコの姿でのみ使える「シャドウスルー」などは、攻撃手段の乏しい、あるいはまったくない状態でもボスを倒すための手段として用意されていたのだとわかる。人型になるとより攻撃的な戦い方ができるため、今回の試遊では確かめられなかったものの、ボスに対してもよりアクティブに挑んでいけたものと考えられる。

 試遊後にあらためて開発者の一人に話を伺うと、このゲームは序盤から効率よくゲームを進めようと思うなら、あえて死と転生を繰り返し、早めに人型になるという方法もあるとのことだ。

 しかしそうすると徐々にネコという存在からは遠いものになってしまうし、多くのプレイヤーが可愛いネコを死なせたくない、という気持ちも持っているはずなので、そのあたりでジレンマを感じつつもゲームを進めてほしいとのコメントが得られた。

 そうすると本作では、一度もクオンを死なせることなくゲームを進めることもできるようになっているのかもしれない。ネコを死なせないように進むというのは、気持ちとしてもゲームのチャレンジとしても確かに心が湧く要素となりそうだ。

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 『九魂の久遠』はNintendo Switch、PC(Steam)向けに現在開発中で、発売日は未定となっている。

 7月14日(金)から7月16日(日)にかけて京都市勧業館みやこめっせにて開催中のインディーゲームの祭典「Bitsummit Let’s Go!!」では、インティ・クリエイツのブースにて『九魂の久遠』が出展中だ。同ブースにて本作の試遊が体験できるため、現地を訪れる予定のある方は、本作を体験してみてはいかがだろうか。

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ライター
85年生まれ。『勇者のくせになまいきだ。』シリーズの代表的プレイヤーとして名を馳せたツルハシの化身。 10代の頃、メックシューターゲーム『ファントムクラッシュ』とその続編『S.L.A.I.』の世界にハマり、 ディスプレイ越しに見た2071年に帰るべく日々を生きる。TCGとボードゲームも好物。
Twitter:@Dump29

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